現代サッカーにおいてサイドバックというポジションはとても重要なポジションになっていますよね。
縦の推進力とスピード、攻撃力、守備力、チームによっては組み立てのセンスも問われる非常に難しいポジションです。
世界最高のサイドバックは誰か?をはっきりと決めるのは難しいですが、バルセロナに所属するスペイン代表のサイドバック、ジョルディ・アルバはその候補に入る選手の一人ですね。
今回はそんな抜群のスピードでバルセロナの左サイドを担当するアルバのプロフィールとプレースタイルを見ていきたいと思います。
ジョルディ・アルバのプロフィール
名前ージョルディ・アルバ・ラモス(Jordi Alba Ramos)
国籍ースペイン
出身地ーロスピタレート・デ・リョブレガート
生年月日ー1989年3月21日
身長ー170cm
体重ー68kg
ポジションーDF、MF
利き足ー左足
ジョルディ・アルバはバルセロナの隣にあるカタルーニャ州ロスピタレート・デ・リョブレガートという街で生まれたサッカー選手です。
他のバルセロナの優秀なサッカー選手がそうであるように、アルバも10歳の時にバルセロナの下部組織カンテラに入団し、キャリアをスタートさせることになります。
幼少時代はアタッカーやトップ下として起用され、カンテラで順調に所属カテゴリーを上げていきますが、無情にも「身長が低い」という理由で16歳の頃にバルセロナから退団勧告を受け、一旦地元のクラブに戻ることになってしまいました。
しかしその才能に目を付けたバレンシアCFがアルバを獲得。2008-2009シーズンにトップチーム昇格を果たしヒムナスティック・タラゴナへのレンタル移籍などで経験を積み、2009-2010シーズンころから出場機会を増やします。
特にサイドバックにコンバートされてからのアルバの働きは見事なもので、一気にスペインA代表に招集されるほどのパフォーマンスを見せます。
そして2012-2013シーズンには左サイドバックに困っていたバルセロナに再度移籍、背番号18として見事に復帰を果たしたのです。
代表チームはU-19世代の頃から招集されており、EURO2012で決勝戦でゴールを挙げるなど重要な局面で活躍を見せています。
・バルセロナカンテラ育ちもサイズが原因で放出
・バレンシアでサイドバックにコンバート
・見事バルセロナに復帰
ジョルディ・アルバのプレースタイルは?
バルセロナの左を制圧するスピード
ジョルディアルバの主なポジションは左のサイドバックですが少しポジションを上げたウイングバックやサイドハーフでもプレーが可能です。
アルバのプレースタイルで特徴的なのは「サイドバックでトップクラスのスピード」、「タイミングのいいクロスボールの質」、「詰めの速い守備」です。
アルバは抜群のスピードを持つ選手であり、瞬発力も100mの加速力も優れている選手でサイドを切り裂くようなオーバーラップが特徴的な攻撃的サイドバックです。
このアルバのスピードがバルセロナの戦術において非常に強力な攻撃のアクセントになっています。
ご存知の通りバルセロナは基本的にショートパスの交換でポゼッションを高めていくチームです。そうなると当然相手は自陣に引いてブロックを固めて守備をしてきますよね。こういった守備ブロック相手に攻撃するためには中央のコンビネーションよりもアウトサイドを有効に使ってクロスボールもしくはサイドからのショートパスで崩すようなプレーが要求されます。
アルバはスピードに優れていますのでサイドを駆け上がることで守備ブロックを左右に引き伸ばして味方アタッカーにスペースを作ったり、突然ラインの裏にフリーランを掛けてマークをずらす事もできます。こういったポゼッションプレーからスイッチを入れて緩急の流れを作れるのはアルバの強みですね。言うまでもなくバルセロナにはパスのお化けがたくさんいますのでアルバを有効に活かせます。
サイドチェンジの受け手としても優秀
さらにこのスピードはポゼッションだけでなくショートカウンターやロングカウンター時にも活きます。バルセロナはメッシやネイマール(移籍したけど)などサイドに開いた強力なアタッカーを有効に使いたいチームです。
そのため片方のサイドでカウンターが詰まったときにはサイドチェンジを繰り返してなるべく空いている逆サイドを使いたいのですが、このサイドチェンジの際にアルバのようなスピードプレーヤーがいればすぐに受け手としてサイドチェンジに対応できます。
実際バルセロナでは右に開いたメッシがドリブルでマークを集め、人数が寄ってきたところで左サイドを猛然とオーバーラップしてくるアルバにサイドチェンジを送って一気にボックスに侵入する、というプレーはよく見る主力攻撃パターンの一つになっています。
逆サイドではセルジ・ロベルトがこういった役割をしていますね。ポゼッション志向のバルセロナといえどもサイドバックにはやはりスピードは重要です。
セルジのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表セルジ・ロベルトのプレースタイルは?バルセロナらしい知性を持つ万能選手
またアルバはバルセロナのカンテラ育ちだけあってオーバーラップのタイミングも完璧ですね。
クロスボールの使い方も絶妙で、グラウンダークロスが多いのも特徴的。バルセロナは比較的大柄な選手が少ないのでこのグラウンダーがかなり活きています。
2017年には左サイドでコンビを組んでいたネイマールがPSGに移籍してしまいましたが、ネイマールはあまりアルバを有効に使えていなかったのでむしろアルバにとってはいい方向に向くでしょう。
実際に2017-2018シーズンのアルバはネイマールがいた頃よりオーバーラップエリアが広くなりましたし、コンビネーションで崩すバルセロナらしいプレースタイルも見せています。
守備も年々上達
以前のアルバは攻撃的なプレースタイルはいいけど守備が良くない、という評価でしたが、守備の評価に関しては年々高まっています。
上記のように元々スプリント力が高いので多少ポジションを間違ってもすぐにボールホルダーに詰めることができますし、インテンシティも高くなってきていますね。インターセプト数も標準のサイドバックの数を超えています。
さらにバルセロナはポゼッションのためにディフェンスラインを高くして攻めるチームですが、そうなると裏を取られるリスクがあります。アルバは自身のスピードによってそのカバーリングもとても素早く行う事ができ、バルセロナのハイラインのリスクを軽減しています。
スペイン代表のサイドバックには左右ができる万能なアスピリクエタやアーセナルで欠かせない存在となっているモンレアルなどがいますが、スピードとそれに伴うオプションを重視するならアルバがスタメンに選ばれるでしょう。
アスピリクエタのプレースタイルはこちら→スペイン代表アスピリクエタのプレースタイルは?ポジショニングセンスが世界最高峰
モンレアルのプレースタイルはこちら→スペイン代表モンレアルのプレースタイルは?アーセナルの戦術幅を広げる万能DF
アルバは欠点としてちょっと激昂しやすくカードが多かったり、ファウルをもらうためにダイブを頻繁にしたりなど良くない所もありますが、全体的には世界でもトップクラスに評価が高いサイドバックだと思います。ロシアワールドカップでも楽しみですね。
・スピードに優れるラテラル
・自身のプレーでチームに緩急をもたらす
・だんだん守備も上手くなってきている