2018年ワールドカップで優勝候補の一角として挙げられるベルギー代表には優秀なドリブラーが多数在籍しています。
アタッカーの質だけで見た場合世界トップクラスの層の厚さだと言っていいでしょう。
その中でもエバートンに所属するケヴィン・ミララスはテクニックとスピードを高いレベルで兼ね備えた優秀なアタッカーです。
ベルギーの他アタッカーと比べると少し地味な印象がありますがミララスはどんなプレースタイルを持つ選手なのでしょうか。
今回はケヴィン・ミララスのプロフィールとプレースタイルを見ていきたいと思います。
ケヴィン・ミララスのプロフィール
名前ーケヴィン・アントニオ・ジョエル・ジスラン・ミララス・イ・カスティージョ(Kevin Antonio Joel Gislain Mirallas y Castillo)
国籍ーベルギー、スペイン(代表はベルギー)
出身地ーリエージュ
生年月日ー1987年10月5日
身長ー182cm
体重ー70kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
上記の通りミララスは非常に名前が長い選手です。それもそのはずミララスはリエージュ生まれのベルギー人ですが、祖父母のルーツをスペインのアンダルシア州に持つためスペイン国籍も所有している選手なのです。
ラテン系選手の名前が長い理由はこちらも参考に→チチャリートやカカなど南米のサッカー選手が本名じゃない理由とは?
ミララスのサッカーキャリアのスタートは地元かつベルギーリーグでトップクラスの力を持つスタンダール・リエージュからでしたが、15歳の時にフランス・リーグアンのリールに移籍しています。
リールでは2004ー2005シーズンにデビュー。ミララスはその後計4年間をリールで過ごしますが、2008-2009シーズンに同じフランスリーグのサンテティエンヌに移籍しています。この時元日本代表の松井大輔とも一緒にプレーしていますね。
サンテティエンヌでは試合にこそ出ていたものの移籍金に見合うほどの活躍はできず、2010-2011シーズンにギリシャリーグのオリンピアコスに買い取りオプション付きで放出されてしまいます。
しかしここでミララスは本領を発揮。2011-2012年には20ゴールを記録してギリシャリーグ得点王、及び年間最優秀選手に選出されました。
この活躍によりミララスには数多くのビッグクラブから関心を寄せられますが、出場機会とのバランスなどを鑑みてプレミアリーグのエヴァートンFCに移籍することになります。
エヴァートンでは当初プレミア特有の流れとタフさに苦しむこともありましたが、現在では欠かせない主力として定着。毎年ゴールとアシストを多数記録しています。
代表は生まれ育ったベルギーを選択し、U-16からA代表までコンスタントに招集されていますね。
・10代半ばでフランスに移る
・ギリシャで才能が開花し得点王に
・エヴァートンでは欠かせない主力と化す
ケヴィン・ミララスのプレースタイル
基礎技術の高さとトリッキーなアイデアを両立させるドリブル
ミララスの主なポジションは左右のウイング、もしくはサイドハーフです。またセカンドストライカーやトップ下、センターフォワードも状況によってこなすことができますね。攻撃的なポジションはどこでもできると言えるでしょう。
ミララスのプレースタイルで特徴的なのは「ドリブルのテクニック」と「一瞬のスピード」、「両足が使える器用さ」です。
ミララスはボールタッチが非常に安定していて常に相手の逆を取りつつボールを前に運べるまさにウイング向きの選手なのです。
シンプルなフェイントで一気に攻め込むことが多いですが、トリッキーなボールタッチで相手をまとめて交わす事もできますね。
またスピードも優秀です。ドリブル時のスピードも当然ながら裏に抜けるスピードの数値も高く、ボールを奪ってミララスを探してからのショートカウンターはエヴァートンの強力な武器の一つになっています。
このようなドリブラータイプの選手はフィジカル面に問題を抱えていることも多いですね。しかしミララスは182cmと身長もそこそこありますし、何よりボディバランスが非常に安定しているためプレミアリーグのハードなタックルを受け流しつつ自慢のドリブルとスピードを発揮することが可能な選手です。
同じベルギー代表のアザールやカラスコもドリブルで相手エリアを切り裂ける選手ですが、彼らはセンターポジションにおけるタフなプレーを得意としていません。なのでフィジカル面を含めるとミララスも彼ら並みに評価しなければならないでしょう。ミララスがチーム状況によりセンターフォワードでプレーする場合があるのはその証明だと思います。
アザールのプレースタイルはこちらも参考に→ヌルヌルドリブル!エデン・アザールのプレースタイルと性格
カラスコのプレースタイルはこちら→ベルギー代表カラスコのプレースタイルは?アトレティコが誇る変態ドリブラー
左右両足を使えて駆け引きの選択肢が多い
またキックの精度もミララスのプレースタイルでは特筆すべきです。その精度はセットプレーのキッカーを務めるほどで、パス、シュートを問わず発揮されます。ギリシャリーグで主に2列目の起用ながら得点王を獲得したのも納得のキック精度を誇ります。
さらにミララスは基本的には右利きですが、左足も高いレベルで操ることが可能ですね。そのためアウトサイドに張りきってチャンスメイク、逆にカットインして45°の角度からシュートという選択肢を左右両サイドで選択できます。
ミララスのようにドリブルで切り込めてさらにキック精度も高いというプレースタイルを持つ選手にとって逆足を使えるというのは駆け引きの選択肢を増やすという意味でとても重要な役割を持つでしょう。
ミララス本人がエヴァートンから移籍する気があるかどうかは分かりませんが、もっと大きいクラブでも通用する選手だとは思うので今後のミララスの動向にも期待ですね。
・基本とトリッキーさを兼ね備えたドリブル
・ボディバランスが良くフィジカルも強い
・左右両足から精度の高いキックが出せる