サッカーという競技においてフォワードのポジションに座るのは屈強な身体を持つプレーヤーが多いです。
しかしメッシ、ネイマールを始めとして身長が小さくても抜群のボールスキルとセンス、俊敏性があれば十分にトップクラスのクラックになる事は可能ですよね。
近年セリエAで好成績を残すナポリのベルギー代表、ドリース・メルテンスもその一人。
今回は30歳を越えて本格開花を果たしたメルテンスのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ドリース・メルテンスのプロフィール
名前ードリース・メルテンス(Dries Mertens)
国籍ーベルギー
出身地ールーヴェン
生年月日ー1987年5月6日
身長ー169cm
体重ー61kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
メルテンスは幼い頃、ベルギーリーグでも名門のアンデルレヒトの下部組織でプレーしていましたが、身長が小さすぎるという理由で放出されてしまいます。
プロキャリアのスタートは同じベルギーで有望な若手をビッグクラブへ「輸出」している事が多いKAAヘントから。
その後2005年にベルギー3部のアールスト、オランダリーグのアペルドーレンにそれぞれローンで移籍して経験を積みます。
2007年、アペルドーレンに完全移籍をした後は2009年にユトレヒト、2011年にPSVアイントホーフェンに移籍し、オランダでステップアップしたい選手の理想形のようなキャリアを送っていましたね。
そして2013年にイタリア・セリエAのナポリに移籍が決まりトップリーグデビュー。当初は控えで出場する事が多かったメルテンスですが、2016-2017シーズンに公式戦34ゴールをマークしてからは一流プレーヤーの仲間入りを果たしています。
またベルギー代表でも主力プレーヤーとして活躍しており、2014年ブラジルワールドカップ、2018年ロシアワールドカップで活躍を見せています。
・小さすぎてクラブから放出
・オランダでキャリアアップ
・ナポリで欠かせない選手に成長
ドリース・メルテンスのプレースタイルは?
チャンスメイクもゴールゲットもできる
メルテンスの主なポジションはウイングフォワード、センターフォワード、トップ下です。2列目より前であれば基本的にどこでもプレーが可能な選手ですね。
メルテンスのプレースタイルで特徴的なのは「ドリブルスキル」、「アジリティ」、「決定力」、「ハーフスペースの使い方の上手さ」です。
まずテクニック面について。メルテンスは身長が169cmしかなくトップリーグでプレーする選手としてはかなり小さなアタッカーです。
しかしこういったサイズの選手は冒頭でも記したメッシやネイマールに代表されるようにほとんどの選手が繊細なボールタッチセンスとドリブルスキルを擁しています。というかそうじゃないと生き残れないですよね。
メルテンスも当然例外ではなく、細やかなタッチドリブルで相手選手の密集する狭いエリアを切り裂いていくことができるタイプのプレーヤーです。
もちろん俊敏性も備えており、足でボールを扱うサッカーという競技では時として利点になる小柄という特徴を活かしてマークを剥がすことができます。
現代サッカーでは攻めの最終地点、アタッキングサードエリアの守備がタイトになっていますのでドリブルとアジリティで最低でも一枚はマークを剥がし、相手のディフェンスラインに修正対応を押し付けられるメルテンスのプレースタイルは貴重ですね。
某サッカーゲームでもドリブルの数値はかなり高く設定されており、愛用している方も多いのではないでしょうか。笑
さらにこのメルテンスという選手は元々ウイングの位置で仕掛けの役割を担っている選手ですが、打ち気のかなり強い選手でもあり高いシュート決定力も持っているのです。
ナポリでは2016-2017シーズンに公式戦34ゴール、2017-2018シーズンには22ゴールを記録しているようにドリブラーとしてはシュートレンジが広く、パターンも豊富。最近はワントップのストライカーとして起用されているのも納得の決定力です。
得点力の高い右利きウインガーという事で左サイドからのカットインで仕事をさせてあげたい所ですが、ベルギー代表にはエデン・アザールという強力な選手がいるため代表では右サイドでプレーする事も多いです。
アザールのプレースタイルはこちらも参考に→ヌルヌルドリブル!エデン・アザールのプレースタイルと性格
しかし右サイドでもメルテンスの決定力に変わりはなく、2018年ロシアワールドカップのベルギー対パナマ戦では右サイドのペナ角付近から華麗かつ豪快なボレーシュートを叩き込んでいます。
ハーフスペースを使って攻めにアクセント
上記した技術以外のメルテンスの長所ではハーフスペースに侵入してきた時の怖さも脅威ですね。
ハーフスペースとはピッチを縦に5分し、センターエリアと左右アウトサイドエリアの間にあるスペースの事であり現代サッカーでは如何にこのスペースを使ってセンターとサイドを活かすが最重要です。
メルテンスはウイングでプレーしている時も、センターフォワードでプレーしている時もこのセンターとサイドの間に度々侵入し、ボールを受けて相手のマークを分散させながらゲームを有利にしています。
上記の通りメルテンスは足元の技術があるので、ドリブルの際もルックアップしながら進む事ができ周囲を上手く使えますね。
サッリ体制下のナポリは欧州で最も美しいパスサッカーを展開していると言われますが、ミリクといいインシーニェといい本当にスペースを上手く利用できる選手が多いです。
ミリクのプレースタイルはこちらも参考に→ポーランド代表ミリクのプレースタイルは?好調ナポリ所属の万能アタッカー
いずれにしても細かいドリブル技術と俊敏性、そしてハーフスペースを使うセンス・・・メルテンスはちびっこ系アタッカーとしては理想形とも言えるプレースタイルを持っている選手です。
メルテンスとナポリの契約は2020年まで残っていますが、移籍金がそれほど高くなく延長交渉も停滞している状況です。
マンチェスター・ユナイテッドなどビッグクラブが獲得を狙っているという噂もありますね。ワールドカップでの活躍次第ではビッグクラブでプレーするメルテンスの姿も見られるかもしれません。
・狭いスペースを切り裂くドリブル
・シュートも打ちたがり
・ハーフスペースでも非常に脅威