2018ロシアワールドカップアフリカ最終予選で見事本戦出場を決めたナイジェリア。アフリカらしい身体能力の高さはワールドカップのような短期トーナメントでは非常に脅威となる存在です。
そんなナイジェリア代表で若くして中心となっているのがアーセナルに所属するアレックス・イウォビです。
パスサッカーを標榜するアーセナルの中で成長を続け、戦術のアクセントになっていますね。
今回はあのナイジェリアの名手オコチャの親族でもあるアレックス・イウォビのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
アレックス・イウォビのプロフィール
名前ーアレクサンダー・イウォビ(Alexander Iwobi)
国籍ーイングランド、ナイジェリア(代表はナイジェリア)
出身地ーラゴス
生年月日ー1996年5月3日
身長ー180cm
体重ー75kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
アレックス・イウォビはナイジェリア最大の都市ラゴスで生まれた選手ですが、近年増えているナイジェリア→イングランド移住の流れに乗り4歳の頃にイングランドに移住しています。
サッカーキャリアのスタートは優秀な育成機関を擁しているロンドンのビッグクラブ、アーセナルFCの下部組織から始まります。
ここでイウォビは順調に結果を出し続け、2015年19歳にしてトップチームデビュー、2試合連続ゴールを決めるなど性能の高さをアピールし、翌2016-2017シーズンから出場機会を増やして主力の一角となっています。背番号は「17」ですね。
2018年には試合前日にパーティに興じるなど問題行動も多数報告されていますが、その後も普通に試合に起用されていることから監督であるアーセン・ヴェンゲルの信用は強いと見ていいでしょう。
またイウォビは上記の通りナイジェリアとイングランド両方の国籍を所有しており、U-18世代までは長く育ったイングランド代表でプレーしていましたが、A代表は生まれたナイジェリア代表を選択、ロシアワールドカップ出場を決めるゴールを記録するなど本大会でも活躍が期待されます。
ちなみにイウォビはPSGやボルトンで活躍したナイジェリアの英雄ジェイ・ジェイ・オコチャの甥に当たり、ナイジェリア国内でも非常に人気の高い選手でもありますね。
・ナイジェリアからイングランドに移住
・アーセナルのアカデミー出身
・代表は伯父のオコチャと同じナイジェリア
アレックス・イウォビのプレースタイルは?
柔らかい足首によるドリブルが特徴的
イウォビはアーセナルにおいては左右のウイングフォワードで起用されるパターンが多いです。しかしトップ下の適正も見せる選手で2列目ならどこでもプレーできると言っていいでしょう。
イウォビのプレースタイルで特徴的なのは「緩急を付けて相手を外すドリブル」と「特定の攻撃時におけるポジショニングの良さ」、「中盤でボールを前に進める仕事」です。
イウォビはドリブル系アタッカーが多いアフリカ系の選手の中でもテクニックと緩急のタイミングで相手を外しながらドリブルでチャンスメイクができる選手ですね。
アフリカ系の選手はスピードのみでゴリ押すドリブルを得意とする選手が多いですが、イウォビはボールタッチが柔らかく、足首を使ってグニャグニャとボールをこねてスペースをこじ開けていくタイプのドリブルをします。
伯父のオコチャほど創造性があるわけではなく、縦にガンガン突破できるわけでもないですが、こういうドリブルをしてくれる選手がいると周囲の選手がプレーする「タメ」を作れますし、何より自らのシュートコースを作ることができますね。
若干ドリブルで相手を外した後のラストパスやシュートが雑な所が見られますが、まだ若い選手ですし全体的なクオリティは徐々に上がってきています。
間受けしてボールを前進させるプレーが得意
そしてイウォビがアーセナルでヴェンゲルに重用されている理由として特定の攻撃時のポジショニングの良さも挙げられます。
イウォビは守備のポジショニングはそれほど上手くありませんが、ボールを奪った後の攻撃時のポジションは非常にいい所にいて攻撃の起点になる事が多いです。おそらく基本的にゴールから逆算してプレーを考えるタイプの選手なのでカウンターの際などにはとても有効ですね。
アーセナルはパスコンビネーションで攻めるタイプのチームで、エジルやサンチェスなど相手の最終ラインとミッドフィルダーラインの隙間でボールを受ける「間受け」タイプのアタッカーが多いですよね。
イウォビもラインの間にポジショニングを取るタイプの選手なので彼らとのアーセナルらしい連携プレーはとても強力です。
エジルのプレースタイルはこちらも参考に→ドイツ代表エジルのプレースタイルは?個性的なファッションエピソードも
アレクシス・サンチェスのプレースタイルはこちらも参考に→アレクシス・サンチェスのプレースタイルと貧乏エピソード
またビルドアップに詰まったときにイウォビが適宜中盤に顔を出してボールをシンプルに回してくれるので組み立てのスピードも上がります。イウォビのこういった間への顔の出し方を見ると上がり目のセンターハーフやトップ下でも面白いと思いますね。(守備崩壊は避けられないが)
総じてイウォビはヌルヌル系のドリブルと間受けが上手い現代型のアフリカアタッカーと言えるでしょう。
イウォビの欠点
ただしイウォビはまだ若く欠点もあります。特に安定感は課題ですね。調子の良い時はボールに多く関わりMVP級のプレーをするのですが、調子の悪い時はパスもずれますし得意のドリブルも相手に引っかけて終わりです。縦への推進力も著しく減退します。
その日の調子の良し悪しがハッキリ分かるのでアーセナルサポーターの中には試合によって別人になると評価している人もいるそうですね。この安定感は改善していかなければならないでしょう。
また足は速いはずなのにあまりそのスピードを活かす機会がないのも問題です。もちろんそれは周囲のプレースタイルにもよる所ですが、もっと裏にフリーランを仕掛るプレーを増やせば自身の特徴であるドリブルが活きると思いますね。運動量自体は豊富でエネルギッシュなだけに現状少しもったいない気がします。
2017-2018シーズンは新加入のラカゼットがわりとプレーエリア広く動くタイプのフォワードですのでイウォビが前線に飛び出してサポートしてあげるといいコンビネーションが出来上がると思います。
ラカゼットのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表ラカゼットのプレースタイルは?アーセナル移籍決定!
イウォビはまだ20代前半と若い選手でアーセナルには動き方のお手本になる選手がたくさんいますので成長に期待したいです。もちろん現状でも能力は非常に高いのでロシアワールドカップも楽しみですね。
・スピードゴリ押しではなくテクニック系のドリブラー
・ボールを奪った直後のポジショニングはいい
・まだ若く欠点もあるが成長に期待