リヴァプールFCにおいて中盤に欠かせない選手と言えば誰になるでしょうか。
ドイツ人監督ユルゲン・クロップの元で強度高くピッチを走り回る「ゲーゲンプレス」を実行する現在のリヴァプールFCの戦術において、最もその助けとなっているのはイングランド代表のアダム・ララーナでしょう。
今回は技術と同時に走力も非常に高いララーナのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
アダム・ララーナのプレースタイル
名前ーアダム・デイヴィット・ララーナ(Adam David Lallana)
国籍ーイングランド
出身地ーセント・オールバンズ
生年月日ー1988年5月10日
身長ー172cm
体重ー73kg
ポジションーMF
利き足ー右足
アダム・ララーナはセントオールバンズ生まれのイングランド人ですが、祖父がスペイン人のためクォーターハーフとなっています。
サッカーキャリアのスタートはイングランド南部のボーンマス。その後同じく南部のサウサンプトンのユースチームに移籍しました。
トップチームに昇格したのは2006年シーズン。しかしこの時のサウサンプトンは2部相当のチャンピオンシップに降格しており、余裕があまりなくララーナも1年目に1試合、2年目に8試合の出場(レンタル先のボーンマス含む)に止まるなどあまり出場機会を得られていませんでした。
3年目にはスタメンに定着しますが、今度はサウサンプトンが経営会社の倒産によって3部相当のフットボールリーグに降格。
しかしそれでもチームを離れなかったララーナは2012-2013年シーズンからサウサンプトンと共にプレミアリーグの舞台にカムバックします。
2014年からはステップアップしてリヴァプールFCに移籍。これまでイングランドのプロリーグで326試合に出場65ゴールを決めています。
クラブでは若い頃から恵まれてたとは言い難いキャリアですが、イングランド代表ではU-18の頃からコンスタントに招集されています。
・2部と3部にいた頃のサウサンプトンで頭角を現す
・2012年からリヴァプールに所属
・イングランド代表はU-18の頃から常連
アダム・ララーナのプレースタイルは?
テクニックとプレービジョンに優れるMF
ララーナのポジションはトップ下やインサイドハーフ、サイドハーフなど多岐に渡ります。基本的に中盤のポジションはどこでもこなせると考えていいでしょう。火急ならばセンターフォワードやウイングをやることもあります。
イングランドのMFはフィジカルを前面に押し出してプレーする選手が多いですが、ララーナはスペイン人の血が入っているという事実が示すようにボールタッチがとても柔らかく、ソリッドなアイデアとビジョンを攻撃に加えることができる選手です。
右利きですが両足でボールを扱え、シュートやパスなどキックがとても正確です。
また視野が広く、かつボールが落ちるポイントと選手が動くスペースの先を一瞬早く予測できるサッカービジョンが非常に優秀でありラストパス、他の選手とのコンビネーションで崩すパス、長い距離のサイドチェンジなどパスセンスにも才能を見せます。
リヴァプールの試合ではララーナがこぼれ球を拾って決めたり後方からペナルティボックスに侵入してきて豪快に決めるゴールをよく見ますが、これも未来を予測できるビジョンセンスの成せる技だと思いますね。
1試合に13km以上を記録するスタミナと献身性
同じようにイングランド代表のロス・バークリーもララーナ以上に柔らかいボールタッチに特徴がある選手ですが、ララーナはバークリーと違った武器を持っています。
バークリーのプレースタイルはこちらも参考に→ロス・バークリーのプレースタイルは?イングランドでは珍しいテクニシャン系
それは「走力」、スタミナです。
ララーナはテクニック系ミッドフィルダーでありながらプレミアリーグでもトップクラスに「走り回る」タイプの選手でもあり、2016-2017シーズンの試合ではなんと1試合に13km以上の走行距離を記録するなど並外れたスタミナと献身性を持っているのです。
Adam Lallana , this guy is a Machine , ran like 13Km again today.
Gosh!!— Sushant Chandekar (@sushantchandekr) 2016年9月16日
身長は172cmと低いですがボールを失った時のプレスも積極的で守備能力は低くありません。これが「ゲーゲンプレス」を標榜するユルゲン・クロップ監督がララーナを重用している理由の一つになっています。
基本的にはインサイドハーフやトップ下でプレーする事が多いですが、この運動量と上述したような発達したサッカービジョンがあるため中と外、敵陣と自陣を行ったり来たりしながら積極的にボールに関わっていくプレーが多く、リヴァプールの戦術において欠かせない選手になっています。
下にララーナのプレー動画をシェアします。背番号は「20」です。
総じてイングランド的MFのダイナミズムとスペイン系のテクニック、ビジョンを併せ持った選手だと言えますね。
序盤は怪我でちょっと離脱しそうですが、2017-2018シーズンのリヴァプールはララーナの活躍に掛かっているでしょう。
・テクニックとパスセンス、ビジョンに優れるMF
・中盤ならどこでもできるユーティリティ
・テクニックのわりに走り回って守備もするタイプ