現代サッカーにおいて守備的ミッドフィルダーである「アンカー」のポジションは年々重要さを増していくばかりです。
相手の攻撃を早めに刈り取る守備はもちろんのことディフェンスラインからのパスを受け取り、攻撃の選手がやりやすいようにパスで誘導してあげる仕事は現代サッカーでは欠かせませんね。
したがって仕事の難易度が高く、基本的にどこのチームでもチーム内でトップクラスの技術と判断力、フィジカルを兼ね備えた選手がアンカーに置かれます。
ブンデスリーガ王者のバイエルン・ミュンヘンではスペイン代表のハビ・マルティネスが主にアンカーを務める事が多いですね。
今回はセンターバックもこなせるハビ・マルティネスのプロフィールやプレースタイル、その重要性を紹介したいと思います。
ハビ・マルティネスのプロフィール
名前ーハビエル・マルティネス・アギナガ(Javier Martínez Aguinaga)
国籍ースペイン
出身地ーエスティージャ
生年月日ー1988年9月2日
身長ー190cm
体重ー81kg
ポジションーDF、MF
利き足ー右足
ハビエル・マルティネス、愛称ハビ・マルティネスはスペインにあるカスティージャという街の出身で、いくつかのユースチームを経験した後同じ州にあるリーガ・エスパニョーラのオサスナから本格的なサッカーキャリアをスタートさせます。
しかしハビ・マルティネスのリーガデビューはオサスナではありませんでした。バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオがハビ・マルティネスの才能を見込みまだ下部組織所属にも関わらず獲得を表明したのです。
ビルバオでは若年例ながら初年度から主力として2006年から2012年まで試合に出続けました。
2010年にはそれまでアンダー世代でしか代表経験がなかったにも関わらずスペインA代表に選出。南アフリカワールドカップのスカッドに選ばれるなどその能力の高さが早くから評価されていましたね。
この活躍によりリヴァプールやマンチェスター・シティなどが獲得を狙っていると噂されましたが、ハビ・マルティネスが移籍したのはドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘン。
移籍金約39億円という高額で移籍を果たしました。背番号は「8」です。
ちなみに現在でもマンチェスター・シティからの関心は続いており、同じスペイン人監督のジョゼップ・グアルディオラが非常に気に入っているとも言われていますね。
・ビルバオで若手ながら主力としてプレー
・バイエルンでもスカッドに欠かせない存在
・南アW杯でスペイン代表にサプライズ選出される
ハビ・マルティネスのプレースタイルは?
スペイン系サッカーに欠かせないピボーテ
ハビ・マルティネスの主なポジションは守備的ミッドフィルダーであるアンカーです。スペイン語で「ピボーテ」と呼ばれるポジションですね。またセンターバックとしても起用されることが多く、アンカーと遜色のないプレーを見せています。
ハビ・マルティネスのプレースタイルで特徴的なのは「スペイン人らしいショートパスでのビルドアップ」、「スペイン人らしくない球際の強さと高さ」です。
ハビ・マルティネスはアンカーのポジションでプレーする際、ディフェンスラインの前に居座り、広大なスペースをカバーしながら守備そして攻撃の際のビルドアップに関わるという現代サッカーにおいて非常に重要な仕事を担当しています。
元バルセロナの監督であるグアルディオラが広めたビルドアップ方法ですが、ゴールキーパーがボールを獲った際、センターバックがワイドに開いて間にアンカーが降り、その3人で三角形を作りながらプレスをかいくぐってビルドアップをするという方法が現代サッカーのビルドアップの主流になっています。
しかしこの方法は確かにポゼッションをするなら非常に効果的なのですが、言葉で書くほど簡単ではありません。センターバック、及びピボーテの選手に絶対的な足元の技術とパスセンスが要求されるからです。
ハビ・マルティネスはさすがにスペインのバスク地方出身というだけあって足元の技術が非常に優れており、この役割をピボーテとしてもセンターバックとしても完璧にこなすことができます。
ピボーテは技術、ポジショニング、判断力というサッカー選手においてとても大事な能力を高いレベルで要求されるポジションですがハビ・マルティネスはそれらすべてを兼ね備えている選手であり、守備の締め及び攻撃の起点としてチームを支配することができますね。
バイエルン・ミュンヘンではセンターバックのフンメルスが持って上がっていくことも多く、ビルドアップ技術も高いので代わりに守備ラインに降りてプレーもできるハビ・マルティネスとの三角形コンビネーションがビルドアップにおいてとても脅威になっています。
フンメルスのプレースタイルはこちらも参考に→ドイツ代表フンメルスのプレースタイルは?CBでは世界最高峰の攻撃の「起点」
ハビ・マルティネスはバルセロナのブスケツらと並んで世界でも最高峰のアンカーだと言えるでしょう。
大柄な体躯と読みを活かした対人守備も強力
さらにハビ・マルティネスは対人守備でも非常にクオリティとインテンシティの高い守備を見せます。
そもそも身長が190cmと大柄ですし、球際で強く当たっていく意識も強いです。上記でハビ・マルティネスはスペイン人らしい足元のテクニックを持っていると紹介しましたが、こういう高さと球際の強さでボール狩り守備をする選手はスペインには比較的少ないです(もちろんいるけど比較的)。そういう意味ではスペイン人らしくない選手とも言えますね。
実際バイエルン・ミュンヘンではその高さが様々な場面で活かされており、セットプレーの際にハビ・マルティネスを狙ってキックすることも多いですし、ビルドアップからの攻めが上手くいかなかった場合はハビ・マルティネスのポジションを気持ち高めに上げてよりダイレクトにゴールに向かうフォーメーションを組む事もあります。もちろんヘディングでも印象的なゴールを決めています。
バイエルンは他の中盤の選手であるチアゴやビダルがわりと流動的に前方のスペースを使っていくプレースタイルなのでカバーリングエリアの広さとフィジカルで中盤の守備に蓋を閉められるハビ・マルティネスの存在は重要ですね。
チアゴ・アルカンタラのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表チアゴアルカンタラのプレースタイルは?バイエルン所属中盤のファンタジスタ
ビダルのプレースタイルはこちら→バイエルン・チリ代表ビダルのプレースタイルは?最高峰のボックストゥボックス
総じて攻撃の起点として守備を締める存在としてもやはりハビ・マルティネスは世界トップクラスの実力を持っていると言えます。
スペイン代表には上記で名前を挙げたブスケツがいますし、ディフェンダーとしてもピケやラモスがいるのでどこで出場するかは分かりませんが、ロシアワールドカップでもハビ・マルティネスが注目の選手である事は間違いないでしょう。
・少ない人数でのビルドアップに重要な選手
・体が大きく対人守備やターゲットマンとしても機能
・バイエルン中盤の組み合わせなら必須?