各国代表クラスをズラリと並べるフランス・リーグアンの強豪パリ・サンジェルマン。
カバーニ、ディ・マリア、ドラクスラーを並べる攻撃陣は破壊力満点で他のヨーロッパ強豪と並んでも遜色ないラインナップですが、この攻撃陣を中盤から操っているのはイタリア代表のマルコ・ヴェラッティです。
イタリアでは早くから神童と目され、そのプレースタイルから「ピルロ2世」としてバルセロナやユヴェントスが獲得を狙っている逸材。
今回はそんなヴェラッティのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
マルコ・ヴェラッティのプロフィールと経歴
名前ーマルコ・ヴェラッティ(Marco Verratti)
国籍ーイタリア
出身地ーペスカーラ
生年月日ー1992年11月5日
身長ー165cm
体重ー60kg
ポジションーMF
利き足ー右足
ヴェラッティはセリエAにも時々顔を出すイタリアのペスカーラ出身の選手で、幼い頃からプロデビュー直後はこのペスカーラでプレーしていました。
元々のポジションはイタリア語で「トレクアルティスタ」、いわゆるトップ下のポジションでした。しかしヴェラッティの才能が世界中に知られることになったのは現在ではお馴染みのポジションであるセンターハーフ、ボランチにポジションを移してからの話。
2011年シーズンにペスカーラの監督に就任した「トップ下を置かない4-3-3」を好むズデネク・ゼーマンが、自身の戦術プランに合うセンターハーフを探した結果ポジションを一列下げたヴェラッティが抜群のパフォーマンスを見せたためこのポジションに定着した、という経歴です。
2011ー2012シーズンでの活躍を受けて、かねてからヴェラッティ自身がファンだと公言していたユヴェントスなど複数のビッグクラブが熱視線を送りますが、結局ヴェラッティはオイルマネーが注入されているフランスのパリ・サンジェルマンに移籍することになりました。
セリエBでしかプレー経験はなかったですが、1200万ユーロという大金で移籍したヴェラッティは初年度からコンスタントに出場機会を重ね、欧州チャンピオンズリーグなどで活躍、世界中に名を知られることになります。
・ペスカーラの出身
・トップ下だったけどボランチで開花
・セリエB→PSGという珍しい履歴
マルコ・ヴェラッティのプレースタイル
現役トップクラスのパス精度を誇るレジスタ
ヴェラッティのプレーがよく例えられるのは、同じイタリア代表のレジェンドであるアンドレア・ピルロです。
確かにピルロと同じくヴェラッティも中盤の低めからゲームを組み立てる「レジスタ」であり、ポジションと存在感は似ています。
ショートパス、ロングパス共に非常に精度が高く3列目の位置から決定的なパスを出せるタイプの選手。とにかくパス精度は中盤底の選手では現役でトップクラス、レアル・マドリードのモドリッチにも負けない精度を誇ります。
モドリッチのプレースタイルはこちらも参考に→レアルの主役・モドリッチのプレースタイルは?苦労人エピソードも
ボールが回らなくなったときにはセンターバックの近くまで降りてきて前線に配球。常に体を開き気味にボールを受けるので逆のサイドへのサイドチェンジも速い。スペースを見つけるのも上手い。速攻で行くか遅攻で行くかを判断するのも速いと司令塔に必要な能力を全て兼ね備えています。
落ち着きもあり、ゲームメイカーをつぶそうと突進してくるプレスをテクニックで軽くいなすことも可能。身長は165cmと小さいですが、フィジカルで当てられても簡単にロストせずキープする術を備えています。
そのビジョンの良さとパスの精度、ロストの少なさからパリ・サンジェルマンではヴェラッティがボールを持つと他の選手の動きが格段に変わります。「ヴェラッティからパスが来るのでチャンスになる」とチームメイトに確信させるのは一流ゲームメイカーの証ですよね。
ピルロの系譜だがより現代的
このようにビジョン、展開力、パス精度などピルロの後継者たるプレースタイルを持っているヴェラッティですが、ピルロと全く同じタイプかと言われると少し違うとは思います。
ピルロとの違いでいうとヴェラッティはわりとドリブルでキープする選択肢を選ぶことが多いことと、瞬間的な運動量が多いことが挙げられるでしょう。
ピルロはあまりドリブルはしないタイプでしたし、瞬間的な運動量も豊富なタイプではありませんでした。(トータル走行距離ではけっこう走ってたけど)
ヴェラッティは運動量も多い、より現代サッカーに適したレジスタと言えるでしょう。
PSGでチームメイトだったあのイブラヒモビッチもヴェラッティを「世間で言われているよりもっと良いタレントだ」と手放しで称賛。元バルセロナのシャビも「バルセロナのDNAを持っている」とそのゲームメイクセンスに最大限の評価を与えています。
実際バルセロナへの移籍は本人も望んでいるとされ、2017年の移籍市場が注目されていますね。こういったタイプのレジスタは現代では減りつつあるのでヴェラッティには期待しています。
・パス精度、ビジョンを備えているピルロの後継者
・ピルロよりちょっと現代的なレジスタ
・バルセロナが獲得を狙う。シャビも絶賛