ワールドカップで日本と対戦するポーランドを始めとして、東欧のチームは伝統的に非常に剛直かつタフなサッカーを展開するチームが多いですよね。
そのポーランドにおいてピッチ中央を縦横無尽に動き回り、チームを助けているのが2017-2018シーズン、パリ・サンジェルマンからローン移籍にてウェストブロムでプレーしているグジェゴシュ・クリホヴィアクです。
今回はそんなクリホヴィアクのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
グジェゴシュ・クリホヴィアクのプロフィール
名前ーグジェゴシュ・クリホヴィアク(Grzegorz Krychowiak)
国籍ーポーランド
出身地ーグリヴィツェ
生年月日ー1990年1月29日
身長ー186cm
体重ー83kg
ポジションーMF
利き足ー右足
クリホヴィアクはポーランド南部、チェコやスロバキアにもほど近いグリヴィツェという美しい街の出身ですが、本格的なサッカーキャリアはフランスのボルドーでスタートさせています。
トップチームデビュー後もランス、ナントといったフランスのクラブでプレーを続け、2014-2015シーズンにスペイン・リーガエスパニョーラのセビージャに移籍を果たしてステップアップ。
セビージャへの移籍金は6億円という値段でしたが、その後のクリホヴィアクの活躍からすれば極めて安価な移籍金だったと言えるでしょう。
セビージャではヨーロッパリーグ2連覇に貢献するなどリーガでも非常に優秀なミッドフィルダーとされ、2016ー2017シーズンにはパリ・サンジェルマンに移籍が決定し、第二の故郷とも言えるフランスに戻る事になりました。
しかしPSGではプレースタイルと求められた役割に齟齬が生じ、出場機会に恵まれず2017年からはイングランドプレミアリーグのウェストブロムウィッチ・アルビオンにローン移籍してプレーしています。
なお、完全に余談ですがクリホヴィアクはテニス、ゴルフ、アウトドアなど非常に多趣味、しかもSNSで突然踊りだしたり歌い出したりするなど大変ご陽気な方です。
・フランスでキャリアを積む
・セビージャで大活躍
・PSGでは本領発揮できず
グジェゴジュ・クリホヴィアクのプレースタイルは?
汚れ仕事も厭わない配管工
クリホヴィアクの主なポジションはセンターハーフです。中盤の底でアンカーのように振る舞う事もありますね。
クリホヴィアクのプレースタイルにおける特徴は「運動量」、「インテンシティの高い守備」、「狡猾さ」が挙げられるでしょう。
サッカーではセンターハーフと一口に言ってもボックストゥボックスタイプや司令塔タイプなど様々なプレースタイルがありますが、クリホヴィアクはいわゆる「潰し屋」と呼ばれるタイプのミッドフィルダーになります。
ピッチ中央付近を縦横無尽に動き回り、運動量豊富にスペースを潰しながらボールホルダーに突進してインターセプトをガンガン狙っていくタイプのパワフルなプレースタイルが特徴的ですね。
PSG、それからローン先のWBAではコンディション不良もありいまいち本来の能力は出せていませんが(結果WBAはチャンピオンシップに降格)、セビージャ時代のスタッツが極めて優秀です。
2014-2015シーズンのリーガでクリホヴィアクは1試合毎平均のタックル数が3.3回(リーガ3位)、インターセプションが3回(リーガ14位)と共に非常に優秀なスタッツを残しています。
データ参照元:「who scored」
スタッツを見るだけでプレースタイルが簡単に想像できますよね?
さらにクリホヴィアクはファウル数も非常に多い選手です。
ファウル数の多さは単純にフィジカルコンタクトに自信があったり、プレーがラフだったりの指標にもなりますが、「適切なタイミングでファウルができる」ことの指標にもなります。
サッカーにはファウルを貰ってでも相手の攻めを中断させなければいけないシーンが数多くありますが、クリホヴィアクはそのタイミングを熟知しており、ファウルで止めた方がいいシーンではきっちりプロフェッショナルファウル(戦略的なファウル)をかまして攻撃の流れをストップさせることができる選手です。
汚いという人もいるかもしれませんが、サッカーではとても重要なプレーになりますね。
クリホヴィアクはキャリアの多くを過ごしているフランスで「木こり」、「配管工」という愛称で呼ばれています。その愛称通り泥にまみれながら地道な仕事を続けられる選手だと言えるでしょう。
ダイナミズムとリンクプレーはそこそこ
さてではクリホヴィアクの攻撃面はどうなのでしょうか?
センターハーフと言えばディフェンダーからのビルドアップパスをセンスよく捌き、アタッカーを活かすプレーが重要ですが、クリホヴィアクはあまり配球が上手いタイプの選手ではありません。
PSGではセビージャ時代からの恩師ウナイ・エメリに「ブスケツのようにプレーしろ」と言われてとても困惑したと証言しています。
確かにクリホヴィアクはあくまでボールハントが得意な選手であり、ブスケツのようなパスで試合をコントロールする役割には向いていませんね。
ただしクリホビアクが完全なる守備専の選手かと言われればそうではなく、ボールを持ったらダイナミズム溢れる攻め上がりを見せることもありますし、運動量自体は豊富なので選手と選手の間に細かく顔を出し、簡単なショートパスをリンクさせるプレーメイカー的役割はそこそここなせます。
さすがにラビオや、ヴェラッティ、モッタなど中盤にテクニシャン揃いのPSGでは流石に難しいと思いますが、他のクラブではしっかりミッドフィルダーとしてプレーできるくらいの攻撃性能は有しています。
ラビオのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表ラビオのプレースタイルは?PSGの中盤を構成する若手プレーメイカー
ヴェラッティのプレースタイルはこちら→ピルロの後継者・ヴェラッティのプレースタイルは?バルセロナ移籍も?
ローンから戻ってきたクリホヴィアクの動向には注目ですね。
さてクリホヴィアクはワールドカップで日本代表と対戦します。日本は中盤でインテンシティ高くプレーされると崩れやすいのでクリホヴィアクの動きは常にマークしておく必要ありますね。
古巣セビージャやエメリが監督に就任したアーセナル(流石に今度はブスケツになれとは言わないと思う笑)が調査しているという噂があるので上記の通りクリホヴィアクの動向には注目したいと思います。
・中盤の潰し屋
・ファウルも上手い
・配球能力はいまいち