ウクライナ代表は定期的にクオリティの高いアタッカーが出現することで有名です。
東欧の国というのは西欧とも、南米とも違う独特のプレーリズムを持った選手が多く、フィジカルのみならずテクニックに優れた選手を多数各国リーグに輸出しています。
そんなウクライナ代表の中でもドイツ・ブンデスリーガのシャルケに所属するイェウヘン・コノプリャンカは一時期リバプールなどのビッグクラブが注目していた逸材ドリブラーですね。
今回はサイドから得点、アシストにダイレクトに絡むことができるコノプリャンカのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
イェウヘン・コノプリャンカのプロフィール
名前ーイェウヘン・オレーホヴィチ・コノプリャンカ(Yevhen Olehovych Konoplyanka)
国籍ーウクライナ
出身地ーキロヴォフラード
生年月日ー1989年9月29日
身長ー177cm
体重ー76kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
東欧選手の例によって名前は非常に読みにくく、コノプリャーンカとかコノプリアンカなど文化によって様々な読み方がありますが、この記事では「コノプリャンカ」と統一して呼称します。
コノプリャンカのサッカーキャリアのスタートはウクライナの名門クラブFCドニプロの下部組織から。
2007年に10代でウクライナ・プレミアリーグ(1部)を戦うトップチームに昇格すると、2009-2010シーズン頃から主力に定着、持ち前のドリブルでアシストとゴールを量産していきます。
この活躍によりコノプリャンカにはアーセナル、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、インテル、ローマ、レバークーゼンやヴォルフスブルグなど5大リーグの強豪から関心が多数寄せられますが2015-2016シーズンからリーガ・エスパニョーラのセビージャに移籍が決定します。
しかしスペインではプレースタイルの相違からか適応に苦しみ、かつ清武弘嗣やナスリなど新戦力の加入によってわずか1シーズンプレーしただけでブンデスリーガのFCシャルケへローン移籍に出されてしまいます。
シャルケでは水が会ったのか貴重なサイドアタッカーとして重宝され、2017年に完全移籍を果たしています。シャルケでの背番号は「11」番ですね。
・ウクライナリーグで頭角を現す
・ビッグクラブの熱い視線を浴びる
・シャルケでようやくトップリーグに順応
イェウヘン・コノプリャンカのプレースタイルは?
ブンデス随一のドリブルとカットイン
コノプリャンカの主なポジションはウイングです。右利きですが左ウイングをプレーエリアとしています。チームがウイングを置かないフォーメーションの時はサイドハーフでプレーすることになりますね。
コノプリャンカのプレースタイルで特徴的なのは「スピードと繊細なタッチを活かしたトリッキーなドリブル」、「カットインからのシュート」、「シュートレンジの広さ」といった所が挙げられます。
コノプリャンカはいわゆる「ドリブラー」に分類されるプレースタイルを持ち、サイドからボールを持って直接ゴールに絡む仕事ができる選手なのです。
そのドリブルは繊細かつクイックリー利き足である右足の外側にボールを置きつつ相手ディフェンダーの隙を見て一気の加速でラインを突破していくことができます。
ドニプロでプレーしていた時はドリブルの鋭さと俊敏性から「ウクライナのメッシ」と形容するメディアもありましたね。確かにコノプリャンカのドリブルは持ち方やリズムが独特で南米人を思わせることもあります。
ウクライナ代表はドルトムントのヤルモレンコもそうですが、ドリブルのリズムが東欧系というか独特のリズムで非常に止めにくいドリブルをしますよね。
ヤルモレンコのプレースタイルはこちらも参考に→ウクライナ代表ヤルモレンコのプレースタイルは?ドルトムント移籍決定!
ドリブルからのプレーであれば何でもできる選手ですが、コノプリャンカのプレーで最も驚異的かつ頻度が高いのが「カットイン」からのシュートです。
コノプリャンカはドリブルのスキルだけでなくシュートも上手い選手でサイドからカットインして直接本人がゴールを陥れる「ロッベンスタイル」が得意な選手なのです。なので右利きにも関わらずシュートコースを確保しやすい左サイドに置かれているのですね。
ロッベンのプレースタイルはこちらも参考に→元オランダ代表ロッベンのプレースタイルは?依然強力過ぎるカットインドリブルシュート
しかもこういったカットイン系のドリブラーはシュートレンジが狭いことも多いですが、コノプリャンカは違います。シュートパワーも持ち合わせている選手で、左ペナルティボックスの角付近から強烈なミドルシュートが打てる選手でもあります。
ドリブラーがミドルシュートも持っているというのはとても恐ろしいことで、相手にミドルもある、と思わせた時点で本命であるドリブルが通りやすくなりますよね。相手のディフェンダーがシュートの選択肢を通さないような間合いを取るとスペースができ、コノプリャンカほどのドリブルエキスパートなら簡単に相手を交わし去ることができるからです。
コノプリャンカの技術を考えればボール1個分でも空けば簡単にドリブルが通るでしょう。
守備はいまいち?
ドリブルで相手のブロックを崩すことができ、スピードもあってミドルシュートも打てる・・・とコノプリャンカはウインガーとして非常に完成度の高い選手です。しかしビッグクラブが獲得に踏み切れないのには理由もあります。
それは「守備」です。コノプリャンカは守備があまり上手なタイプではなく、貢献度も低いです。
現代サッカーではウイングの選手にもタフな守備が求められるチームが多いので、守備で貢献度が低い選手というのはどうしても起用できるシーンが限られてきます。
もちろんウイングの選手に守備を求めないチームもあるにはありますが、そういったクラブは少ないですよね。コノプリャンカがもうワンランク上の選手になるのには守備に対する姿勢の改善は必須でしょう。
とはいえドリブルを起点としたプレーは間違いなくワールドクラスのセンスを持っている選手なので今後のステップアップ及びレベルアップに期待したいですね。
・トリッキーでクイックリーなドリブル技術
・ミドルシュートも持っている
・守備は改善の余地あり