現在行われている第89回選抜高校野球大会で、福岡大大濠ー滋賀学園と健大高崎ー福井工大福井の試合が同点のまま15回でも決着がつかず、史上初めて2試合連続での引き分け再試合となって話題になっています。
引き分け再試合自体は結構あることなのですが同じ日に2試合連続で翌日に再試合は長い高校野球史上初めて。
ではもしこの再試合でも15回引き分けになったら勝敗はどうやって決めるのでしょうか?甲子園引き分け再試合の歴史とともに振り返ってみましょう。
高校野球での引き分け再試合、きっかけは板東英二?
引き分け再試合とは?
春の選抜高校野球、夏の甲子園ともに15回を終えて同点だった場合、翌日以降に改めて試合をやり直す「再試合」となります。
元々は18回までやっていたのですが、選手の負担を考えて現在では15回まで、とされています。
引き分け再試合の歴史
きっかけとなったのは現在タレントとしても大活躍している板東英二さん。1958年の春の四国大会、徳島商業高校のエース投手だった板東さんが高知商業高校戦で延長16回、翌日の高松商業高校戦で延長25回と2日で合計41イニングを完投するという事態がありました。
さすがに選手の体が危ないと感じた高野連は、その年の夏の甲子園から延長は18回まででそれでも決着がつかなければ後日再試合を行うと規定を作ったのです。
その後延長は15回までに短縮され、何度か適用されることがありました。最近で一番有名なのは2006年の夏の甲子園、37年ぶりの決勝引き分け再試合となった駒大苫小牧田中将大と早稲田実業斎藤佑樹の投げ合いでしょうか。
高校野球、再試合でも決まらなかったら?
再試合で決まらなかったら再々試合
春の選抜、夏の甲子園本大会ともに今まで再試合でも決着がつかなかった事例はありません。
しかし地方大会では一度、再試合でも決着がつかず後日再々試合を行うということがありました。2003年の福井大会で大野東対敦賀期比の対戦で一日目5-5、2日目の再試合も3-3で決着がつかず、再々試合でやっと敦賀期比が6-1で勝利を収めました。
選抜、甲子園の本大会で同じ状況になったとしてもおそらくこのルールが適用となるでしょう。
再々試合でも決まらなかったら・・・
再々試合でも決着がつかなかったことは戦後の硬式野球大会全体をひっくるめても歴史上起こったことがないので例がなく、またそれ用の規定も決められていません。
高野連の規定で大会によっては抽選で決まるルールが設定できる大会もありますが、春の選抜と夏の甲子園、それに関連する地方大会には引き分け抽選ルールは適用されません。
現状再々試合でも決まらなければ高野連の規定上は決着がつくまで試合をする、つまり再々々試合、再々々々試合・・・ということになりそうです。しかし再々試合でも決まらないなんてことは確率的にほとんどないのではないかと思います。
もしそんな事態になってしまった場合は、選手の健康と将来を考えて日程を大幅に空けるなどの配慮は必須でしょうね。
野手はまだしも投手の肩は消耗品ですからね。