フランス代表と言えばジネディーヌ・ジダンに代表されるように華麗なテクニックを駆使した「シャンパン・サッカー」スタイルが昔から有名です。
近年はアフリカ系の選手が増えてきたことからフィジカル寄りのサッカーになっているとも言われがちですが、しかし華麗なボールテクニックを披露する選手はかなり多いお国柄と言えます。
そのフランス代表の中でも特にボールスキルに長け、フリーキックなどでも魅せる事ができる選手がマルセイユに所属し、自国開催のEURO2016でも大きなインパクトを残したディミトリ・パイェになります。
2017-2018シーズン非常に好調で、とある数字が欧州5大リーグでもトップクラスの数値を叩き出していますね。
今回はそんなパイェのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ディミトリ・パイェのプロフィール
名前ーフローラン・ディミトリ・パイェ(Florent Dimitri Payet)
国籍ーフランス
出身地ーサン=ピエール
生年月日ー1987年3月29日
身長ー175cm
体重ー77kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ディミトリ・パイェ(ペイェ、パイエットとも)はフランス出身のサッカー選手ですが、生まれた場所はアフリカ南部マダガスカル島の東にあるフランスの海外県、レユニオンのサン・ピエールです。
幼い頃は地元サン・ピエールのクラブでプレーしていましたが、1999年からフランス本土のル・アーヴルの下部組織に移っています。
その後エクセルシオールに移籍してプロデビューを迎え、2005年からFCナント→サンテティエンヌ→リール→マルセイユとフランスの強豪チームを渡り歩き、名前を売っていきます。サンテティエンヌの時は元日本代表の松井大輔ともプレーしていましたね。
マルセイユでの活躍により2015年にはイングランド・プレミアリーグのウェストハム・ユナイテッドに移籍し、リーグ年間ベストイレブンに選出されるほどの活躍を見せましたが、本人は最初からフランスに戻りたかったようで、2017年にはマルセイユに復帰しています。
ウェストハムを離れる時には練習や試合をボイコットするなど態度が問題視され、ファンに車を破壊されるなど大きな話題となったことも記憶に新しいです。一応パイェ側の言い分としては家庭の事情が理由としています。
フランス代表としては長らく目立った活躍はありませんでしたが、自国フランスで開催されたEURO2016で3ゴールを記録してブレイクしましたね。
・フランス領レユニオン出身
・フランス強豪チームでそれぞれ活躍
・ウェストハム移籍も2017年マルセイユに復帰
ディミトリ・パイェのプレースタイル
現役選手中屈指の美しさを誇るフリーキック
パイェの主なポジションは左のウイングとサイドハーフ及びトップ下のポジションです。才能が開花したのはトップ下で起用されるようになってからですね。
パイェのプレースタイルで特徴的なのは「ミドルレンジキック精度の高さ」、「ヌルヌルなドリブルの技術」です。
パイェはキックの精度が非常に高く、スルーパスやサイドからのクロスボールによってストライカーのゴールをお膳立てすることも、フリーキックなどで自らゴールを沈めることもできる「飛び道具」を持っている選手だと言えますね。
その精度と美しさは現役のサッカー選手のなかでも屈指であり、劣勢でも一人で状況を一変させてくれます。特に鋭くカーブをかけてゴールの隅に突き刺すフリーキックの美しさはベッカムやピルロ、中村俊輔ら往年の名手に匹敵する美しさを持っています。
このパイェのキック精度は数字にも表れており、2015-2016シーズンのプレミアリーグでは9ゴール12アシストを記録しています。
さらにマルセイユに復帰した2017-2018シーズンは3月初旬の時点で「キーパス」の数字が一試合平均3.6本となっています。キーパスとはアシストだけでなく、シュートに繋がった決定的なパス(いわゆるアシスト未遂)の回数を表す数字ですが、パイェのこの数字はフランスリーグではもちろんのこと欧州5大リーグ全体で比較してもトップレベルの水準です。
一試合中にアシスト未遂が3~4本あるということですからね。いかにパイェのチャンスメイク能力がマルセイユにとって重要かという事です。
データ参照元:「Who Scored」
ミドルシュートの精度とスルーパスの選択肢によって2列目から違いを作っていける選手だと言えるでしょう。
重心移動によるテクニカルドリブルも得意
さらにパイェの特徴はキックの美しさだけではありません。ドリブルも得意なタイプで、特に左サイドに入ったときは細かいタッチで相手を交わしながらヌルヌルと相手のボックスに侵入し、カットインからお得意のミドルシュートを決めるシーンが多いです。
決してスピードがあるタイプではないのですが重心の移動が非常に上手く、常に相手の狙っている方向と逆に重心を移動できるので非常にテクニカルなドリブルだと思いますね。
パイェのパスセンスとミドルレンジのキック精度、創造性を考えればトップ下での起用がベストかとは思いますが、上記のようにドリブルによる左サイドからのカットインシュートとクロスボールもあるので左サイドで起用されている理由も理解できます。
また現代サッカーはいかにテクニシャンであろうとも守備のタスクが求められる世の中です。パイェは多くの選手がそのタフなインテンシティに馴染めないまま去っていくプレミアリーグでも初年度からフィットしていたように運動量と積極的なタックルを繰り出して守備に貢献することも可能ですね。
EURO2016の決勝ではクリスティーノ・ロナウドを負傷させたり、フランスリーグではPSGのネイマールと揉めるなど若干ハードすぎる所もありますが、ともかくテクニシャンのわりには守備も比較的やってくれるタイプであることに間違いはありません。
フランス代表の左サイドにはマルシャル、コマンがいますし、トップ下ではフェキルなど同じくドリブルに優れた選手がいるので30歳を超えたパイェにとっては難しい競争になりますが、出場した際はその華麗なるフリーキックの精度とドリブルの技術に注目するといいでしょう。
マルシャルのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表マルシャルのプレースタイルは?ユナイテッドで覚醒の気配を見せる逸材
コマンのプレースタイルはこちら→フランス代表コマンのプレースタイルは?バイエルンの若手超速ドリブラー
フェキルのプレースタイルはこちら→フランス代表フェキルのプレースタイルは?ビッグクラブが獲得を狙う超絶ドリブラー
・抜群の美しさを誇るフリーキック
・キーパスの数は欧州屈指の数字
・ドリブルもテクニカルで突破もできる