内田篤人が2年ぶりに先発フル出場!長期離脱の原因とは

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2017年3月23日ブンデスリーガ、シャルケに所属する内田篤人選手が約2年ぶりに先発フル出場を果たしました。

対戦相手はハノーファー。

といってもブンデスリーガの公式戦ではありません。代表ウィーク中に代表に招集されていない選手たちによる練習試合です。

しかし練習試合でも内田選手にとっては非常に大事な試合。なぜなら約2年ぶりとなる先発出場を果たしたからです。

2014年のブラジルW杯以降、膝の怪我で離脱を重ねリーグ、代表共に先発出場は2015年の日本代表ウズベキスタン戦以来ありませんでした。

やっと復帰の一歩を歩み出したことになり、このまま調子を取り戻して欲しいと願うばかりです。内田選手の判断の良さと縦パスのセンスは日本代表にとってもシャルケにとっても得難いものがありますからね。

でも内田選手はなぜここまで長期離脱を強いられてしまったのでしょうか?2年も試合に出ないというのは怪我の多いサッカー選手の中でも特に長い休養期間です。

そこには症例の少ない厄介なケガが隠されていました。内田選手の復帰までの道のりとケガの状態を振り返ってみましょう。

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内田篤人のジャンパー膝と筋肉組織の骨化

長期離脱の始まり

内田選手は2014年の2月ブンデスリーガの試合中に右太ももの肉離れを発症して交代してしまいます。内田のようなスピードに優れたプレースタイルを持つ選手としては肉離れは珍しい事ではないのですが、本来治療期間をしっかり取らなければいけません。

内田のプレースタイルはこちらも参考に→ドイツ2部移籍!日本代表内田篤人のプレースタイルは?知性が高い現代的サイドバック

しかし2014年は6月にブラジルW杯を控える大事な年。

2010年の南アフリカW杯では一試合も出場できなかったこともあり、W杯出場への思いは人一倍強いです。内田選手はブラジルW杯に出場するため手術を回避、保存治療で持たせることを選択したのです。

結果的にブラジルW杯に出場することはできましたが・・・所属のシャルケに戻ったとき、短期間で無理を重ねた内田選手の膝は重大な問題を発症していました。

ジャンパー膝、膝蓋腱炎に悩まされる

無理を重ねていた内田選手の膝は、「膝蓋腱炎」、通称ジャンパー膝という炎症を発症していました。

膝蓋腱とは膝の皿の下、少しへこんだところに存在している腱の一種。サッカー選手はもちろんバレーボールやバスケットボール、バドミントン選手などジャンプを繰り返したり急激なストップ&ゴーを連続するスポーツ選手がよく発症しています。

通常は休養を十分に取るべきですが、サイドバック不足のチーム状況もあって我慢強い内田選手はそれでも試合に出続けました。当然、症状は悪化。2015年の3月、とうとう試合に出場することすらできないほどの状態になってしまいます。

膝蓋腱炎は休養を取って保存治療で治すことの多いケガですが、あまりにも炎症が酷く、中々治らないためシーズン終了後の2015年6月、内田選手はとうとう手術することを決断します。

手術は成功し、来シーズンの復帰に向けてリハビリをするだけという状態だったのですが・・・

腱が骨化する難症状も併発

内田選手は手術の後、約2年にも渡って出場できない状態が続きます。

原因は膝蓋腱付近の組織が「骨化」するという珍しい症状。

炎症の影響で筋肉や腱の組織が本来そこにあるはずのない骨組織に変化してしまうという治療例、症例の少ない難しい症状です。

シャルケや日本のドクターが懸命に診察、治療法を探るも目立った効果はありませんでした。

そのころの内田選手は走るどころか自宅の階段を登るのですら一人では困難なほど苦しんでいましたね。

治療の間はまともに運動もできません。高校生の頃からサッカー漬けの生活を送っていた内田選手にとってはとてもつらい時間だったでしょう。

2年の治療期間を経て復帰へ

久々の実践

サッカーができず失意の底にいた内田選手ですが、懸命の治療とリハビリのおかげでついに実戦に復帰できるほど回復します。

復帰戦となったのは昨年2016年12月ヨーロッパリーグの予選最終試合、アウェーのザルツブルグ戦でした。公式戦でプレーするのはおよそ1年9か月ぶり。後半途中に出場し出場時間はわずか10分程でしたがザルツブルグに所属する南野拓実選手のシュートをブロックするなど普通に動けていましたね。

試合後に筋肉のトラブルを発症しましたが久々に強い運動をしたことが原因で、膝には関係ありません。

復帰後初のフル出場

そして2017年3月23日、練習試合のハノーファー戦で復帰後初めて90分のフル出場を果たしました。

まだ状態は100%ではないそうですが、90分走り続けられたのは本当に収穫でしょう。

日本代表への復帰は?

こうして復帰の第一歩を歩み始めた内田選手ですが、シャルケ側はかなり慎重な様子。

2年も出ていなかったから当然なのですが、すぐに本格復帰というわけではなく練習の様子と練習後の膝の状態を見てゆっくり復帰させるのではないかと思います。

日本代表にももちろんしばらく呼ばれないでしょう(ハリルなら分からないかも笑)

しかし内田選手の後方から一発で前につけるビルドアップパスや攻守の判断、守備能力など今の日本代表に欠けている能力を持った選手なので、このまま順調に状態が戻ればシャルケ、日本代表での本格復帰はそう遠くないと感じます。