近年続いていた不振から徐々に調子を取り戻しつつあるインテル・ナツィオナーレ。
監督がルチアーノ・スパレッティに代わってから選手の入れ替えがありましたが、その中で現在右サイドバックとしてポジションに定着しているのがポルトガル代表のジョアン・カンセロです。
今回は現代型の攻撃的サイドバック、カンセロのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ジョアン・カンセロのプロフィール
名前ージョアン・ペドロ・カヴァコ・カンセロ(João Pedro Cavaco Cancelo)
国籍ーポルトガル
出身地ーバレイロ
生年月日ー1994年5月27日
身長ー182cm
体重ー74kg
ポジションーDF、MF、FW
利き足ー右足
カンセロの本格的なサッカーキャリアのスタートはポルトガルの首都リスボンに本拠地を置く名門・ベンフィカの下部組織から始まります。
2013-2014シーズンにトップチームデビューを飾ると2014-2015シーズンは修行のためリーガエスパニョーラのバレンシアにローン移籍で出場機会を求めます。
ここでのプレーが気に入られたカンセロは2015年にバレンシア完全移籍で獲得され、以後主力としてプレー。
複数のビッグクラブから関心を示されましたが、2017-2018シーズンからはセリエAのインテル・ナツィオナーレにローンという形で移籍、当初はセリエA独特の戦術に戸惑って出場機会が中々得られない状況が続きましたが、徐々にフィットして現在では主力となっています。
※追記 2018年 ユベントスへの移籍が決定
またポルトガル代表では年代別の代表でそれぞれ招集を受け、A代表にも選出されていますね。
・ベンフィカでプロデビュー
・バレンシアでも活躍
・ローンでインテル→ユベントスに移籍
ジョアン・カンセロのプレースタイルは?
足元の技術が高い現代的サイドバック
カンセロの主なポジションはサイドバックです。右利きのため基本的には右サイドバックが主戦場ですが左もできますし、サイドハーフ、ウイングなどで起用されることも多く、サイドならどこでもプレーができる選手です。
カンセロのプレースタイルで特徴的なのは「繊細な足元のテクニック」、「スピードを活かしたドリブル」、「クロスボールの質と回数」が挙げられます。
カンセロはウイングやサイドハーフで起用されることがあるという事実が示す通り、サイドバックとしては非常にテクニックに長け、攻撃的なプレースタイルを持っているタイプの選手です。
足元のボールコントールはタッチがとても柔らかく、パス技術にも長けているため周囲とのコンビネーションも良好でビルドアップからインテルの攻撃に参加しゲームに関わっていけますね。
現代サッカーは中央に選手が密集している事が多く、ミッドフィルダーにスペースがないこともしばしばです。
したがってゲームを組み立てるビルドアップのプレーはスペースの多いサイドバックにその役割が回ってくることも多くなっていますね。
このカンセロは上記の通り足元の技術が優れているのでビルドアップに大きく貢献できています。
カンセロがバレンシアでプレーしていた頃、バルセロナが獲得を画策していたという噂も納得のテクニックだと言えるでしょう。
バルセロナはダニエウ・アウベスが抜けてから右サイドバックの人員確保に悩んでいますので、アウベスのように足元の上手くビルドアップから貢献できるカンセロに白羽の矢が立ったのは当然だと思います。
ダニエウ・アウベスのプレースタイルはこちらも参考に→ダニエウ・アウベスのプレースタイルは?バルセロナから移籍した理由も
攻撃的サイドバックで必須なスピードとクロスも〇
上記のようにカンセロは現代サッカーにおいて重要性を増すビルドアップに関われるテクニックを持っている選手ですが、従来の攻撃型サイドバックとして重要なスピードとクロスボールに関してももちろんプレースタイルのレパートリーには入っています。
スピードは長い距離のラン及び裏に抜ける一瞬のスピードも両方クオリティが高く、カウンターでもポゼッションでもスピードを活かせます。
クロスボールも質が高いですね。特にアーリークロス気味に相手ゴールキーパーとディフェンスラインの間に出すクロスボールの質と回数の多さが注目ポイントです。
アーリークロスを決めるにはボールが完璧に収まる強力なフォワードの存在が必要ですが、インテルにはイカルディという優秀なストライカーがいるためカンセロのアーリークロスセンスとの相性がよく、有力な攻撃パターンとなっています。
またインテルにはイタリア代表のカンドレーヴァという選手がいますよね。以前のインテルはこのカンドレーヴァが外に張ってクロスボールなどを上げる機会が多かったのですが、スピードと高いクロスの質を持つカンセロがアウトサイドに加入したことによってカンドレーヴァが中でプレーできる機会が増え、いい相乗効果になっているという印象です。
インテル移籍直後は守備に難があり、出場機会は多くなかったカンセロですが守備の国イタリアでプレーを続けるに連れカンセロの守備スキルは徐々に向上しています。サイドバックとしての純度が増していっていると言ってもいいでしょう。
ポルトガル代表にはサウサンプトンのセドリックやバルセロナのセメドなどサイドバックの位置に優秀な選手が多いですが、ビルドアップから攻撃に関わっていく事ができ左右のポジションをこなせるカンセロは貴重な存在だと思います。
財政状態を考えるとインテルに買い取られるかどうかは不透明なものの、ロシアワールドカップメンバー入りも期待できるので引き続きカンセロのプレーには注目していきたいですね。
※追記 2018年ユベントスに移籍が決定しました。
・ビルドアップに参加できるタイプのSB
・ハーフやウイングでもプレーできる攻撃性能
・アーリー気味のクロスも素晴らしい