ウクライナ代表と言えばアンドリュー・シェフチェンコに代表されるように歴史の中で定期的にスター選手が出現します。
ウクライナ代表自体は国際舞台で結果を残すことが少ないものの、各国リーグのラインナップを見るとウクライナの選手が重要なポジションでプレーしていることも多いです。
2017-2018シーズンプレミアリーグ首位を独走するマンチェスター・シティのオレクサンドル・ジンチェンコもそんなウクライナ期待の若手プレーヤーとして徐々に存在感を高めていますね。
そんなわけで今回はジンチェンコのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
オレクサンドル・ジンチェンコのプロフィール
名前ーオレクサンドル・ヴォロドミロヴィッチ・ジンチェンコ(Oleksandr Volodymyrovych Zinchenko)
国籍ーウクライナ
出身地ーラドミシュル
生年月日ー1996年12月15日
身長ー175cm
体重ー64kg
ポジションーDF、MF
利き足ー左足
ジンチェンコはウクライナのラドミシュルという街出身で、サッカーキャリアのスタートは地元ラドミシュルのクラブからスタートします。
その後才能を見込まれたジンチェンコはウクライナの強豪で欧州チャンピオンズリーグにも時折顔を出すシャフタール・ドネツクの下部組織を経由してFCウファに移籍、2014-2015シーズンにトップチームデビューを果たしています。
若くして期待を集めたジンチェンコにはドルトムントなど複数のクラブが青田買いを狙い、結果2016年にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティが獲得することになりました。現在の背番号は「35」番ですね。
移籍初年度は経験を積むためオランダ・エールディヴィジのPSVにローン移籍して修行していました。PSVでもスタメンとは言い難かったですが、2017-2018シーズンは怪我人の事情もあってシティに復帰、貴重な控えとしてスカッドに入っています。
またウクライナ代表ではU-16世代の頃から招集されているエリートですでにA代表にも呼ばれ、フランスで行われたEURO2016にも出場しています。
・ウクライナリーグで注目を集める
・PSVで経験を積みシティに復帰
・A代表も招集済み
オレクサンドル・ジンチェンコのプレースタイルは?
本来は前目でプレーするべきテクニック
ジンチェンコの主なポジションはサイドハーフやウイング、トップ下といった2列目のアタッカー、及びセンターハーフです。しかしマンチェスター・シティでは層の厚さやチーム事情により左サイドバックとしてプレーしています。
ジンチェンコのプレースタイルで特徴的なのは「シティでは必須なパスのスキル」と「ボールタッチ、ドリブルのスキル」です。
ジンチェンコは決してスピードに優れたタイプではないですが、まだ21歳にも関わらずボールを扱う技術が非常に優れておりパスとドリブルで攻撃に違いをもたらせるタイプのテクニシャンだと言えます。
特にボールタッチはとても柔らかく、常にジンチェンコ自身の得意な左足付近にボールをトラップできますね。したがっていつでも瞬時にボールを蹴る事ができるので球離れもいいですし、ポゼッションのためにパスを回すシティのメンバーに混ざっても遜色のないプレーを見せています。
パスの種類も豊富でどのようにキックしたらどういう風にボールが飛んでいくかをよく理解しており、近距離のコンビネーションパスから遠距離のサイドチェンジ、アーリークロスまで幅広くキック精度を見せつけています。
パスを出した後の動きも優秀ですね。出したら出しっぱなしではなくきちんとボールが返ってきた時のことを考えて前で受ける選手が戻しやすいようなコースに動いてあげています。
事実2018年3月に行われた対チェルシー戦では司令塔のイルカイ・ギュンドアンに次ぐ152本ものパスを繋いでおり、左サイドで攻撃とパス回しの起点になっていました。パス成功率は97%でトップでしたね。
シティの面々の中に入ってこれだけ中心としてパス回しに参加できるのはこの年代では極めて希少な才能です。
左利きというのも〇
またジンチェンコのプレースタイルでは左利きというのもポイントになるでしょう。マンチェスター・シティ、というかグアルディオラはポゼッション主義でボールを失わないことを信条としています。当然バックラインでのパスミスなんてもってのほかでディフェンダー及びゴールキーパーに至るまでバックラインの選手にも足元の技術を求めます。
足元の技術に優れるGKエデルソンのプレースタイルはこちら→ブラジル代表エデルソンのプレースタイルは?ペップシティに欠かせないゴールキーパー
そのため左サイドバックの選手に関してはなるべくピッチの中央から離れたアウトサイド寄りにボールを置いて「奪われない」キープができる左利きの選手が必須となりますが、グアルディオラの求める基準に達する左利き左サイドバックはそうそういません。メンディが怪我をし、本職センターハーフのデルフや右利きのダニーロを無理やり左サイドバックで起用しているくらいですからね。
デルフのプレースタイルはこちらも参考に→イングランド代表デルフのプレースタイルは?ペップシティで進化する偽の左サイドバック
ダニーロのプレースタイルはこちら→ブラジル代表SBダニーロのプレースタイルは?シティ移籍決定!
そこで元々攻撃的な選手でかつパスやドリブルなどボール扱いに長けたジンチェンコが左サイドバックとしてそこそこ出場機会を得ているのは不思議ではありません。
しかしジンチェンコのプレースタイルを見るとやはりサイドバックとしてよりも一列前で起用されるべきでしょう。守備は成長こそしているものの得意ではなく、リヴァプールのようにシティ相手でもスピードで攻撃をゴリ押してくるチームが相手だと厳しい部分があると思います。
ジンチェンコが前でプレーするためにはデブライネやサネなど強力なプレーヤー達からポジションを奪わなければなりませんが、2017-2018シーズンのクオリティを見ると近い将来前線のポジション争いに食い込んできてもおかしくない逸材だと思います。
・ボールコントロールに長けたタイプ
・本来はSBではなく2列目の選手
・左利きなのもシティのニーズに合致