右サイドからタイミングを計ってインサイドにカットインしてシュート・・・とてもシンプルな攻撃ですが、現代サッカーでは攻撃における主流の仕掛けとなっています。
どこのチームも利き足と逆のサイドにウイングプレーヤーを置いているのはこのカットインシュートをしやすくするためですね。
このカットインシュートのクオリティを歴代のサッカー選手でも最高クラスに高めたのがバイエルン・ミュンヘンに所属するアリエン・ロッベンでしょう。
ロシアワールドカップ出場を逃したオランダ代表からは引退を表明しましたが、クラブチームでは依然このカットインが猛威を振るっています。
今回はそんなアリエン・ロッベンのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
アリエン・ロッベンのプロフィール
名前ーアリエン・ロッベン(Arjen Robben)
国籍ーオランダ
出身地ーベドゥム
生年月日ー1984年1月23日
身長ー180cm
体重ー80kg
ポジションーMF、FW
利き足ー左足
ロッベン(ロッペンではなくロッベン)のサッカーキャリアのスタートはオランダリーグエールディヴィジのフローニンゲンからスタートすることになります。
16歳という若さでトップリーグデビューを果たしたロッベンはフローニンゲンで2シーズンを過ごした後より上のクラブであるPSVアイントホーフェンにステップアップ。
PSVでも初年度から公式戦13ゴールを挙げて活躍、2004-2005シーズンには前年にロマン・アブラモヴィッチに買収され、大量補強を進めていたイングランドプレミアリーグのチェルシーFCに移籍することになりました。
チェルシーでは主に左サイドの選手としてプレーしていましたが、2007-2008シーズンに今度はリーガエスパニョーラのレアル・マドリードからのオファーを受諾し移籍します。
しかしロッベンはこの頃から筋肉系の怪我が多く、C・ロナウドなどが加入してきたこともあってドイツブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンに放出されてしまいます。
バイエルンでは右サイドを主戦場とし代名詞となるカットインシュートの才能が開花、初年度からリーグ16ゴールを挙げる活躍をみせ、怪我が多いながらも毎年ゴールやアシストを量産していますね。
代表はオランダ代表としてEURO、ワールドカップに何度も出場していますがオランダ代表が2018ロシアワールドカップ出場を逃し、世代交代という意味も含めて代表からの引退を表明しています。
・チェルシーの再興に大きな貢献
・チェルシーとレアルでも活躍するが怪我多し
・バイエルン移籍後は得点力に磨きがかかる
アリエン・ロッベンのプレースタイルは?
代名詞となっているカットインシュート
ロッベンがプレー可能なポジションは両サイドのウイングとサイドハーフです。グアルディオラがバイエルンの監督を務めていたときにはワントップを任されることもありました。しかしやはりロッベンの本領が発揮されるポジションは「右ウイング」でしょう。
ロッベンのプレースタイルで特徴的なのは何と言っても「カットインの上手さ」、「ドリブルテクニックとスピード」、「シュートコントロール」の上手さです。
ロッベンは右サイドから左足でボールをコントロールしつつ相手のマークを交わしてコースを作り、右に巻くカーブの掛かったシュートをゴールのファーサイドに決めるプレーがおそらく世界で最も破壊力がある選手です。
サッカーファンであれば上記のようなプレーを想像してみると、おそらくロッベンの顔と走り方が浮かんで来る人が多いでしょう。
現在ではカットインしてシュートを打ちやすいように利き足と逆のサイドにウインガーを置くのは定石となっていますが、このプレースタイルの流行にはロッベンの活躍が大いに関わっていると思います。もはや「ロッベンスタイル」と言ってもいいくらいです。
ドリブルタッチもメッシなどに決して劣らないほど繊細なテクニックを持っていますし、何よりスピードがあるので切り返しで簡単にマークを振り切る事ができます。
そのスピードゆえに怪我が多いのもロッベンの特徴ではありますが、これだけのスピードならば多少仕方ない気もしますね。
さらにロッベンはフリーキックを蹴る事があるようにシュートコントロールも抜群に上手いです。カーブ性能も高く、どんな態勢からでも緩やかにカーブを掛けてネットを揺らせます。
読まれても止められない秘訣
ロッベンは得点のほとんどをこういったカットインで決めていますが、そうなれば当然相手もカットインを読んでロッベンの左足に意識を集中しながらインサイドを固めるように守ってきます。普通の選手ならこれで重点的に守られると相当厳しいですね。
しかしロッベンのカットインはそれでも止められません。
秘密は駆け引きの上手さとスピードの使い方でしょう。ロッベン自身も相手がカットイン警戒で守備をしているのを当然分かっていますが、ロッベンは右に抜けるように見せかけ、左に抜けるプレーが抜群に上手いです。
ボディフェイントや足の動き、ボールの置き方で「右に抜けるように見せかける」というのはサッカーでは基本のフェイントの一つですがロッベンの左足ドリブルコントロールと瞬発力を考えればそれだけで強力な駆け引きを展開することが可能ですね。
さらにロッベンはミドルレンジからも正確なシュートを打てるのでその選択肢を止める事も考えれば相手のディフェンダーは「分かっていても」ロッベンの左足に簡単には飛び込めなくなります。
左右かそれとも一足先にミドルシュートか、という駆け引きの材料自体は非常にシンプルですがロッベンほど一つ一つの材料を鋭く磨き上げていれば相手に一方的に選択肢を押し付けることができますね。
最近では若手のキミッヒが右サイドバックで伸びてきていますし、センターにはレヴァンドフスキもいるのでむしろ若い頃よりロッベンへの注意が分散されより選択肢の掛け方が苛烈になっているとさえ感じます。
キミッヒのプレースタイルはこちら→ラーム2世!キミッヒのプレースタイルは?戦術理解度が高いドイツ代表
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ロッベンだって毎回毎回成功するわけではありませんが、カットイン3回につき1回でも左か右かミドルかのジャンケンに勝てば高確率で得点が期待できるというのは理不尽さすら感じます。ロッベンのプレースタイルにおける凄さはこのエリア付近でボールを持った時の一方的な「駆け引きの押し付けと駆け引きが通った時の精度とスピード」に尽きるでしょう。
ロッベンも33歳になり、オランダ代表こそ引退しましたがバイエルンでは引き続きチームの攻撃力を大幅に引き上げるプレーを続けておりまだもう数年はロッベンスタイルを楽しむことができそうです。
・右サイドカットインからのシュートが世界一
・スピードと瞬発力のステータスが高い分怪我も多い
・ボールを持てば駆け引きを強要できる強み