プロ野球ドラフト会議のルールとは?指名順はどうやって決めているのか解説

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毎年日本シリーズの直前に行われ、悲喜こもごも様々なドラマを引き起こすプロ野球ドラフト会議。

新人加入選手を球団毎に指名していき競合した場合くじ引きで決めるというこのドラフトは、上手くいけば将来の大スターを獲得できるチャンスであり引いては球団の未来を決めることにも繋がるためプロ野球のイベントの中でも特に盛り上がるイベントとなっています。

ドラフト会議は毎年テレビで中継されますが、しかし意外と指名順の決め方などルールを知らないという方も多いのではないでしょうか?

今回はそんなドラフト会議の指名順やくじ引きなどルールを紹介していきたいと思います。

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プロ野球ドラフト会議とは?

プロ野球ドラフト会議は戦力の均衡と給与の高騰を避けるため1965年から行われている新人選手獲得のための会議で正式名称を「新人選手選択会議」と言います。

対象の選手は中学、高校及び大学を日本で過ごした経験がありなおかつ翌年3月に卒業見込み(大学は4年間在籍)、もしくは社会人野球、独立リーグ、海外リーグ所属である選手を指名できます。

2017年度は大学進学も噂された清宮幸太郎がプロ志望届を提出して話題になりましたが、ドラフト会議で指名されたいならこのプロ志望届を必ず提出する必要があります。プロ志望届を提出していないと進学もしくは就職とみなされ指名すらされないというわけですね。

ちなみにドラフト会議で指名に成功した選手はあくまで「交渉権を得る」というだけで、その後の話し合いで双方の折り合いがつかない場合は該当選手が入団しない可能性もあります。

ドラフトによるプロ入りのタイミングについてはこちらも参考に→高卒大卒社会人ドラフト。野球におけるプロ入り時期のメリットデメリットとは?

POINT

・日本の学校に所属した経験がある選手が対象

・ドラフト指名を受ける場合「プロ志望届」提出が必須

ドラフト会議の指名順はどうやって決めているの?

ドラフト指名の手順と順番の決め方

1巡目

このドラフト会議はまず12球団が「1位に指名したい選手」を同時に発表します。ここで有力選手が被った場合「くじ引き」となりくじに当たった球団が選手との獲得交渉権を獲得します。

被らなかった場合は「単独指名」と言って無条件に交渉権を獲得する事ができますね。運に左右されないため、競合しがちな人気選手をあえて避け確実に単独指名ができそうな選手にターゲットを切り替えるなど球団によって戦略は様々あり、その駆け引きも見どころではあります。

その後単独指名に成功した球団とくじに当たった球団以外の球団で新たに選手を指名、単独なら交渉権獲得、被ったら同じようにくじで決めます。これを「外れ1位」の選手と言いますね。外れと言うとなんだかよくない響きに聞こえますが、要は第二第三志望なので球団の評価は高いと言えます。この過程を全球団指名が終わるまで続け、これを1巡目とします。

・2巡目

全ての球団の1位指名が決まったら今度は2巡目に移ります。

2巡目は入札式の1巡目と違い「ウェーバー制」という制度が用いられています。

日本のプロ野球ドラフト会議におけるウェーバー制はその年のシーズン順位最下位から順番に選手を指名していき、指名すればその順番と球団で確定なのでくじ引きなどはありません。

なぜ最下位のチームが優先なのか?という理由はドラフト会議の主な目的である「戦力の均衡」という目的があるためですね。

ちなみに最下位といってもプロ野球にはセ・リーグとパ・リーグ2つのリーグがありますが、現在はその年のセ・パ交流戦で勝ち越したリーグの方が先に指名できます。以前はオールスターの勝利リーグで順番が決まっていましたが交流戦ができてからは交流戦が基準になっていますね。

オールスターの価値低下についてはこちらの記事も参考に→野球のオールスターはメリットが薄い?意味と価値が低下している理由は?

つまり2017年で言うと2巡目はパ6位ロッテ→セ6位ヤクルト→パ5位日本ハム→セ5位中日→パ4位オリックス→セ4位巨人→パ3位楽天→セ3位横浜DeNA→パ2位西武→セ2位阪神→パ1位ソフトバンク→セ1位広島、という順番で指名が確定していくことになります。

・3巡目

2巡目の全球団指名が終われば3巡目に突入します。3巡目も2巡目と同じく順番で選択していきくじ引きなどは行われません。

3巡目の順番は「逆ウェーバー制」を用い2巡目とは順番が逆、つまりシーズン順位の高い球団から指名をします。

・4巡目以降

4巡目は2巡目と同じく「ウェーバー制」で選択を行い、5巡目は「逆ウェーバー制」・・・というようにこれ以降はウェーバー制と逆ウェーバー制を交互に繰り返して指名を行います。

ドラフト会議はいつ終わる?

プロ野球ドラフト会議は上記の手順を繰り返して進行していきますが、終了条件はどうなっているのでしょうか。

ドラフト会議の終了条件は「全球団が選択終了宣言をする」か「全球団合わせて120人が選択」されれば終了となります。

仮に全12球団が10人の選手を指名したとするならばそこでドラフトは終了というわけですね。ただ球団によっては10人選択せずに終了宣言をすることがあり、その場合他球団は120人に達するまで10人を超えて選手を指名することが可能です。

もし全球団の指名が120人に満たない状態で全球団指名終了宣言をした場合はその後育成選手を獲得する「育成ドラフト」が行われます。2次ドラフトとも呼ばれますね。育成ドラフトは1巡目がウェーバー制、2巡目が逆ウェーバー制とこれを繰り返して120人に達するまで指名を行うことができます。

POINT

・1巡目は全球団同時指名で被ったらくじ引きで全球団1位が決まるまで繰り返す

・2巡目はくじ引き無し、シーズン順位の低い球団から順番に指名が確定する

・育成選手も含めて120人に到達したらドラフトは終了

ドラフト会議は問題もあるが盛り上がる一大イベント

ドラフトには指名拒否の際のペナルティなど「人権(職業選択の自由)の侵害じゃないの?」と言いたくなる問題点も存在しますが、球団の未来を左右する一大イベントであるのも事実です。

2017年は清宮幸太郎がドラフトの目玉でおそらく競合となるでしょう。どの球団が引き当てるか今から非常に楽しみですね。