2017-2018シーズンにおけるプレミアリーグ冬の移籍市場は最終日にオーバメヤン、ジルー、バチュアイが動くなど大物選手の玉突き移籍が注目を集めました。
しかしそんなプレミアリーグの移籍市場において喧騒から一歩離れたところであっさりと有力選手を手に入れたのがトッテナム・ホットスパーです。
その選手とはパリ・サンジェルマンから獲得したブラジル代表のルーカス・モウラ。
今回は10代の頃から逸材として期待されてきたルーカスモウラのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ルーカス・モウラのプロフィール
名前ールーカス・ロドリゲス・モウラ・ダ・シウバ(Lucas Rodrigues Moura da Silva)
国籍ーブラジル
出身地ーサンパウロ
生年月日ー1992年8月13日
身長ー172cm
体重ー66kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ルーカス・モウラはブラジルの大都市サンパウロ出身のサッカー選手で、コリンチャンスなどいくつかのチームに所属した後、サンパウロFCの下部組織に入団し本格的なサッカーキャリアをスタートさせています。
2010年のトップチームデビュー後は2年目から2年連続で10ゴール以上を記録するなど若くしてブラジルの逸材と認識され、マンチェスター・ユナイテッドやインテルなど多くの欧州ビッグクラブがルーカスの獲得に乗り出します。
結果的にルーカス・モウラが選んだのはブラジル人選手も歴史的に多く所属してきたフランスリーグアンのパリ・サンジェルマン。
PSG移籍後も毎年のように主力としてプレーし、2016-2017シーズンには公式戦18ゴールを挙げるなど数字も残していましたが、ビッグネームがどんどん加入してくるPSGにおいて2017年は出場機会及びゴール数も大きく減少してしまいます。
そして移籍を決断したルーカス・モウラは2018年1月の移籍市場でイングランドプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーが獲得を決定。移籍金は約39億円、背番号は「27」を着用することになりました。
ブラジル代表ではU-20世代の頃から招集されており、ロンドンオリンピックにも出場しています。A代表にも度々選ばれていますね。
・サンパウロでの活躍で10代にして注目銘柄に
・PSGで主力も大物選手の加入で岐路に
・トッテナムでの活躍に期待
ルーカス・モウラのプレースタイルは?
圧倒的なスピードとドリブルの技術
ルーカスモウラの主なポジションはウイングフォーワード及びサイドハーフです。右サイドで起用されることが多かったですが、左サイドでもプレーできないことはないです。
ルーカス・モウラのプレースタイルで特徴的なのは「タッチライン際で発揮される圧倒的なスピード」、「切り返しを主体としたドリブルテクニック」です。
ルーカス・モウラはスピードとドリブルといういわゆる「ウインガーっぽい」長所を兼ね備えている選手で、個人技によって相手陣地を切り裂き、チャンメイクを行いタイプの選手だと言えます。
スピードは加速力、持続力共にステータスが高く、相手ディフェンダーの出した足と逆にちょこんとボールを出すだけであっという間に置き去りにすることが可能です。特に前方にスペースがあるときのルーカス・モウラのドリブルは圧巻で、少しでもマークが遅れてしまえば並のディフェンダーなら追いつくことはほぼ不可能ですね。
ブラジル人らしくドリブルタッチもユニークでヒールを使ったり、左足でボールをまたいでから残された右足のかかとでパスをしたりとアイデアも豊富です。
右利き右ウインガーの重要性
現代サッカーでは利き足とは逆のサイドにウインガーを配置するチームが増えています。例えばロッベンがそうであるように、右サイドに左利きの選手を配置することで視野を内側に広く取りやすくし、カットインからのシュート成功率を高めるためですね。
しかしルーカス・モウラは右利きで、最も得意としているサイドは右サイドです。
右サイドに右利きのウインガーを置くと内側への侵入角度はある程度限定されますが、ボールをより右足側の前のスペースに出しやすいですし、中に絞った相手ディフェンダーからも比較的遠い位置にボールを逃しやすいです。
そのためサイドの左右と同じ利き足でプレーする選手はドリブルの突破力に秀でた選手が多いですね。こういうタイプの選手はいわゆる「タッチライン際」で強みが出せる選手とも言われますね。こういった理由から上記のようにルーカス・モウラは右サイドで起用されています。
現在のスパーズはサイドにソンとエリクセンが置かれることが多いです。ソンもドリブルとシュートが鋭い選手ですし、エリクセンも非常に技術の高い万能プレーヤーですよね。
ソンのプレースタイルはこちらも参考に→韓国代表ソンフンミンのプレースタイルは?アジア屈指の性能を誇るトッテナムのアタッカー
エリクセンのプレースタイルはこちらも参考に→デンマーク代表エリクセンのプレースタイルは?トッテナムの絶対的司令塔!
しかしこのルーカスモウラのように圧倒的なスピードで裏のスペースを蹂躙していくプレースタイルを持った選手はスパーズにはあまりいません。したがってルーカスの加入はスパーズにとって大きな攻撃オプションとなり得るでしょう。陣形が間延びしてはいけませんが、攻撃に奥行きを持たせられる選手は重要ですね。
またルーカス・モウラにはスピードで裏のスペースを積極的に使う選択肢を取る事によって相手の最終ラインを無理やり押し下げ、エースであるケインの負担を減らす役割も期待されますね。
ハリー・ケインのプレースタイルはこちらも参考に→プレミア2年連続得点王ハリー・ケインのプレースタイルは?トッテナムのエース!
いずれにしても2017-2018シーズンのスパーズは好調極まりないのでここにルーカス・モウラというスピードと個人技の切り札が加わるのは他チームにとって非常に脅威だと思います。
若干視野の狭さ、スペースがない時のプレーチョイスの雑さ、左サイドへの適応という課題はありますが、指導力の高いポチェッティーノ監督の元での成長にも期待ですね。
ブラジル代表はあまりにも層が厚いのでロシアワールドカップメンバーに選ばれるかは微妙ですが、2018年のルーカス・モウラは飛躍の年になるかもしれません。
・現役選手でもトップクラスのスピード
・裏のスペースを見つけられると止められない
・もっと左でも能力を発揮できればワールドクラスになれる