およそ8年間在籍し、数々のタイトルを獲得したバルセロナを去って2016年にイタリアセリエAのユベントスに移籍したブラジル代表のダニエウ・アウベス。
まるでサッカー観の異なるスペインからイタリアへの移籍でしたが初年度からスタメンに定着、セリエA6連覇と欧州チャンピオンズリーグ決勝進出に貢献しています。
今回はそんな右サイドバック、ダニエウ・アウベスのプレースタイルやバルセロナを離れた理由などを見ていきたいと思います。
ダニエウ・アウベスのプロフィール
ダウエウ・アウベスのプロフィール
名前ーダニエウ・アウベス・ダ・シウヴァ(Daniel Alves da Silva)
国籍ーブラジル、スペイン(代表はブラジル)
出身地ージュアゼイロ
生年月日ー1983年5月6日
身長ー172cm
体重ー70kg
ポジションーDF、MF
利き足ー右足
ダニエウ・アウベスはブラジル北東部バイーア州にあるジュアゼイロという街で生まれました。
少年時代は地元のジュアゼイロSCでプレーし、後にブラジル全国選手権トップカテゴリー常連のバイーアECに移り、18歳でプロリーグデビューを果たします。
若くから才能を見せ、U-17世代から各年代のブラジル代表に選ばれていたためヨーロッパのクラブから多数のスカウトを受けて2003年にスペインリーガエスパニョーラのセビージャに移籍します。
セビージャではそのシーズンで最多アシスト数を記録するなどして活躍、2008年にサイドバックとしては当時最高額となる移籍金でバルセロナに移籍、スタメンに定着します。バルセロナでもリーガを6回、チャンピオンズリーグを3回制覇するなど一時代を築きますが・・・
2016年にはフリーエージェントとしてイタリア・セリエAのユヴェントスに移籍する事となるのです。
アウベスがバルセロナを去った理由は?
アウベスはカンテラ出身ではありませんがバルセロナでの在籍期間は8年と長く、その存在感はメッシやイニエスタと並んでチームの顔と呼べるほどになっていました。
そんなアウベスが2016年、バルセロナを去る決断をしたのにはどういった理由があったのでしょうか?
アウベスは二つ理由を挙げています。
まず一つは「バルセロナの対応が不誠実だったこと(アウベス談)」。
アウベスの契約満了が近づき移籍の噂が増えた時に、クラブ側が自分と面談の機会も設けず何も言ってこなかったことに対して「僕への敬意に欠いている」と憤っていたようです。つまり全く引き留められなかったことに失望を覚えているということだと思います。
さらに契約延長のオファーをやっと出されたのが2015年にバルセロナが未成年者の選手獲得について違反があり、新規選手の登録を1年間禁止にされた後だったこともアウベスの不信感を募らせる一因になったでしょう。
バルセロナはこの罰則がなければアウベスに契約延長オファーは出していなかったでしょうからね。クラブもビジネスだから仕方ないかもしれませんが、功労者であるアウベスはもっと慎重に扱うべきだったかもしれません。
このバルセロナの現金な態度に「愛を示してくれないなら私は去る」とインタビューではっきり言っていました。
ちなみにこのバルセロナへの罰則の被害をモロに受けたのは久保建英です。そちらの記事もご参考下さい→久保建英がバルセロナから日本に移籍した理由は?将来は復帰濃厚!
そしてもう一つの理由も挙げていて、アウベスは「快適な環境を捨て、新しい挑戦をするべき時だ」「栄光の上にあぐらをかきたくなかった」と語っています。
つまりバルセロナとは違う環境で新鮮な刺激が欲しかったのでしょう。確かにいくらバルセロナが強くて上手いチームでも、同じことを何年もやってたら飽きても仕方ないことです。34歳というベテランなのにこうやって貪欲に新しい挑戦がしたいと思えるのは素晴らしいことだと思いますね。
そういう意味ではスペインと違うサッカー文化を持つイタリアを新天地に選んだのは納得できる理由です。
ダニエウ・アウベスのプレースタイル
ダニエウ・アウベスは優秀な選手が多い「ブラジル人右サイドバック」の系譜を継いでいる選手と言えるでしょう。
バルセロナで長年プレーしていた事実が示しているようにプレースタイルは非常に攻撃的で足元の技術はサイドバックとして現役最高クラス。さらにコンビネーションプレーが得意で周囲の選手とパスを繋ぎながら攻める事が多いです。
トラップも柔らかく、ワンタッチで次のプレーがしやすい所にボールを確実に落としますね。
バルセロナ所属の時は右サイドでコンビを組むリオネル・メッシと二人であっという間にゴールを奪ってしまうシーンも良く見ました。サイドバックというと猪突猛進なスピードタイプが多いですが、アウベスはそういった選手とは全く異質のプレースタイルだと言えるでしょう。
サイドバックの仕事として重要な「クロスボール」も言うまでもなく質が高いですね。精度があるだけでなく状況に応じてアウトサイドで放り込むプレーもよく見ます。アウベスのようにドリブル技術の高い選手にアウトサイドでクロスを上げられてはDFは対処しきれません。
それとサイドバックにとって重要な選択肢の一つとなるミドルシュート。サイドバックがミドルを打つのはコーナーの跳ね返りなどに見られますが、正直あまり期待できない選手が多いですよね。しかしアウベスは簡単そうにゴールに突き刺します。
これがあると相手DFは右サイドバックであるアウベスにもより注意を向けないといけないので他の選手が楽になりますよね。
総じて前線の選手を効果的にサポートできる超攻撃型サイドバックだと表現していいと思います。
またDFながら身長は172cmと小柄で守備には不利なように見えますが、運動量が豊富かつ縦の空間認識能力が高く、相手との距離を詰めるかあえてスペースを空けるかの判断が適確です。相手の左サイドに攻め上がるスキをそもそも与えない守備ができる選手と言えるでしょう。
ユベントス移籍当初はバルセロナと同じように足技を多用してプレーしていましたが、セリエAではあまり効果的ではなく取られた時のリスクが高すぎると本人も悟ったので現在では派手なテクは控えめになっています。(あくまでバルセロナの時との比較)
アウベスはすでに34歳ですがそのプレーにはますます円熟味が増し、ユベントスに移籍してから守備面でも進化しているように見えますね。まだ数年はプレーを楽しめると思います。