プロ野球のFA宣言とは?取得できる年数条件や伴う補償制度などルールを解説!

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プロ野球のシーズンが終わってすぐに話題になる選手の「FA移籍」。

会見で涙を流す選手がいたり、「FA宣言」によってファンからブーイングが出たりと何かと紙面を騒がせますよね。

ではこの「FA宣言」や「FA移籍」といったものは一体どんなルールになっているのでしょうか?

今回はプロ野球のFAについてのまとめや権利を取得するまでの条件などを見ていきたいと思います。

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プロ野球におけるFA(フリーエージェント)とは?

FA権の取得条件は?

日本のプロ野球におけるFAとはフリーエージェントの略称で、その名前の通り自らの意思で自由に移籍が可能になった選手のことです。

日本のプロ野球ではサッカーのように自由に移籍できるということはなく、一旦「ドラフト会議」で当該チームに指名されて入団した場合は決められた期間を過ぎるまで(FA権を取得するまで)トレードや解雇、海外に行く場合はポスティングといったシステムを利用しなければ他チームに移籍することはできません。

ドラフト会議のシステムについてはこちらも参考に→プロ野球ドラフト会議のルールとは?指名順はどうやって決めているのか解説

日本のプロ野球選手がFA権を得るまでの条件ですが、FA権にも国内球団に移籍する権利を得る「国内FA」と海外球団及び国内球団両方への移籍権利を得る「海外FA」の2種類に分かれています。

FA権取得までの条件は「一軍の出場登録145日を1年」と換算した上で

国内FAの場合は8年経過

海外FAの場合は9年経過

した時点でそれぞれFAとなる権利を得ます。なお、シーズン中に選手登録期間が145日に満たないシーズンがあった場合でも他のシーズンと合算で算出されます。

例えばとある年の1軍登録日数が50日、翌年が95日だったとしても合わせて「1年」に計算されるわけですね。毎年145日登録されていなくても大丈夫という事です。ちなみに1年で145日以上は増えずノーカウントになります。

選手の誕生日にもよりますが日本のプロ野球球団に入団した場合、高卒だと26歳付近まで自らの意思で移籍する事はできないということにもなりますね。

FA取得には特例措置もあり

さらにFA取得までの期間には特例措置もあります。

それは野球選手につきものである「怪我をした場合」です。

野球選手がグラウンド上で怪我をしてそれが認められた場合、最大60日の日数補填があります。

ただしこの怪我は練習中の怪我でも認められますが、前年に上記の「145日」一軍に登録されている必要があります。つまり毎年のように怪我を繰り返してフルで一軍登録ができない選手にはこの補填は適用されないということですね。あくまで突発的な怪我のみに適用される制度です。

もちろんあくまで「グラウンド上の怪我」なので選手自身が運転する車で事故を起こした場合などの怪我にはこの補填は適用されません。

FA宣言の期間はいつまで?

選手が取得したFA権はそのシーズンの日本シリーズが終了した翌日から土日祝日を除く7日以内に選手が文書で申請を行い、認められればNPBから「フリーエージェント宣言選手」として公示され、他球団との交渉が可能になります。

なお取得したFA権を使わずに球団に残留する事ももちろん可能です。その場合は翌年にまた使えることになりますね。

またFA宣言したにも関わらず条件面で折り合いがつかなかったり、引き取り手がなかった場合はチームさえ認めれば残留できますがFA権自体は行使したとみなされ、次に取得できるのは「4年後」となります(海外FA権扱い)。

POINT

・国内FA取得までは8年と長い

・怪我をした場合は条件を満たせば日数の補填がある

・FA宣言可能期間が日本シリーズ終了の翌日から土日祝除く7日間

FA移籍に関わる「補償」制度とは?

FAには補償がある!?

上記に紹介したようにある程度の期間所属するチームで一軍登録されていた選手は自らの意思で移籍できるFA権利を得ます。

しかし単純に「FA権利を得て行きたい球団も決まったから無条件で移籍ね」とはなりません。

FA権は自由な権利とはいえ、選手のランクによって移籍先の球団と現所属の球団とで「補償」のセッションがあります。

金銭補償とは?

まずは金銭補償を紹介しましょう。

プロ野球選手はその球団における年棒に応じて「ランク」が設定されています。年棒額が1位~3位の選手はAランク、4位~10位の選手はBランク、11位以下はCランクといった具合ですね。

このAランク及び、Bランクの選手がFAで移籍する場合は、移籍先の球団が前所属球団に金銭を支払う必要性があるのです。

後述する人的補償なしの場合

Aランクなら年棒の80%

Bランクなら年棒の60%

を移籍先の球団が当該選手の前所属チームに支払う必要があります。

例えば2017年にFA権を取得した日本ハムの中田翔(Aランク)が2017年にFA移籍すると仮定した場合、中田の推定年棒は2億8千万円であるため獲得する球団が金銭補償のみを求めるなら2億2千400万円を日本ハムに支払わなければならないことになります。

人的補償とは?

また上記のAランクとBランクの選手をFAで獲得する場合金銭補償以外にも当該選手の前所属球団が移籍先の球団に対して「人的補償」を求めることができます。

人的補償は読んで字のごとく所属している選手(下記するプロテクト外の選手)を獲得できる制度になります。

Aランク選手の場合はプロテクト外の選手一人+50%の金銭

Bランク選手の場合はプロテクト外の選手一人+40%の金銭となります。

選手を一人獲得できる代わりに金額は金銭補償のみより下がっていますね。

ここで「じゃあ移籍前の球団はFAと引き換えに有力選手を獲得できるじゃないか!」と思いますが、この人的補償は誰でも指定できるわけではありません。

人的補償を求められた場合、移籍先の球団は「プロテクトリスト」という名簿を提出します。プロテクトリストには「指定した28名の選手、外国人選手、直前のドラフトで獲得した新人選手」の名前が記載されており、これらの選手は人的補償で指定できない決まりになっています。

つまり有力選手は球団が真っ先にプロテクトリストに入れるので人的補償で獲得できる機会はほとんどありません。

所属選手のFA宣言を認めた移籍前の球団はFA移籍の際に相手球団プロテクトの28名に入るか入らないかギリギリのラインにいる選手獲得の可能性を見極めた上で交渉する必要があるということですね。この人的補償もFA移籍の際の駆け引きには重要になってきます。

FA選手の前所属球団は「人的補償なしで金銭補償のみ」か「人的補償と金銭補償」のどちらかを選んで相手先球団と話し合いをすることになります。

なお、年棒額がチーム内11位以下であるCランク選手のFA移籍は金銭補償も人的補償もなしで行えます。

これらの金銭交渉と補償交渉を来シーズンまでに行うのがFA制度のルールになります。FA宣言をしてから翌年の1月10日を過ぎると球団は選手に「保留金」を払わなければならないですし、それでも移籍先が決まらなければ自由契約にされてしまいますので多くはFA後年内に移籍先が決まるパターンが多いです。

POINT

・選手のランクによって金銭と他選手で補償の必要がある

・金銭補償は選手を出さなくてもいいが金額は高い

・人的補償は金額が安い代わりにプロテクト外選手を一人獲得できる

FA制度には問題点もあるが興味深いイベント

FAは選手が宣言するとわりと反感を買いやすいです。育てた球団への恩義云々でファンからの感情も悪くなることがありますね。

落合博満氏が言うように基準を満たせば宣言せずとも自動的にFAになり、移籍するなら他球団と交渉、残留したいのであれば改めて球団と契約延長交渉をするというスタイルにすれば選手が謂れのない批判を受けることも減るかと思いますが、日本のプロ野球球団は既得権益を保持したがる傾向にあり現状実現は難しそうです。

しかしそうは言ってもFAに関連する移籍騒動は毎年話題になるプロ野球の一大イベントでもあるので楽しみではあります。選手の会見なんかも贔屓球団でなくても見てしまいますよね。

2017年は日本ハムの4番中田翔や西武のアンダースロー牧田和久などがFA権を行使する可能性があるということでまた盛り上がりそうですがどうなるでしょうか。

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