スペインのサッカー文化と言えば高いポゼッションとインテリジェンス溢れるパス回しが印象的ですよね。
こういったサッカーを展開する際、各ポジションには幼い頃から習得した精密な動きと思考能力の速さが要求されますが特に重要なのが「ピボーテ」と呼ばれるアンカーポジションです。
その中でも特に評価の高い選手がバルセロナ、スペインでピボーテを務めるセルヒオ・ブスケツになります。
この記事ではそんなブスケツのプロフィールやプレースタイルの凄さを紹介したいと思います。
セルヒオ・ブスケツのプロフィール
名前ーセルヒオ・ブスケツ・ブルゴス(Sergio Busquets Burgos)
国籍ースペイン
出身地ーサバデイ
生年月日ー1988年7月16日
身長ー189cm
体重ー76kg
ポジションーMF
利き足ー右足
セルヒオ・ブスケツはカタルーニャ州バルセロナ県にあるサバデイという街の出身で、いくつかカタルーニャのクラブを渡り歩いた後、バルセロナの下部組織に入団して本格的なサッカーキャリアをスタートさせます。
バルセロナの下部組織ではジョゼップ・グアルディオラ率いるバルセロナBで活躍、後にそのグアルディオラによってトップチームで重用されることになります。2008-2009シーズンからずっとバルセロナの主力としてプレーし、数々のトロフィーを獲得していますね。
バルセロナでの背番号は「5」番です。
またスペイン代表でも主力のミッドフィルダーであり、ワールドカップも優勝経験があります。
・カタルーニャ出身
・グアルディオラに見初められる
・バルセロナとスペイン代表の主力
セルヒオ・ブスケツのプレースタイルは?
現役トップクラスのサッカー頭脳持ち
ブスケツのポジションはピボーテ。いわゆる「守備的ミッドフィルダー」や「アンカー」と呼ばれるポジションに入ってプレーすることがほとんどです。
ブスケツのプレースタイルにおける特徴は「サッカー界最高レベルのインテリジェンス」、「予測能力」、「パスセンス」、「展開力」、「ターンの上手さ」、が挙げられます。
ブスケツが普段プレーしているピボーテとはスペイン語で「旋回軸」、「中心軸」といったような意味を持つ言葉であり、ディフェンダーの一つ前のポジションでシールドを張りつつ、パスを前後左右に散らして試合をコントロールするチームの心臓となるポジションです。
ポゼッションと軽やかなパス回しで攻めることの多いスペインのサッカーチームでは全ポジションの中でもトップクラスに重要なポジションになりますね。
ブスケツはこのポジションであらゆるメディア、選手、関係者たちから世界最高クラスの評価を受けている選手です。
ゴールキーパーやセンターバックから始まるビルドアップに積極的に関り、フィニッシュシーンまで想定しつつフィールドプレーヤー20人の動きを脳内で組み立て続け、味方が失点しないためにはどこにパスを送ればいいか、得点するためにはどうやってどこのスペースにパスを供給するべきかを的確に判断するサッカー脳が非常に優秀です。
パスの精度はもちろんのことバルセロナの中盤で基本となる三角形を作る動きも上手くまさに司令塔と呼べる選手であり、常に正解の選択肢を取り続けるその姿はまさに「ミスター最適解」と言っていいでしょう。
またセンターに位置するミッドフィルダーの中には激しくピッチをアップダウンするプレースタイルを持った選手がいますが、ブスケツはそれらの選手に比べてスピードを出して走る事も少ないですし、ポジションを激しく移動させることも少ないです。
その要因は攻守においてあらかじめボールが来る地点と動きそうなスペースを2つ3つそれ以上先まで予測できるブスケツのハイレベルなサッカー頭脳があるからですね。
2017-2018のブスケツのスタッツを見るとパス成功率は90.5%(リーガ10位)、1試合平均のパス数は72.3(リーガ3位)とラ・リーガで高いスタッツを残しています。
データ引用元:「who scored」
その他のシーズンに関しても似たようなスタッツで推移しており、ブスケツのプレースタイルとパスに関する技術の高さ、ゲームメイク能力が分かります。元々バルセロナのピボーテとして一時代を築いたグアルディオラが下部組織から好んでブスケツを起用していたのは当然とも言えますね。
ターンドリブルも抜群のセンス
さらにブスケツはドリブルのセンスにも長けています。
ドリブルといってもメッシやネイマールのように相手をぶち抜いていくドリブルではなく、効果的な攻めを展開できるようにボールを持っていく「運ぶドリブル」です。
特にブスケツはターンに関するセンスが抜群で、相手のプレスを特定の方向に食いつかせてからボールごと一気に旋回し、相手フォーメーション全体を重心ごと破壊するターンは抜群の威力を誇っています。
バルセロナはサイドチェンジも上手く使いつつ手薄なスペースを攻めたいのでブスケツのこういった気の利いたターンは効果的ですよね。
ブスケツにはこのターンの技術があるため、ポゼッションをしながらでも手薄なスペースを攻め続ける疑似的なカウンターを展開することもできます。
この他にもブスケツはボールをタッチする機会の多く、また相手のプレスの標的になりやすいピボーテには必須なワンタッチ、ツータッチでプレスをいなすドリブルタッチも得意であり、派手なロストはあまりないタイプでもあります。
読みの守備も光る
さて、ピボーテもしくはアンカーの位置では相手の攻撃がディフェンスラインに到達する前の段階でボールを刈り取る守備能力も重要ですよね。
ブスケツは高さこそありますが、フィジカル自体は並でスピードもありません。
しかしポジショニングは素晴らしく、上記のような頭脳による読みでパスコースを遮断する守備やネガティブトランジション時にボールの入りそうなプレーヤーに対して早めにアプローチを掛けるような守備は非常に上手です。
カウンターで完全にチーム全体が置いて行かれた時の守備における対応は難しいタイプだと思いますが、バルセロナ及びスペイン代表ではそんな状況になること自体少ないですし、ユムティティなどセンターバックの守備範囲も広大なのでほとんど問題はありません。
ユムティティのプレースタイルはこちらも参考に→フランス代表ユムティティのプレースタイルは?バルセロナの現代型若手センターバック
上記のようにブスケツは派手なプレーで魅せるプレースタイルではありませんが、その動きはまさにサッカーの教科書とも言うべき非常に効率のいい頭脳的なプレーであり、ゲームメーカーという文脈の中では世界でもトップクラスのフットボーラーです。
バルセロナおよびスペイン代表の試合を見る機会があれば、是非ブスケツのプレーに注目して見てください。サッカー戦術の奥深さを観戦者に教えてくれるクオリティを持った選手です。
・バルセロナの中盤をコントロール
・ターンとタッチ技術も高い
・守備は読みで奪うタイプ