イングランド代表と言えば選手たちの前評判は高いものの、ユーロやワールドカップの舞台では期待されたほど結果を残せていない現実があります。
しかしそんなイングランドにも近年優秀な選手が続々と誕生しており、久しぶりに黄金期を迎えられそうな(たぶん)様相を呈してきています。
イングランド代表の左サイドバックはその時々でメンバーがコロコロと入れ替わりがちなポジションですが、その左サイドバックで活躍を見せているのがサウサンプトンに所属するライアン・バートランドです。
今回はビッグクラブも獲得を狙っていると言われているライアン・バートランドのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ライアン・バートランドのプロフィール
名前ーライアン・ドミニク・バートランド(Ryan Dominic Bertrand)
国籍ーイングランド
出身地ーロンドン
生年月日ー1989年8月5日
身長ー179cm
体重ー85kg
ポジションーDF
利き足ー左足
ライアン・バートランドはイングランドのロンドン出身のサッカー選手で、サッカーキャリアの始まりはロンドンの南東、東海岸沿いにあるジリンガムという街のクラブから始まりました。
幼い頃から才気を見せていたバートランドは下部組織の内にロンドンのビッグクラブであるチェルシーFCに引き抜かれ、プロキャリアをスタートさせることになります。
しかしチェルシーの選手層はさすがに厚すぎたためレンタル生活でイギリス各地を放浪することになってしまいます。
2006-2007にはボーンマス、2007-2008及び2009にはオールダムとノリッチ、2009-2010にはレディング、2010-2011はノッティンガム・フォレストでそれぞれプレーしていました。
2012-2013シーズンはチェルシーに復帰して公式戦38試合に出場するも翌年にはアストン・ヴィラに再びレンタル移籍。
2014-2015にはサウサンプトンにレンタル移籍しますが、ここでバートランドの才能がいよいよ開花し、その後完全移籍でサウサンプトンに所属しています。背番号は「21」ですね。
イングランド代表にはU-16世代の頃から招集されており、近年A代表への招集機会も増えています。
・チェルシー入団も層が厚くレンタル生活へ
・サウサンプトンでは安定した活躍
・A代表にも召集されている
ライアン・バートランドのプレースタイルは?
オーバーラップのスピードに優れるフルバック
バートランドの主なポジションは左のサイドバックや左ウイングバックです。一時的にサイドハーフで起用されたこともありましたね。3バックのストッパーをやったこともあります。
バートランドのプレースタイルで特徴的なのは「左タッチライン際をぶち抜くスピード」と「跳ね返すのが難しいクロスボールの質」、「比較的堅実な守備」です。
バートランドはあの元イングランド代表のアシュリー・コールと比較されるほど非常に攻撃的なプレースタイルを信条としており、サイドラインを後方から駆け上がる事によってチャンスを作れる攻撃的サイドバックと言えます。
左サイドで前のウイングがボールを持てば即座に駆け上がってサポートをしますし、そのまま走り続けて裏まで一気に抜けていくことも珍しくありません。自チームのプレーエリアを一気に縦に奥深く広げてくれるので他の選手からしたらとても助かる動きですね。
セインツの試合を見ているとバートランドのランによって相手フォーメーションのマークが微妙にずれ、他の味方がチャンスを作り出すシーンがとても多いです。
スピードも素晴らしく相手のサイドバック及びウイングバックとヨーイドンの競争になればまずバートランドが負けることはありませんね。最近はシティのデルフ、スパーズのローズなどがレフトバックで結果を残していますが、イングランド代表の左サイドバックに限って言えば、最もソリッドなスピードを持っているのがこのバートランドだと思いますね。
デルフのプレースタイルはこちらも参考に→イングランド代表デルフのプレースタイルは?ペップシティで進化する偽の左サイドバック
イングランド代表の試合はプレミアリーグのダイナミックさとは正反対に試合中にサポーターが紙飛行機を作り始めるほど「つまらない」ことで有名ですが、バートランドのスピードあふれるオーバーラップを有効に生かして攻めに奥行をもたせればもっといい攻撃ができるのになと思います。
またバートランドはサイドバックの主な仕事の一つであるクロスボールの精度にも定評があります。バートランドのクロスはゴールキーパーと自チームのアタッカーの丁度真ん中に鋭い軌道で送ることが多いです。
そのため多少相手のディフェンダーの能力がサウサンプトンのアタッカーより勝っていても触りさえすればゴールを奪えることが多いですね。この鋭いクロスボールも攻めの際面白いアクセントとなっています。
守備も安定しどんな場面でも使いやすい選手に
バートランドは上記の通り攻撃的なプレースタイルを持つサイドバックですが、守備面でも年々安定感を増しています。チェルシーでレンタル放浪生活をしていた時はかなり守備に難のある選手だったものの、サウサンプトンに来てからはポジショニングもカバーリングも対人守備もワンランク上のレベルに到達したように見えます。
実際3バックのストッパーに入ったりすることもあり、守備面でもチームに貢献できる選手になったと言えますね。
近年イングランド代表はチェルシーのコンテがプレミアリーグに持ち込み、大流行した3バックを度々国際試合で披露しています。
バートランドは3バックのストッパーもできますし、サイドバック、より攻撃的なウイングバックもできますのでメンバーに入れておけば試合中急に4バックにしたい場合などにも対応することができますね。3バックなら左WBバートランド右WBウォーカーという非常に相手にとって驚異的なサイド攻撃が完成します。
アーセナルのモンレアルなどもそうですが、3バックか4バックかで大きく対戦相性が変わる現代サッカーではこのような守備系ポリバレント選手は戦術上とても重要です。
右のウォーカーのプレースタイルはこちらも参考に→イングランド代表カイル・ウォーカーのプレースタイルは?シティの右サイドを制圧するSB
柔軟なモンレアルのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表モンレアルのプレースタイルは?アーセナルの戦術幅を広げる万能DF
サウサンプトンでの安定した活躍を見て、バートランドにはマンチェスター・シティや古巣チェルシー、リヴァプールなど毎年のようにビッグクラブから獲得の噂が出ていますね。
能力的にはプレミアビッグ6のチームでも十分通用する選手だと思うのでステップアップも楽しみですね。もちろんイングランド代表での活躍も期待したいです。
・縦へのスピードとオーバーラップの頻度が〇
・鋭い系クロスボールも持ち味
・ビッグクラブからの関心が絶えない