鹿島復帰!内田篤人のプレースタイルは?知性が高い現代的サイドバック

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2017年8月日本代表の右サイドバック内田篤人がドイツブンデスリーガ1部のFCシャルケから2部のウニオン・ベルリンに移籍することが決定しました。

非常に症例の少ない右ひざの大怪我から2年ぶりに復帰するも、現在のシャルケでは出場機会を得るのが簡単ではなく、出場機会を求めての移籍かと思われます。来年にはワールドカップもありますからね。

そしてこの怪我により内田篤人は長らく日本代表には招集されていませんが、早期の復帰も待つ声が止むことはありません。

今回はそんな内田篤人のプロフィールや怪我の状態、日本歴代でもトップクラスのインテリジェンスを持つそのプレースタイルを見ていきたいと思います。

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内田篤人のプロフィール

もともとフォワードだった!?

名前ー内田篤人(うちだ あつと)

出身地ー静岡県函南町

生年月日ー1988年3月27日

身長ー176cm

体重ー70kg

ポジションーDF

利き足ー右足

内田篤人はサッカー王国静岡市の生まれで、中学校時代は函南中学校という小さな学校でプレーをしていました。

中学時代から抜群のスピードを持っていた内田が進学した高校は静岡県の強豪である清水東高校

高校では1年時からメンバー入りさらに早生まれ対象のセレクションでアンダー世代の日本代表に選出されるなど活躍していましたね。しかし、そうなると相手チームは当然警戒を強めます。

この時の内田のポジションは現在のサイドバックではなく中盤より上のサイドハーフやウイングフォワードでしたが、徐々にスピードを警戒されて複数人のマークがつくようになり、それを突破できなかったため攻撃の選手としての限界を見せ始めたそうです。(内田篤人の著書「僕は自分が見たことしか信じない」より」

悩んだ監督と内田が試してみたのはサイドバック。サイドバックは後ろから長い距離においてスピードを活かせるためマークを受ける事が少なく才能が開花していきます。

もちろんJリーグの複数クラブが内田を狙い、特にアルビレックス新潟と鹿島アントラーズが熱心に誘いましたが最終的に鹿島アントラーズに高卒ルーキーとして入団することになります。

鹿島アントラーズで新人記録を作る

最初は本人も「鹿島でスタメンで出るには数年かかる」と思っていたそうですが、後述するプレースタイルをブラジル人監督のサンパオリが非常に気に入り、内田はクラブ史上初となる開幕戦高卒ルーキーでスタメン出場することになります。

この開幕戦で活躍した内田はさらにその後当時の高卒ルーキー史上最年少得点も挙げオールスターにも選ばれるなどJリーグトップクラスの活躍を見せます。

日本代表でも安定的に選ばれ、ワールドユース、北京オリンピックと常に中心として選手されていましたね。A代表にも2008年から招集されています。

しかしこの頃ユース代表、U-23代表、A代表、鹿島でJリーグ、ACL、カップ戦を同時進行するなど酷使され続けたためオーバートレーニング症候群気味に体調を崩してしまい、試合中に走っては吐きながらプレーをしていました。

オーバートレーニング症候群についてはこちらも参考に→怖いオーバートレーニング症候群。内田篤人や大久保嘉人も?

結果2010年南アフリカワールドカップではメンバー入りするものの出場はゼロに終わります。

しかし2010年の夏から移籍したドイツのシャルケFCでは吐き気から復調し、初年度からスタメンに定着し、欧州チャンピオンズリーグベスト4に貢献するなどドイツでも主力としてプレーしていました。

POINT

・函南という静岡の小さな町出身

・高校時代にサイドバックにコンバート

・鹿島とシャルケでトップクラスの活躍

内田篤人の膝の怪我は前代未聞?

シャルケではスタメンを奪われる事もありましたが、結局スタメンを奪い返すことが多かったですね。

しかし2012-2013シーズン頃から内田篤人は足の故障に悩まされることになります。最初は太ももの肉離れでしたが、徐々にそれが癖になって肉離れを頻発するようになります。

それを庇いながらプレーを続けていましたが、それが膝の負担になり、2014年には膝の裏の腱を断裂。ワールドカップに出場するため保存療法を行い、本戦に出場を果たしますがその後のシーズンで悪化。2015年には膝蓋腱を負傷して手術。戦列を離れる事となります。

膝蓋腱炎は「ジャンパー膝」とも言われ、スポーツ選手にはポピュラーな怪我の一つですが、内田の場合、膝の靭帯の一部が「骨化」するという珍しい症例だったため回復、リハビリに時間が掛かり、結局その後2年近くに渡って休養を余儀なくされます。

内田の膝の経過についてはこちらも参考に→内田篤人が2年ぶりに先発フル出場!長期離脱の原因とは

2017年現在プレーできる状態に戻ってはいるもののフィジカルコンディションと試合勘を取り戻すのは容易ではなく、さらにシャルケがサイドバックを置かない3バックを採用したため出場機会を求めて2部のウニオン・ベルリンに移籍することになりました。

ウニオン・ベルリンは元シャルケ監督で内田を重用していたイェンス・ケラーが監督を務めていることも内田の移籍の決断において重要だったでしょう。

日本代表での復帰はいつになるか分かりませんが・・・全盛期のプレーができるなら日本代表には欠かせない存在なので無理しない程度に早めに復帰してほしいですね。

※2018年1月 鹿島アントラーズへの復帰が決定しました。

POINT

・吐き気は治るも太ももの肉離れが頻発

・膝にも負担が掛かり膝蓋腱を損傷

・腱が骨化する珍しい症状に悩まされるも復帰

内田篤人のプレースタイルは?

縦への意識が早くサッカー脳が発達している

 

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では内田篤人のプレースタイルはどんなところに特徴があるのでしょうか?

ポジションはサイドバック。しかし身長が176cmとディフェンダーの中ではかなり小柄な方です。特別マッチョだということもありません。

そんな小柄な内田がシャルケで重宝されていたサイドバックとしての最大の特徴は「インテリジェンス」と「縦への速さ」です。

内田は幼い事から日本代表に呼ばれていることもあり、非常にサッカー脳が発達していてサイドバックの位置から効果的な縦パスを前線に入れる事ができます。とにかく前線で空いているスペースと選手を見つけるのが早く、停滞した状況を打破できるパスが出せる選手と言えます。

横パスプレーヤーが多い日本代表の中では際立ったセンスで、特にシャルケで同僚だったフンテラールやラウールにいくつものチャンスメイクパスを送っていたのが印象的です。

ボールの置き方とコンビネーションにもセンスあり

また元日本代表監督の岡田武史氏がまだ若い内田をA代表に抜擢したとき、「ボールの置き方が抜群に上手い」とも言っていましたね。ボールを奪った際、常に攻撃にトランジションできるような位置にボールを置ける技術も内田のプレーでは特徴的です。

パスを前の選手に供給し、その選手を中心に衛星のようにサポートするコンビネーションプレーも上手いですね。シャルケでのジェファルソン・ファルファンとのコンビは当時ドルトムントの監督だったユルゲン・クロップが真っ先にプレスを指示するポイントでした。

公私ともに仲のいい現PSGのユリアン・ドラクスラーとも効果的な連携を見せていましたね。また内田は岡崎慎二とも相性がいいです。ファルファンやドラクスラー、岡崎のようなボールをプレゼントしてから真価を発揮するような選手を後ろからサポートするセンスが優れています。

ドラクスラーのプレースタイルはこちらも参考に→ドイツ代表ドラクスラーのプレースタイルは?内田との仲良しエピソードも

現代サッカーにおいてゲームメイクをするポジションは徐々に後ろに下がってきていますから、最終ラインの選手にもコンビネーションとパスセンス、パススピードは求められる時代です。そういう意味で内田はサイドを上下するだけではない極めて現代的なプレースタイルを持ったサイドバックと言えるでしょう。

前述の通り内田が選ばれていたザッケローニ期の日本代表では遅攻と横パスと左サイドでの攻撃がメインの戦術だったので内田の才能が活かされる機会は多くなかったですが、現在監督のハリルホジッチの縦に速い戦術であれば最大限機能するでしょうから内田の怪我は痛いですね。

スピードと空中戦も悪くない!

そしてもちろんサイドバックらしくフリーになれた時と相手のラインをブレイクするときのスピード、敏捷性も豊富で運動量もハイレベルです。

守備も決してフィジカルコンタクトに強いタイプではないですが、強く当たりに行く意識は強いですし、崩されても最後まで頑張って戻ってきます。

さらに端整な見かけによらず意外と空中戦が強く、ブンデスリーガの屈強な男達相手でも十分にやれていましたね。フィジカル的な強さというより、内田はボールの落下点を予測、ポジションに早く入るのが上手く、そのセンスによって競り勝っていた印象です。これも内田のサッカー脳が高いメリットの一つでしょう。

飄々としているように見えますが、メンタルも強く大舞台でも力を発揮できる心の強さと経験も持っています。理想のみを求めるのではなく、現実的に勝てる手段を選択できるクレバーさもありますね。2014年ブラジルワールドカップでも一人だけ「戦えていた」のが印象的です。シャルケでステフェンス監督にスタメンを外されたときも努力を怠らずポジションを奪い返し、最終的にステフェンスからプレー一つ一つ拍手を送られるようになっていたのも思い起こされます。

現在の日本代表に必要な選手

サッカー脳が発達していて現実的な実行力を持ち、DFラインからゲームメイクもできて縦に速い選択肢をチョイスできる・・・今の日本代表には必要な人材だと思いますがどうでしょうか。

2018年にはワールドカップがあるので当然そこに照準をある程度合わせていくことになるとは思いますが、そもそもしばらく選ばれてないのでどうなるかは未知数です。

重要なのはコンディションですね。ドイツは2部とはいえかなりタフなリーグなので怪我の再発だけは避けてもらいたいです。まずは内田篤人のウニオン・ベルリンでのプレーを楽しみにしたいと思います。

※2018年 Jリーグ鹿島アントラーズに復帰することが発表されました。コンディションを取り戻すならアリな選択肢でしょう。

POINT

・サッカー脳が発達していて縦に速いプレーができる

・攻守の切り替えがしやすい位置にボールを置くセンスも高い

・ピッチの上ではメンタルも強くてクレバー