2017年トッテナムの右サイドで絶対的な存在感を誇っていたカイル・ウォーカーがマンチェスター・シティに移籍してしまいましたね。
これによってトッテナム右サイドの攻撃と守備がどうなるかと懸念されましたが、イングランド代表にも選ばれているキーラン・トリッピアーが頑張っています。
どちらかというと「柔」のサイドバックで特に攻撃面において好調をキープするトッテナムを支えていますね。
今回はそんなキーラン・トリッピアーのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
キーラン・トリッピアーのプロフィール
Got the job done today and in the hat for the next round. Thanks for supporting us #COYS pic.twitter.com/7ZcIGAHqqO
— Kieran Trippier (@trippier2) 2018年1月7日
名前ーキーラン・ジョン・トリッピアー(Kieran John Trippier)
国籍ーイングランド
出身地ーベリー
生年月日ー1990年9月19日
身長ー178cm
体重ー71kg
ポジションーDF
利き足ー右足
トリッピアーはマンチェスター近郊にあるベリーという街の出身で、幼い頃は地域でもトップクラスのクラブであるマンチェスター・シティの下部組織でプレーしていました。
トップチームにも登録されましたが、マンチェスター・シティでは出場機会が得られず、2009-2010シーズンから当時2部相当のチャンピオンシップに在籍していたバーンズリーFCに移籍することになります。(最初はレンタル)
バーンズリーでは2年目から出場機会を多く得る事になり、2011-2012シーズンにはこれもチャンピオンシップ所属でプレミア昇格を狙うバーンリー(バーンズリーとは別チーム)に移籍します。
トリッピアーが本格的に頭角を現し始めたのはこの頃で年間約50試合もの試合に出場、2014年にはプレミアリーグ昇格の原動力ともなりました。
この成績を持って2015-2016シーズンからはトッテナム・ホットスパーにステップアップ移籍が決定。現在の背番号は「2」です(最初は16)。当初はカイル・ウォーカーの控え扱いでしたが、ウォーカーが去った2017-2018シーズンは出場機会を増やしています。
2017年からはイングランド代表にも少しずつ招集されるようになっており、ワールドカップメンバー入りが期待されますね。
・シティの下部組織出身
・2部で頭角を現す
・トッテナムでは出場機会増加中
キーラン・トリッピアーのプレースタイルは?
プレミアトップクラスの柔らかいクロス精度
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— Kieran Trippier (@trippier2) 2018年1月1日
トリッピアーのポジションは右サイドバックです。近年プレミアリーグ及びイングランド代表では3バックが流行っていることもあり、右のウイングバックに入る事も可能ですね。
トリッピアーのプレースタイルで特徴的なのは「クロスボールの精度」と「ビルドアップのセンス」でしょう。
サイドバックというポジションの基本的な役割はスペースに長いランを掛け、アタッカーをサポートしながらクロスボールをサイドから供給するという仕事ですが、トリッピアーはプレミアリーグのサイドバックの中でもトップクラスのクロス精度を持っており、サイドから直接ゴールを演出することができる選手です。
ボックス内にいるフォワードを狙う通常のクロスボールの正確さはもちろんのこと、クロスのパターンが豊富なのもトリッピアーのプレーでは特徴的ですね。
単純にクロスを上げるだけでなく、味方が自分より前に流れてきた時はその選手にグラウンダーでスルーパスを出し、さらに深い位置からの攻撃を狙うこともありますし、ボックスに近づく前からいわゆるアーリークロスで一気に距離を圧縮するようなプレーもできます。
アーリークロスは相手の守備ラインが整う前に低い位置から狙っていくクロスの事ですが、スパーズにはスーパーストライカーであるハリー・ケインがいるのでちょっとでも相手の守備にギャップができればそれだけで大チャンスになります。したがってトリッピアーの正確なアーリークロスはスパーズの攻めパターンの豊富さに一役買っていると言えますね。
またスパーズの攻撃的右サイドにはエリクセンが入る事が多いです。しかしエリクセンはサイドからの攻撃というより自由に中まで入ってボールに関わっていくゲームメイカータイプなので実質アウトサイドのダイレクト攻撃を担っているのはトリッピアーということになりますね。
実際エリクセンはトリッピアーがいる時は中央に寄って意図的に右サイドを空けてスペースを作り、左もしくは中央からのサイドチェンジによってトリッピアーのオーバーラップを活かそうとする動きをよくしています。いかにトリッピアーのクロス精度が味方にとっても信頼性が高いかという証明ですね。
エリクセンのプレースタイルはこちらも参考に→デンマーク代表エリクセンのプレースタイルは?トッテナムの絶対的司令塔!
気の利いたポジショニングとビルドアップセンスも
さらにトリッピアーは最終ラインからのビルドアップにも能力を発揮できるタイプです。現代サッカーの司令塔ラインは徐々に下がっており、比較的プレッシャーの掛かりにくいサイドバックにすらビルドアップスキルが求められる時代です。
昔のようにサイドを上下するだけの「香車」ではなく、「銀」のように細かく攻守に効かなければならないポジションになっていますよね。
トリッピアーはこの「銀」的プレーがとてもうまく、足元の技術も安定しているので中盤でボールが詰まったときには少しポジションを上げて右サイドの下がり目からワンタッチパスなどでボールの回りをよくしてくれるプレーを見せます。空いてしまったスペースを事前に察知して埋めるような気遣いも持っていますね。
2017年のスパーズはPSGからセルジュ・オーリエを獲得しましたね。たしかにトリッピアーはフィジカルは並で対人守備はまだまだ甘い部分もありますのでフィジカルパワーとダイナミズムという意味ではオーリエに軍配が挙がりますが、クロスボールの質とビルドアップ、スペースを効率的に埋められるという点ではトリッピアーの方が安定するでしょう。
オーリエのプレースタイルはこちらも参考に→コートジボワール代表オーリエのプレースタイルは?トッテナム移籍決定!
総じてトリッピアーは「柔」のサイドバックで、攻守に渡って渋い活躍を見せてくれる選手だと言えます。
イングランド代表には親友であり、ライバルであるカイル・ウォーカーがいるのでトリッピアーに出場機会がどれだけ巡ってくるかは分かりませんが、出場した際にはトリッピアーのクロスボールの質とセンスよくボールに関わる動きに注目することをおすすめします。
ウォーカーのプレースタイルはこちらも参考に→イングランド代表カイル・ウォーカーのプレースタイルは?シティの右サイドを制圧するSB
・クロスボールの精度とパターンの豊富さ
・現代サッカーに必須のビルドアップスキルも
・イングランド代表でも期待の存在