比較的地味な印象がありますが、2016-2017シーズンにプレミアリーグ優勝を果たしたチェルシーにおいてただ一人全試合フル出場し、欠かせない選手となっているのがスペイン代表のディフェンダーであるセサル・アスピリクエタです。
タフな日程が続くプレミアにおいて全試合フル出場は並大抵の選手では絶対に無理ですよね。監督のアントニオ・コンテも絶大な信頼を寄せています。
今回はそんなチェルシーに欠かせない存在となっているアスピリクエタのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
セサル・アスピリクエタのプロフィールは?
名前ーセサル・アスピリクエタ・タンコ(César Azpilicueta Tanco)
国籍ースペイン
出身地ーパンプローナ
生年月日ー1989年8月28日
身長ー178cm
体重ー70kg
ポジションーDF、MF
利き足ー右足
アスピリクエタはフランスにほど近いスペイン北部のパンプローナという街で生まれた選手です。
ユース時代はパンプローナを本拠地とするオサスナの下部組織でプレーしていました。
オサスナでは2007年にトップチームデビュー。その後若手ながら3シーズンに渡って当時リーガエスパニョーラ1部に在籍していたチームの主力として活躍していましたね。
2010-2011シーズンからフランスリーグアンの古豪オリンピック・マルセイユに移籍することになります。
しかしマルセイユでは当初スタメンとして起用されていましたが、右ひざの靭帯を断裂。出場機会をあまり得られない日々が続きます。
それでもアスピリクエタの潜在能力を高く評価していた当時監督のジョゼ・モウリーニョによってチェルシーFCに引き抜かれ、プレミアリーグに挑戦することになりました。
チェルシーでは毎年安定的に活躍。2016-2017シーズンにプレミア優勝を飾ったチームにおいてただ一人全試合フル出場を果たすなどプレミアでもトップクラスのディフェンダーに成長しましたね。
スペイン代表ではU-16世代に頃から現在のA代表に至るまでコンスタントに招集され続けています。
・オサスナでは若くしてリーガの主力に
・マルセイユでは怪我で不本意な成績に終わる
・チェルシーでは2016-2017に全試合フル出場など主軸
セサル・アスピリクエタのプレースタイルは?
ユーティリティ性とポジショニングセンスが特徴!
ではモウリーニョやコンテら名将から絶大な信頼を受けるアスピリクエタの凄さはどんなところにあるのでしょうか。
まずアスピリクエタがこれほどまでコンスタントに出場機会を得られている理由の一つとしてポジションのユーティリティ性が挙げられます。
アスピリクエタはセンターバックと両サイドバック、両ウイングバックと守備寄りのポジションを複数こなすことができる選手であるため非常に使い勝手がいいのです。
優勝した2016-2017シーズンのチェルシーでは主に3バックの右ストッパーを務めていましたね。2017-2018シーズンでは右のウイングバックを務めています。有事には利き足と逆のサイドである左サイドバックもできます。
プレースタイルの長所ではポジショニングの良さが第一に挙げられるでしょうか。自チームと相手チームの選手の動きを常に把握し、先読みしてバランスを取ったり、相手の攻撃ルートをふさいだり自陣にできた穴をカバーしに行ったりというようなプレーが得意でスペイン人らしく戦術的にとても成熟しています。
2016-2017シーズンはガンガン前に出ていく守備が特徴的なダビド・ルイスが3バックのセンターに入ることが多かったですが、この布陣が成功したのもアスピリクエタのカバーリングセンスがあったからでしょう。
ルイスのプレースタイルはこちらも参考に→ブラジル代表ダビド・ルイスのプレースタイルは?コンテの元で進化!
アスピリクエタがチェルシーに来てからポジショニングをミスした姿はあまり見た事がありません。この堅実性と安定感の高いプレースタイルもアスピリクエタが各監督から重用される理由の一つとなっているでしょう。ディフェンダーは結局最終的にはポジショニングの良さが能力に直結するポジションですからね。
その戦術的インテリジェンスの高さからか、回数自体が多いわけではありませんがオーバーラップのタイミングも抜群。ボールを奪って「あと一人いれば有利な駆け引きができるのに・・・」という状況では必ず後方からサポートに駆け上がってきてくれます。
クロスボールやロングフィードの質も素晴らしいですね。
小柄だけど対人守備にも強さを発揮!
身長は178cmとディフェンダーとしては小柄といってもいい体格ですが、対人守備は非常に強いです。粘っこくかつタフにボールと人にアプローチできますし、スピード系アタッカーのスプリントにも対抗できる瞬発力を兼ね備えています。
あの対人守備の強度にうるさいジョゼ・モウリーニョに重用されていたという事実からもそれは伝わってきますね。
チェルシーには同じスペイン人のマルコス・アロンソやペドロなどもいますが彼らも技術だけではなく走力の高さと対人の強さを兼ね備えていますよね。チェルシーはそういうスペイン人を意図的に集めてるんでしょうか?笑
マルコス・アロンソのプレースタイルはこちらも参考に→マルコス・アロンソのプレースタイルは?地味だがチェルシー優勝の立役者
ペドロのプレースタイルはこちら→スペイン代表ペドロ・ロドリゲスのプレースタイルは?チェルシーに欠かせない選手
この対人守備の強さからプレミアリーグにおいてもアスピリクエタの身長の低さが穴になっているシーンはあまり見ないです。上述した戦術理解度の高さと読みの鋭さと相まってプレミアでも屈指のディフェンダーと言っていいでしょう。
噂ではマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したモウリーニョが獲得を熱望しているとか右サイドバックの層が薄いバルセロナが獲得したがっているとか移籍の噂はありますが将来的にどうなるでしょうか。チェルシーでは副キャプテン的立場にいるので移籍はしなそうですが。
アスピリクエタのプレースタイルと能力ならどこのリーグでもやれるとは思いますけどね。
いずれにしてもアスピリクエタは決して派手な選手ではないですが、そのプレーを見ているとより深くサッカーの戦術を楽しめる選手だと思うのでチェルシーやスペイン代表ではアスピリクエタのプレーに注目することをおすすめします。
・守備的なポジションを複数こなせるユーティリティ性
・ポジショニングやオーバーラップのセンスも抜群
・身長178cmだけど対人はプレミアトップクラスの強さ