バルセロナのようなポゼッションサッカーを展開するチームにとってセンターバックの質は「最も」と言っていいくらい非常に重要です。
センターバックがビルドアップで起点を作れないとそもそもポゼッションは始まりませんからね。
しかし現在のバルセロナセンターバック人はマスチェラーノが中国に去り、ヴェルマーレンやピケなどの選手も高齢化しています。
したがってセンターバックの若返りは急務となりますが、スタメンで能力の高さを見せているのがフランス代表サミュエル・ユムティティです。
今回は将来的に世界でも1、2を争うディフェンダーになるかもしれないユムティティのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
サミュエル・ユムティティのプロフィール
名前ーサミュエル・ユムティティ(Samuel Umtiti)
国籍ーカメルーン、フランス(代表はフランス)
出身地ーヤウンデ
生年月日ー1993年11月14日
身長ー182cm
体重ー75kg
ポジションーDF
利き足ー左足
ユムティティ(発音が難しくウムティティやウンティティとも表記される)はカメルーンの首都ヤウンデ生まれですが、幼い頃にフランスに移住しています。
まだ10歳にも満たない頃からフランスの名門オリンピック・リヨンの下部組織に所属し本格的なサッカーキャリアをスタートさせることになります。
トップチームデビューは2011-2012シーズン、10代ながら公式戦17試合に出場すると翌シーズンから主力の一角に定着。
すでに各年代のフランス代表に呼ばれていたユムティティは将来を嘱望され、2016-2017シーズンにバルセロナに移籍が決まる事になります。背番号は「23」ですね。
バルセロナ移籍後も継続して出場機会をもらい、マスチェラーノに中国移籍を決断させるなど主力としてプレーしています。
またフランス代表としてすでにA代表にも選出され、EURO2016にも出場していますね。
・カメルーンとフランスのダブル国籍
・幼い頃からリヨンに所属
・バルセロナでも重要な存在に
サミュエル・ユムティティのプレースタイルは?
足元の技術に定評のあるレフティ
ユムティティの主なポジションはセンターバックです。リヨン時代は左サイドバックとしても多くの出場機会を得ていましたね。
ユムティティのプレースタイルで特徴的なのは「まさに現代型センターバックとも言える足元の上手さ」、「カバーリングのセンス」、「ボール奪取の迫力」、「スピード」です。
ユムティティはバルセロナに引き抜かれただけあって足元の技術が非常に高く、最終ラインからビルドアップによってバルセロナの攻撃の起点を作ることが可能な選手です。
さらにユムティティはセンターバックでは貴重な左利きというのも大きなポイント。
ポゼッションをしないチームではそうでもないですが、バルセロナのようにポゼッションで試合を組み立てていくチームの場合、2人(もしくは3人)のセンターバックのうち左側のセンターバックが左利きなのはパス効率に大きく関わってくる要素です。
左側のセンターバックが左利きだとポゼッション対策の定石であるディフェンダーへのハイプレスに対して外にボールを逃がしやすくなります。
さらに左から右へのサイドチェンジやロングフィードの際もそのままの姿勢で蹴る事ができます。右利きの選手が左から右サイドにサイドチェンジを送る場合は難しいアウトサイドを使わない限り体を一旦右側に旋回する必要がありますからね。
全体から見るとわずかなロスでしかありませんが、ポゼッションの効率を突き詰めるなら左のセンターバックに左利きを置くのは必須と言ってもいいです。
ユムティティはこの長所を活かしてバルセロナの攻撃を最終ラインから支えていると言えますね。
バルセロナ現監督のバルベルデはビルバオ時代同じく左利きのセンターバックで、グアルディオラ率いるマンチェスター・シティに引き抜かれたラポルテを指導していますのでユムティティもさらなる成長に期待できます。
ラポルテのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表ラポルテのプレースタイルは?クラブ史上最高額でシティに移籍!
2017-2018シーズン4月末現在におけるユムティティのプレースタッツを見てみるとパス成功率は91%あり、ユムティティによるビルドアップの正確さが知れます。(ちなみに2016-2017は92.9%でリーガ1位)
データ参照元:「who scored」
広大なカバーエリアとスピード
そしてユムティティはセンターバック本来の仕事である守備も一流です。
特に元々サイドバックをやっていただけあってスピードが優秀なのもバルセロナ向きだと言えますね。
バルセロナはポゼッションのため最終ラインを高めに設定するので後方のスペース、及び高い位置を取る左サイドバック、アルバの後ろのスペースが大きく空いている事が多いです。
アルバのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表ジョルディ・アルバのプレースタイルは?バルセロナのスピード系ラテラル
そのためセンターバックには広大なエリアをカバーするスピードと読みの鋭さが要求されることになりますが、ユムティティはスピードによって、おそらくバルセロナの選手で最も大変なこの仕事を完璧にこなしていますね。
危機センサーの範囲も広くカバーリング時の体の向きや意識の高さも素晴らしいです。
さらにユムティティの身長は182cmとセンターバックの中では比較的小柄ではありますが、フィジカルは強くボールホルダーに前を向かせないまま足をしっかり相手の懐にねじ込んで奪い切れますし、セットプレーでのヘディングにも強さを見せます。
ユムティティはこの若さにして非常に完成度の高いディフェンダーになっていると言えるでしょう。
上記のようにユムティティは弱点らしい弱点のない優秀なセンターバックですが、しいて言えばラインコントロールがもっとスムーズにできるといいですね。
現状は経験のあるピケがリーダーシップを取ってくれるので問題ないです。しかし将来的にはユムティティがディフェンスを引っ張る存在にならなければならないですからね。
バルセロナの攻守において生命線であるラインコントロールを完璧に覚えれば比類なきワールドクラスのディフェンダーになれるでしょう。
現在ユムティティはバルセロナの給与に不満らしく、マンチェスター・ユナイテッドなどに移籍の噂が出ていますがどうなるでしょうか。バルセロナは何としてでも流出させないように動くでしょうね。
・バルセロナDFに欠かせない足元の技術
・スピードがあってプレーエリアが広い
・対人守備と空中戦ももちろん〇