日本代表の右サイドにおいて強烈な存在感を発揮しているのが酒井宏樹です。
フランスの名門マルセイユで加入初年度からチームで最多時間出場を記録するなど海外でも非常に評価が高いですよね。今最も海外で活躍している日本人選手と言っても過言ではないです。
特に右足から繰り出されるクロスボールは右サイドにおいて大きな武器となり得ます。半面守備は怪しかったりもするのですが・・・
今回はそんな酒井宏樹のプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
酒井宏樹のプロフィール
名前ー酒井宏樹(さかい ひろき)
出身地ー長野県中野市
生年月日ー1990年4月12日
身長ー185cm
体重ー75kg
ポジションーDF
利き足ー右足
酒井宏樹は長野県生まれですが、幼少の頃に親の都合で千葉県柏市に引っ越しています。
サッカーを始めたのも地元である柏市。柏レイソルのユースチームに加入して酒井宏樹のサッカーキャリアがスタートします。
当時から後述する身体能力の高さとサイドからのクロスボールのセンスは同世代の中では飛びぬけており、U-16日本代表に選ばれるなど順調にキャリアを送る事になります。
2009年には柏レイソルのトップチームに昇格。なかなかJリーグでは出番がありませんでしたが、ブラジルに留学するなどして経験を積みます。
酒井宏樹が本格的に出場し始めたのは2011年のこと。サイドバックとして才能が開花し27試合に出場、柏レイソルの優勝に貢献します。この年はさらにクラブワールドカップにも出場し、ブラジルのサントスFCからゴールを挙げていますね。A代表にも選出されるようになりました。
この成績により欧州の複数のクラブが酒井宏樹に注目しますが、酒井が選んだのはドイツブンデスリーガのハノーファー96。2年目から右サイドバックのスタメンに定着して活躍します。
しかしハノーファーは2015-2016シーズンに2部降格が決定してしまったため酒井宏樹は新天地を求める事になります。
移籍先はフランス・リーグアンで不振に陥っていた名門のマルセイユ。
当初は適応が心配されていましたが、初年度からスタメンに定着しチーム内で最多となる出場時間を記録するなどマルセイユに欠かせない存在となりましたね。
チームメイトや監督、現地メディアからも称賛を受けています。
なかなか出場機会を得られない日本人選手が多い中、酒井宏樹は最も海外で活躍している日本人選手と言ってもいいでしょう。パトリス・エヴラやディミトリ・パイェとプレーできるのは大きな財産になりますね。
・柏レイソルではユース時代から評価が高かった
・2011年はクラブW杯で得点、A代表にも選ばれる
・ハノーファーとマルセイユでも主力
酒井宏樹のプレースタイルは?
クロスの種類と質が歴代日本代表サイドバックでトップ
では酒井宏樹は一体どういった所がマルセイユで評価されているのでしょうか。
まず酒井宏樹のポジションは右サイドバックです。
プレースタイルの代名詞は何と言っても独特のフォームから繰り出される高速クロスボールでしょう。
足を思い切り振りあげて蹴るボールには強烈なカーブが掛かっており、右サイドの選手が上げるクロスボールとしては理想的なボールで非常に精度が高いです。また酒井宏樹のクロスは多くの場合相手ディフェンダーとゴールキーパーの間にあるスペースを狙って放り込むのでフォワードにとって抜群のタイミングになります。
もちろんスペースだけでなく相手の最終ラインを見てグラウンダーのクロスを供給する冷静さもあります。
クロスのレンジも広いですね。フォーワードが早めに飛び出しそうな雰囲気を出している時には右サイドの浅い位置からアーリー気味にクロスを上げる事もできます。マルセイユでもいくつかアシストを決めているようにクロスボールに関しては歴代の日本代表右サイドバックの中でも最高レベルでしょう。
ザックがセンターバックで使いたがった身体能力
また酒井宏樹のプレースタイルにおける特徴はそれだけではありません。身長が185cmと日本人選手の中ではとても大柄で、フィジカルが強靭です。
元日本代表の監督ザッケローニ氏もブラジルワールドカップに挑む際「酒井宏樹をセンターバックで試しておくべきだった…」と後悔していたほどです。参照:矢野大輔著「通訳日記 ザックジャパン1397日の記録」より
また大柄な選手としてはスピードもあるほうで、アジリティやクイックネス、長い距離を走るランとあらゆるスピード数値が高い選手でもあります。スタミナも豊富ですね。その大柄な身体からは想像もつかないクイックネスによってボールをまたぎながらドリブルで突っかけていくようなプレーもできます。
そのため右サイドをダイナミックに上下する事が可能になっており攻撃と守備の両方で貢献ができるサイドバックとなっています。
特に現在のマルセイユではフランス代表であるトヴァンとのコンビネーションがリーグアンでも屈指の完成度を誇っており、当のトヴァンも頻繁に酒井への信頼を口にしています。
トヴァンのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表トヴァンのプレースタイルは?スタッツ優秀なマルセイユのスーパーレフティ
よく苗字が同じであるため逆の左サイドバックを務めている運動量と器用さが特徴的な酒井高徳と比較されることがありますが、酒井宏樹はよりダイナミズムと攻撃の破壊力に優れています。
酒井高徳のプレースタイルはこちらも参考に→日本代表・酒井高徳のプレースタイルは?ドイツでキャプテンの理由も
下に酒井宏樹のプレースタイルをまとめた動画をシェアします。
酒井宏樹の欠点と課題は?
このように酒井宏樹は攻撃面とフィジカルを活かした守備では世界でもトップクラスのサイドバックだとは思いますが、より上のステージでプレーするなら磨くべきポイントもあります。
それは守備時のポジショニングです。上記の通り対人守備は強いのですが、ポジショニングが怪しい時が多く、相手にチャンスを作られてしまうこともしばしばです。相手に裏のスペースを上手く使われたり、簡単なコンビネーションであっさりと崩されてしまうシーンが散見されます。
必要のない場面で不用意に足や手を出してファウルをもらってしまうことも多いですね。これら守備時の動きの質は改善しなければならないポイントでしょう。
ザッケローニ体制ではクレバーでインテリジェンスの高い内田篤人の方がプレーする機会が多かったのはこういった問題があったからでしょうね。
内田篤人のプレースタイルはこちらも参考に→ドイツ2部移籍!日本代表内田篤人のプレースタイルは?知性が高い現代的サイドバック
とはいえ上記の通り攻撃時の動きとクロスボール、対人守備の強さは折り紙付きなのでその欠点さえ改善すればビッグクラブから誘いが来てもおかしくない逸材なので今後も期待しています。
・カーブがかかった高速クロスボールが魅力
・大柄でフィジカルもスピードを持つ
・対人守備は強いがポジショニングは怪しい時もある