ブンデスリーガの他チームから毎年のようにいい選手を獲得(取り上げ)しているバイエルン・ミュンヘンですが、2017年にホッフェンハイムから加入したドイツ代表のセバスティアン・ルディが悪くないパフォーマンスを見せています。
バイエルン・ミュンヘンは比較的流動的に選手が動くことが多いのでポジションがズレがちですが、ルディが適確な読みと正確なパスで中盤をコントロールしている場面も増えてきましたね。
※2018年8月追記 シャルケへの移籍が決定しました。
今回はロシアワールドカップ代表入りも狙えるセバスティアン・ルディのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
セバスティアン・ルディのプロフィール
名前ーセバスティアン・ルディ(Sebastian Rudy)
国籍ードイツ
出身地ーフィリンゲン・シュヴェニンゲン
生年月日ー1990年2月28日
身長ー177cm
体重ー72kg
ポジションーDF、MF
利き足ー右足
ルディの本格的なサッカーキャリアスタートはブンデスリーガ古豪・シュトゥットガルトの下部組織から始まります。
2008年にトップチームに昇格し、出場機会もそれなりに得ていましたがさらなる出場機会を求めて2010-2011シーズンにはホッフェンハイムに移籍。
ここでルディは初年度から主力の一角としてプレーし始め、本格的に頭角を現していくことになります。2016-2017シーズンにはクラブ史上初なる4位フィニッシュでチャンピオンズリーグの出場権獲得の原動力となっています。
そして2017年、ドイツ人プレーヤーにとって最高の名誉である王者バイエルン・ミュンヘンへの移籍が決定。序盤こそフィットきれていなかったのかミスなども目立ちましたが、シーズンが進むごとにパフォーマンスを安定させています。
※2018年8月追記 シャルケへの移籍が決定しました。出場機会の少なさが不満だったと言われています。
またドイツ代表ではU-18世代の頃から招集を受けており、2017年にはコンフェデレーションズカップに出場するなどA代表でも活躍を見せていますね。
・ホッフェンハイムでブンデスリーガに名を轟かす
・バイエルンでも主力の一角に
・ドイツ代表でも期待の存在
セバスティアン・ルディのプレースタイルは?
シンプルなパスで試合を作るプレーメイカー
ルディの主なポジションはセンターハーフですが、サイドハーフで起用される事も多いですしサイドバックの役割を任されたこともあります。本人はアンカーの位置が一番プレーしやすいと言っていますね。
ルディのプレースタイルで特徴的なのは「シンプルながら正確なパスの技術」と「スペースを読んで埋める頭脳とセンス」です。
ルディは中盤の底付近を動き回り、強力なインサイドハーフと前線のアタッカー達のために正確なボールを配給するプレーが主な仕事になっています。
南米の選手のように派手なテクニックを披露するわけではありませんが、ボールを止めて蹴るという基本的なプレーの精度が非常に高く、シンプルに中盤でパスを捌くことが可能なタイプですね。
状況に応じて縦パスを前線につけて攻撃のスイッチを入れるプレーも得意です。
またルディはパスの出し方も注目ポイントです。通常サッカーでパスを出す時は軸足と体の向きを対象の方向に向けてから出すのが基本ですが、ルディは時折体の向きをフラットに保ったままノーステップで意外性のあるロングパスを出すプレーをすることがあります。
そのため相手にとってはパスの予備動作が分かりにくく、コースに入るのが遅れてしまいますよね。これもルディの中盤でのゲームメイクにはプラスに働いているでしょう。
バイエルン・ミュンヘンは以前監督をしていたグアルディオラの影響なのかとても流動的に選手がポジションを移動します。チアゴやビダルなんか同じポジションに居座っていることはほぼないですよね。
チアゴのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表チアゴアルカンタラのプレースタイルは?バイエルン所属中盤のファンタジスタ
ビダルのプレースタイルはこちらも参考に→バイエルン・チリ代表ビダルのプレースタイルは?最高峰のボックストゥボックス
なのでバイエルンでは常にそれらの選手をゲームメイクパスによって戦術に貼り付ける「糊」のようなプレースタイルを持った選手が必要です。セバスティアン・ルディは持ち味であるシンプルかつ正確なパスでその役割をしっかりとこなしているように見えますね。
ルディ本人もバイエルン・ミュンヘンで引退したシャビ・アロンソのプレーをかなり参考にしていると言っていますが、いずれその後継者となる可能性もあります。
スペースを察知して埋める守備も特徴
またルディはボールを使ったプレーだけでなくスペースを埋める守備センスも特徴的です。
上記ですでに紹介しましたが、バイエルンはとても流動的なチームです。基本左サイドのリベリーが中盤に下がってくることもありますし、チアゴ・アルカンタラはボールを求めてピッチを動き回ります。ビダルは言わずもがな情熱的な運動量でピッチ全体を支配していますよね。
それはバイエルンの強みでもあるのですが、そういった戦術を実行するなら守備の際に適確に空いたスペースを埋められる選手が最低でも一人はいないといけません。
その点ルディは非常に頭が良く、自チーム選手の現在のポジションとその先に動くであろうポジション及び相手チーム選手のポジションを予測して相手にとっては「いてほしくない」スペースにポジションを取る事ができる選手です。
ルディが中盤の底に入ると相手のパスがバイエルンの中盤に引っかかることが多いですが、それは決して偶然ではなくルディの守備時の動きの良さが影響していると思います。
バイエルンで同じような役割を担う事が可能な選手としてはハビ・マルティネスがいますが、ハビはセンターバックと兼用です。比較で言うと総合的な守備力ではハビに軍配が挙がりますが、ルディの方が縦への推進力があるので役割の使い分けになりますね。
ハビ・マルティネスのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表ハビマルティネスのプレースタイルは?中盤の蓋を閉めるバイエルンのアンカー
いずれにしてもルディは派手に目立つことは少ないです。しかし正確なパスで試合をコントールし、かつ守備でもフォーメーションにできた穴をしっかりと埋める事ができる職人的プレーヤーと言えます。
ドイツの中盤は層が厚いのでルディは控えにまわる事も多いですが、ルディのように中盤の底からゲームメイクとスペース埋めを正確にできる選手は多くないのでロシアワールドカップ代表入りは十分考えられますね。
出場した際は地味に攻守に「効いている」ルディのプレーに注目する事をおすすめします。
・難しいことはしないがパスが正確
・フォーメーションを整えることが可能
・スペースを埋める守備も上手い