ドルトムントがトゥヘルを解任した理由は?戦術家だが性格に問題?

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2017年5月末、ドイツブンデスリーガ1部ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督が解任されると公式に発表がありました。

2015年の就任以来リーグ戦は2位、3位、ポカールも優勝するなど一定の成績は残しているように見えますが・・・

なぜトゥヘルはわずか2年という短い就任期間で解任される事になってしまったのでしょうか?その理由を紹介したいと思います。

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知将トーマス・トゥヘルはなぜ解任された?

クラブ上層部と軋轢か

トーマス・トゥヘルは岡崎慎司も所属したマインツを躍進させた知将として知られ、2015年にリヴァプールに籍を移したユルゲン・クロップの後任としてドルトムントにやってきました。

クロップ監督の最終年は7位と低迷していたドルトムントを再建させ、翌年から2位、3位と安定した成績を残せたのは間違いなくトゥヘルの細かい戦術があったからに他なりません。

そんな一見優秀な監督に見えるトゥヘルですが・・・実はかなり複雑でクレイジーな性格を持つ人で、マインツ時代そしてドルトムント時代も常にクラブや選手と「不仲である」という噂が絶えない人なのです。

ドルトムントのCEOであるヨアヒム・ヴァツケ氏は今回のトゥヘルの解任騒動について公式ホームページで異例の声明を発表しています。

それにもかかわらずボルシア・ドルトムントとトーマス・トゥヘル監督がたもとを分かつことになったという事実は、一部のファンによる批判と理解不足を招いています。役員会、クラブ委員会、およびKGaAに責任を負う我々は、この状況を理解できます。トーマス・トゥヘル監督の下、BVBは2シーズンにわたり成功を収め、サッカーでの目標を達成しました。しかしながら、我々、つまりスポーツディレクターのミヒャエル・ツォルクと私は、この協力し合うべき期間に、コーチ陣と常に意見が一致していたわけではありませんでした。リーダーとしての責任という面では、問題になるのは結果だけではありません。その意味では、ボルシア・ドルトムントは他のスポーツクラブや企業と何ら違いはありません。信頼や敬意、チームとして意思疎通をし合い協力する能力、言葉の確かさ、帰属意識という基本的な性質、そして信頼性や忠実な姿勢も問題になってきます。

残念ながら、信頼に基づく望ましい協力関係の基礎を現在のコーチング体制が今後提供してくれると、我々はもはや信じることができませんでした。それゆえ、率直な話し合いと度重なる議論の末、コーチングスタッフとの協力関係を2016-17シーズンの終了時を越えて延長しないのが最良の方策であるという最終決定に至りました。

引用元:ボルシア・ドルトムント公式ホームページ

本文はなんだか長々と言葉が並べて書いてありますが、ヴァツケ氏ははっきりと「常に意見が一致していたわけではない」「協力関係を信じることができなくなった」と表明しています。

つまりクラブ経営陣とトゥヘル仲があまり良くなかったと公に公開しています。

スカウト担当のミスリンタートと選手獲得、放出で揉めていたのは以前にも報道されていましたし、トゥヘルもチームバス爆破事件の翌日に試合を行ったことに対して公の場で不満を述べていました。

ドルトムントバス爆破事件はこちらも参考に→テロか?爆弾被害を受けたドルトムントのバスの画像がやばい。負傷者も

クロップとヴァツケ、ツォルク(スポーツディレクター)は上手く連携していたらしいですが・・・トゥヘルは少し頑固すぎる性格を持っているようです。

選手との関係も微妙か?岡崎の感想は?

上記のような事も度々報道されていましたのでファンもどうやら「もしかしたら今年トゥヘルの解任あるかも」と思っていたそうです。

それを強く印象付ける出来事が2017ポカール(カップ)でフランクフルトを破り優勝した後のこと。

中盤の底で重要な存在であるヌリ・シャヒンをベンチ外にしたことでチームのキャプテン、マルセル・シュメルツァーから「彼(シャヒン)がベンチにも入っていない事に驚いている。監督は理由を説明しなければいけない」とトゥヘルの決断、采配を暗に批判するような発言をしています。

発言内容自体は別に過激なものではないですが、大会に優勝した直後にも関わらずチームのキャプテンからこんなが出てくる時点で監督と選手の間に溝が存在するということでしょう。

トゥヘルはかなり戦術が細かいタイプで、それはいいのですが練習や試合が思い通りにいかないと選手を突然怒鳴りつけたりするそうですね。けっこう根に持つタイプだそうで・・・

マインツ時代に指導を受けた日本代表・岡崎慎司選手も「トゥヘルは素晴らしい戦術家だけど、たまにクレイジーだった」と自身の体験を語っています。

2014年までマインツに在籍していたハインツ・ミュラーも「彼は個性的で気まぐれな独裁者。ドルトムントでフロントと揉めているのは全然不思議じゃない」と言っています。

気難しいが戦術家としては紛れもなく一流

フロントとの問題や選手との問題を見るとトゥヘルは頭はいいけどコミュニケーションが難しいタイプということでしょう。

頑固で独裁者で戦術に対するこだわりが強くてエキセントリックで時にクレイジー・・・監督向きの性格だとは思いますが現実はそう上手くはいかないようですね。

ただこれは性格の相性も影響してくる要素だと思うので、クラブが変わればまた違った結果が出ると思います。単純にトゥヘルの気難しい性格は「真実の愛」をスローガンとするドルトムントの気質に合わなかっただけでしょう。

ドルトムントのサポーターの反応も今回の解任劇には「もっと彼(トゥヘル)に敬意を払うべき」とフロントを批判する声が多いように感じます。

急にフォーメーションを変えたりして批判の的になる事もありますが、その戦術パターンの豊富さと柔軟さは確かなものなので個人的にはトゥヘルが次に指導するチームを早く見たいなと思いますね。