5月14日に行われた東京G1ヴィクトリアマイルは単勝1.9倍の圧倒的人気ミッキークイーンが着外に敗れ、オープンに上がって2戦目のアドマイヤリードが勝ちました。
2番人気ルージュバック、3番人気レッツゴードンキも着外に敗れ3連単の配当は90万円を超えるなど波乱の結果となりました。
圧倒的人気のミッキークイーンはなぜ敗れてしまったのでしょうか?レースの展開と共に振り返っていきましょう。
ヴィクトリアマイル回顧。雨上がりの東京でスロー
前日の雨の影響が残る東京競馬場の馬場状態は稍重。
しかし当日は晴れていて徐々に馬場が乾いていましたね。東京競馬場は馬場が重いと外が伸びますが、雨上がりで馬場が乾きだすと途端に内側が有利になり始めます。その天候による馬場状態の移り変わりが激しいため雨降りの東京は難しいとされます。
レース展開はスプリント戦線で活躍してきたソルヴェイグが絶好のスタートを切りハナを主張します。アスカビレンや内目だった武豊スマートレイアーも先行。その直後にレッツゴードンキが掛かり気味に行ってジュールポレールや今日はスタートが良かったミッキークイーンもここ。
クイーンズリング、デンコウアンジュ、アドマイヤリードは中団くらいからレースを進めていました。
ソルヴェイグが引っ張ったラップは
12.6 – 11.2 – 11.8 – 12.3 – 12.2 – 11.1 – 10.8 – 11.9で前半4F47.9、後半46.0とかなりのスローで直線での末脚比べとなりました。
元々確たる先行馬が不在だったのでスローになるとは言われていましたが、ソルヴェイグのスタートが良すぎたこともあって早めに隊列が落ち着いてしまいこのスローになったと思われます。
上がり3Fは1着アドマイヤリードが33.4、2着デンコウアンジュが33.2、3着ジュールポレールが33.6、7着だったミッキークイーンは33.8でした。
逃げて4着に粘ったソルヴェイグの上がりが34.1なので後方に控えていた馬には比較的厳しい流れ。
アドマイヤリードは中団でしたがルメールが内でじっとして上手くレースを運びましたね。
デンコウアンジュはメジャーエンブレムに勝ったアルテミスSがそうだったように広い競馬場でこういう流れは得意な馬でした。
デンコウアンジュは外から追い込んできましたが、基本的に上位は馬場の内目三分所あたりを通ってきた馬たち。馬場読みという意味で雨上がり東京競馬場の難しさが出た一戦でしたね。
ミッキークイーンの敗因は?
後ろの馬には比較的厳しい流れだったことは間違いないですが同じような位置にいたデンコウアンジュにも完敗してしまったミッキークイーン。
G12勝、有馬記念5着という実績と力を考えれば7着という結果は負けすぎですよね。原因としてはスムーズにいかなった事。これに尽きるのではないかと思います。
ミッキークイーンはスローでも33秒台の足を何度か使っている馬ですが、加速させるまでそこそこ時間の掛かる馬です。この馬の勝つ時はいつも早めに手が動いていますよね。
しかし今回のヴィクトリアマイルは位置取りこそ悪くなかったものの4コーナー手間で前方にいたレッツゴードンキに進路を消され、さらに外にいたデンコウアンジュにもきつめに閉められていました。ミッキークイーンは4コーナーでカニ走りのように横に飛んでいましたからね・・・
この若干強引な進路取りが影響したのかミッキークイーンは坂の中間地点でも足を伸ばすのに手間取り、足色の良かったデンコウアンジュに再度外から被されて終わり。
今までペースが遅くても勝っているのでスローだからダメというわけではないですが、今回はこの馬の弱点である加速までに少し時間が掛かる所が出てしまったかなという印象です。いくら直線の長い東京と言えど今日の流れでは加速の遅い馬がスムーズに回ってこれないと厳しいですよね。岩田騎手と蛯名騎手のマークも上手かったと思います。
この一戦で見限る事はできないですが今後もスムーズに加速できない状況になると大きく負けてしまうこともあるかもしれません。