2016-2017シーズン、アントニオ・コンテ監督が導入した3バックによってプレミアリーグ優勝を果たしたチェルシーですが、ケーヒルらディフェンスラインの面子の高齢化が進み、徐々に守備ラインの刷新を進めています。
そんな中で開幕した2017-2018シーズンではボルシア・メンヒェングラートバッハからレンタルバックで戻ってきたデンマーク代表のアンドレアス・クリステンセンが守備ラインで非常にいいパフォーマンスを見せています。
今回はまだ21歳ながら抜群の安定感を見せ、将来のチェルシーの守備ラインを担っていくであろうクリステンセンのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
アンドレアス・クリステンセンのプロフィール
名前ーアンドレアス・ブトガ・クリステンセン(Andreas Christensen)
国籍ーデンマーク
出身地ーリレレード
生年月日ー1996年4月10日
身長ー188cm
体重ー78kg
ポジションーDF
利き足ー右足
アンドレアス・クリステンセンはデンマーク東部のリレレードという街の出身で、サッカーキャリアのスタートは地元であるブレンビーIFの下部組織から始まります。
ここで若くして才能を見せていたクリステンセンには数多くのビッグクラブが青田買いを狙っていましたが、2012年結果的にイングランド、プレミアリーグのチェルシーFCに移籍することになりました。
2012-2013シーズンにトップチームに昇格するも出場機会は少なく、2015-2016シーズンからドイツブンデスリーガのボルシア・メンヒェングラートバッハにレンタル移籍して修行を積むことになります。
ボルシアでは初年度からスタメンに定着し2シーズンで多くの試合に出場、ボルシアから完全移籍のオファーを貰うもチェルシー側がクリステンセンを残したかったため、2017-2018シーズンにチェルシーにレンタルバックとなりました。背番号は「27」です。
チェルシーに復帰してからはケーヒルの不調やルイスの怪我などもあってディフェンスラインの主力として出場をし続けています。
またクリステンセンは非常に若いプレーヤーながらデンマークA代表でも欠かせない存在となっています。
・チェルシーに所属も層が厚くレンタル
・レンタル先のボルシアで才能が開花
・2017年にチェルシー復帰で好調をキープ
アンドレアス・クリステンセンのプレースタイルは?
チェルシーの将来を担うセンターバック
クリステンセンのポジションはセンターバックです。2バックのセンターバックとしても3バックのストッパー及びセンターとしてもプレーができます。
クリステンセンのプレースタイルで特徴的なのは「年齢にそぐわない安定感」、「足元の技術の高さ」が挙げられますね。
クリステンセンはまだ21歳という若年のディフェンダーです。センターバックというポジションは何よりも経験が大事だと言われるポジションで今は名ディフェンダーと称されているセンターバックでも若い頃は守備でミスが出ることも普通ですよね。
しかしクリステンセンにそのような経験の浅さからくる判断ミスはあまり見られません。非常に守備が安定しており年齢からは考えられないパーフェクトな守備を見せます。
特に注目すべきは「ポジショニング」です。経験の浅いセンターバックはこのポジショニングがどうしても甘くなりがちですがクリステンセンはしっかりとマークすべき選手をあらかじめ見ておき、体の向きを常にボールに合わせてキープしているためポジショニングのミスが非常に少ないです。
状況判断や戦術理解も素晴らしく、ある程度フォーメーションが崩れてイレギュラーな展開になったとしてもカバーに行かなくてはならないポイントとマークの対象を脳内でアレンジしながら適切なポジションに動くことができますね。
このクリステンセンのポジショニングセンスの高さはおそらく同僚であるアスピリクエタから多くのことを学んでいると思われます。彼はポジショニングのミスが全くない人ですのでクリステンセンにとってハイレベルな教科書になってくれていますね。
アスピリクエタのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表アスピリクエタのプレースタイルは?ポジショニングセンスが世界最高峰
また身長も188cmと大柄で言うまでもなく空中戦にも強いです。同年代でクリステンセンほど落ち着いて守備ができている若手センターバックは数えるほどしかいないでしょう。
チェルシーのセンターバックとしてはダビド・ルイスとポジションを争うことになりますが、ルイスは攻撃面では素晴らしいもののガンガン前にアタックする守備を行うので他の選手は特殊なカバーリングをしなければなりません。最終ラインを安定させたい時はクリステンセンが優先されることもあるでしょうね。
ルイスのプレースタイルはこちらも参考に→ブラジル代表ダビド・ルイスのプレースタイルは?コンテの元で進化!
ビルドアッププレーも非常に冷静
そしてクリステンセンのディフェンダーとしての評価の高さには「足元の技術」も大きく関わっています。クリステンセンは大柄ながらボールコントロールスキルが非常に高く、後方からパスを散らしてビルドアップを支える事ができます。
コンテチェルシーのフォーメーションは3-4-3や3-5-2といった3バックフォーメーションで、守備の際は3バック+ウイングバックのどちらかで守備を行うことになります。
このフォーメーションだとボールを奪った後、どうしても攻撃の枚数が足りなかったり、中盤でボールをリンクする選手が不足したりする場面が出て来てしまいます。
その問題を解消するため3バックの選手には高い位置にボールを運ぶ能力もしくは縦パスを適切なタイミングで正確にミッドフィルダーに送る技術が要求されますよね。
その点でクリステンセンは非常に安定したプレーを見せています。相手のプレスが弱いと判断すればポジションを上げる事もできますし、タメを作って質の高いビルドアップパスを供給することもできます。
何度も言いますが、この年齢でこのプレーの安定感は大したものです。ケーヒルは年齢を重ねてきているのでクリステンセンがスタメンに定着するのも遠い未来ではないでしょう。
クリステンセンは何事もなければ2018ロシアワールドカップに挑むデンマーク代表にも召集されそうなので楽しみですね。チェルシーとの契約を2022年まで延長したのでもちろんそちらのプレーも楽しみです。
・若いのに安定感抜群のディフェンス
・ポジショニングセンスが高い
・ビルドアップにも貢献できる近代型