2018年5月16日、ロシアワールドカップに挑むイングランド代表が発表されました。
ハリー・ケインやデル・アリなどが順当に選出されるなかいくつかのサプライズ選出もありましたね。
そのサプライズ選出の中の一人がチェルシー所属で、2017-2018シーズンはローン移籍にてクリスタル・パレスに出向していたルベン・ロフタス=チークです。
今回はチェルシーで将来を期待される若き逸材、ロフタスチークのプロフィールやプレースタイルを紹介したいと思います。
ルベン・ロフタス=チークのプロフィール
名前ールベン・アイラ・ロフタス=チーク(Ruben Ira Loftus-Cheek)
国籍ーイングランド
出身地ーロンドン
生年月日ー1996年1月23日
身長ー191cm
体重ー88kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ルベン・ロフタス=チーク(以下ロフタスチーク)は近年のイングランド代表選手に多いジャマイカにルーツを持つ選手です。
首都ロンドンに生まれ、幼少の頃からロンドンのビッグクラブ・チェルシーFCの下部組織でプレーをしていました。
将来を嘱望され、順調にカテゴリーを上げていったロフタスチークのトップチームデビューは2014年。18歳でデビューを飾っています。
2015-2016シーズンには公式戦17試合に出場して2ゴールを挙げるなど徐々に出場機会を増やしてはいましたが、常に上位争いをするチェルシーにおいて満足する出場機会は得られず、2017-2018シーズンはローン移籍という形でクリスタル・パレスでプレーすることになりました。
パレスでは怪我などがありながら公式戦25試合に出場、ようやくトップリーグでの試合経験を積むことができています。パレスでの背番号は「8」ですね。
またイングランド代表ではU-16世代から招集されている逸材で、2017年にはA代表でもデビュー。
U-21時代の恩師ガレス・サウスゲイトが指揮するロシアワールドカップイングランド代表にもサプライズ気味に選出されています。
・チェルシー下部組織育ち
・パレスで修行中
・ロシアW杯にサプライズ選出
ルベン・ロフタス=チークのプレースタイルは?
驚異的な体格を持つ
ロフタスチークの主なポジションはセンターハーフ、サイドハーフ、トップ下にウイングと中盤から前線にかけて様々なポジションで起用されています。
ロフタスチークのプレースタイルで特徴的なのは「圧倒的な体格」、「見かけによらない技術の繊細さ」です。
ロフタスチークは身長が191cm、体重が88kgとサッカー選手の中でも特にサイズの大きい重量級の選手です。タワー型フォワードやゴールキーパー、センターバック以外でここまでの体格を持つ選手はなかなかいませんよね。
言うまでもなくフィジカルコンタクトは超強烈で手足も長く、守備の際には相手から強引にボールをもぎ取ることが可能ですし攻撃の際には相手を引きずり倒しながらボールを前に進めることが可能です。スピードもそこそこありますね。
ドリブルやパスも上手いという恐怖
さらにロフタスチークはフィジカルに頼ったプレースタイルだけでなく、ボールコントロールも達者な選手です。
体格が大きくフィジカルで相手を制圧できる選手はボールコントロールに難のある選手も多いですよね。
しかしこのロフタスチークは幼い頃からチェルシーというビッグクラブでプレーしていたからか、むしろどちらかと言えば高いボールコントロールテクニックで勝負したいタイプの選手なのです。
ドリブルはトリッキーでダブルタッチやアウトサイドを使ったテクいドリブルで推進力高く敵陣を突破していくことが可能。バイタルエリア付近の密集地帯でも問題なくボールが持てていますね。
ロフタスチークほどの雄大な体格を持った選手がテクニックによって攻め込んでいく様はなかなか壮観です。
さらにさらにロフタスチークはパスワークにも高いセンスを発揮します。
チェルシーでも中盤のボール回しに特に違和感もなく溶け込めていましたし、守備からの素早いカウンターが特徴のクリスタル・パレスでもロングフィード、サイドからのクロス、配球、ゲームメイク、縦パスやスルーボールなど正確なパスで試合を作っていますね。
持って生まれたフィジカルと繊細なテクニック・・・ロフタスチークは総じて攻撃面では逸材という評判どおり凄まじい素質を備えている選手だと言えます。
下にロフタスチークのプレー動画をシェアします。デカいのに滅茶苦茶上手いです。
守備は改善の余地あり
ただしロフタスチークはチェルシーに戻ってプレーするのであれば改善しなければならない欠点もあります。
それは守備の切り替え、いわゆるネガティブトランジション時のリアクションの悪さです。
2015年のプレシーズン、ロフタスチークがまだ19歳の頃の話ですが当時チェルシーの監督を務めていたジョゼ・モウリーニョに途中出場したにも関わらず途中交代させられてしまうという事件がありました。
この時のロフタスチークは走らない、奪いに行かないと守備に全く積極的ではなく、試合後にモウリーニョに名指しで批判を受けるなど守備意識の問題を露呈したのです。
上記の通りロフタスチークはこれだけ恵まれた体躯を持ち、コンタクトさえすれば無類の強さを誇るのに守備意識が低いというのは非常にもったいないですよね。
その後チェルシーの監督に就任した守備の国・イタリアの名将アントニオ・コンテがロフタスチークの起用にあまり積極的ではなかったのも仕方ないでしょう。チェルシーに戻ってプレーするなら守備意識の改善は必須です。
とはいえクリスタル・パレス移籍後は徐々に守備面での意識改革が見られ、モウリーニョに怒られていた時期に比べればずいぶんと守備は良くなっています。
比較的走るようになりましたし、以前よりプレスも積極的になっています。
このままキャリアを積んで守備を磨き運動量を増やし、イングランド伝統の「ボックス・トゥ・ボックス」的プレースタイルを身に着けることができれば数年後、ロフタスチークが世界に名だたるセンターハーフになっている可能性もありますね。
バカヨコやバークリーなど中盤に有力な選手が加入しているチェルシーですが、パレスでのパフォーマンスをさらに昇華することができれば彼らにも全く劣らないプレーができるはずです。
バカヨコのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表バカヨコのプレースタイルは?チェルシー移籍が決定!
バークリーのプレースタイルはこちらも参考に→ロス・バークリーのプレースタイルは?イングランドでは珍しいテクニシャン系
ロシアワールドカップで出場時間を貰えるかどうかは分かりませんが、ロフタスチークという逸材のキャリアにさらに注目していきたいと思います。
・恵まれた体格を持つ
・テクニックもかなり上のランク
・守備はまだまだだが徐々に改善