2017-2018シーズンのトッテナム・ホットスパーは非常に好調です。第9節でリヴァプールを4-1で破り4連勝を飾るなど最終的に上位争いに残り続けそうですよね。
トッテナムにはハリー・ケインやアリ、エリクセンなど攻撃に優秀な選手が多数在籍していますが、その攻撃陣をバックから支えているのがトッテナムでも不動のセンターバックであるベルギー代表のヤン・フェルトンゲンです。
守備のみならず積極的な攻め上がりで攻撃にも参加しチャンスメイクに関わっていますよね。
今回はそんなヤン・フェルトンゲンのプレースタイルを見ていきたいと思います。
ヤン・フェルトンゲンのプロフィール
名前ーヤン・ベルト・リーフェ・フェルトンゲン(Jan Bert Lieve Vertonghen)
国籍ーベルギー
出身地ーシント=ニクラース
生年月日ー1987年4月24日
身長ー189cm
体重ー79kg
ポジションーDF
利き足ー左足
ヤン・フェルトンゲン(ヴェルトンゲンとも)はベルギー生まれのサッカー選手で、本格的なサッカーキャリアのスタートは隣国であり若手育成に定評のあるオランダのアヤックス・アムステルダムの下部組織から始まります。
フェルトンゲンは2006-2007シーズンにトップチーム昇格を果たし、リーグ戦3試合に出場しますが経験を積むため同じエールディヴィジのRKCヴァールヴァイクにレンタル移籍で修行することになります。
そしてフェルトンゲンは2007ー2008シーズンにアヤックスに復帰すると怪我に悩まされながらもコンスタントに出場機会を得てその後5シーズンを主力の一角として過ごすことになります。
この結果を持って2012-2013シーズンからイングランドプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへの移籍が決まり、こちらも初年度から安定的に出場機会を得てトッテナムには欠かせない存在となっています。
・アヤックスでデビュー
・長い間アヤックスの主力として貢献
・トッテナムでも欠かせない守備の柱
ヤン・フェルトンゲンのプレースタイルは?
プレミアトップクラスの対人守備能力
フェルトンゲンは主にセンターバックを務める選手です。しかしトッテナムやベルギー代表のチーム状況によっては左サイドバックで起用されることもあります。
フェルトンゲンのプレースタイルで特徴的なのは「対人守備の強さ」と「攻撃センス」です。
まず守備についてですが、フェルトンゲンは人につく守備がとても得意です。フィジカルも強いですしスピードもそこそこ、何より相手のアタッカーに対してガツンと強いインテンシティでマークに行けるのが魅力ですね。空中戦も非常に強いです。
カードを受ける事もありますが、いい意味でのラフさを持ち合わせている選手であり一対一のの対人守備に関してはプレミアリーグでもトップクラスと言えるでしょう。マークに行けない時は事前に回り込んで相手のプレーコースを塞ぎ、シュートブロックに専念するなど判断もいいです。
昔はトッテナムと言えば少し足りないチームの代表格でしたが、近年の躍進においてはフェルトンゲンの守備は欠かせない要素だったでしょうね。
繋ぎもできてロングキックもドリブルも上手い攻撃的DF
そしてフェルトンゲンは上記のようにプレミアトップクラスの対人守備能力を持っていますが、さらにプレースタイルで特徴的なのが「攻撃センス」です。
元々アヤックスのユース時代は守備的ミッドフィルダーをやっており、現在でもサイドバックに入る事があるという事実が示しているようにフェルトンゲンはディフェンダーとしては出色の攻撃能力を持っている選手なのです。
2011-2012シーズンのアヤックスでは公式戦10ゴール、トッテナムに移籍してからも2016-2017シーズンまでの5シーズンで合計10ゴールを挙げています。ディフェンダーとしてはかなり特殊な数字ですよね。
フェルトンゲンの得点が多い理由としてはセットプレーのキッカーを任される事もあるほどのキックの正確さに由来しているでしょう。もちろんフェルトンゲンは高さもあるし空中戦も強いので基本的には中で競る事が多いのですが、非常にロングキックが正確な選手でアタッカーにダイレクトに渡すフィードや豪快にサイドを変えるサイドチェンジが本当に上手です。当然ミドルシュートも正確で威力があります。
ベルギーではコンパニなどセンターに有力な選手が多数いるためフェルトンゲンはより攻撃的なサイドバックで起用されることがありますが、それも納得のキック精度と言えます。
コンパニのプレースタイルはこちらも参考に→ベルギー代表コンパニのプレースタイルは?統率力の高いシティのDFリーダー
そしてドリブルもディフェンダーの中では得意なタイプです。トッテナムの試合ではフェルトンゲンが後方から相手のボックス手前まで持ち上がってくることは珍しくありません。前に上がる頻度も多いですね。ダビド・ルイスまで・・・とは言いませんがセンターバックの中ではかなり攻撃的なプレースタイルを持っていると言えます。
ダビド・ルイスのプレースタイルはこちらも参考に→ブラジル代表ダビド・ルイスのプレースタイルは?コンテの元で進化!
またフェルトンゲンは繋ぎのショートパスも上手くビルドアップにも貢献できます。実際に2016-2017シーズンのプレミアリーグではシーズン合計2051本ものパスを繋いでいます。この数字はシティのダビド・シルバやリヴァプールのヘンダーソンら中盤の選手とほとんど変わらないパス回数です。
このことからもフェルトンゲンのプレースタイルとセンスはトッテナムの有機的なサッカーに欠かせない存在になっていると言えるでしょう。
ただフェルトンゲンは前にしょっちゅう出ていくので他のディフェンダーがしっかりカバーする必要はあります。以前は飛び出しのタイミングもラインのコントロールも全部フェルトンゲンがやっていてせっかくのダイナミズムが発揮できないこともありましたが、アヤックス時代の同僚で同じベルギー代表かつカバーリングの上手いトビー・アルデルヴァイレルトが加入してからは持ち前の積極性が戻ってきていますね。この二人のコンビはとても相性が良く現代サッカーでもトップクラスのセンターバックコンビだと思います。
アルデルヴァイレルトのプレースタイルはこちらも参考に→ベルギー代表アルデルヴァイレルトのプレースタイルは?トッテナム鉄壁コンビの一角
フェルトンゲンは30歳を迎えましたが、衰える気配はなくむしろさらに進化しそうな気配まであります。2018ロシアワールドカップのメンバーにも高い確率で選ばれるでしょうから楽しみですね。
・フィジカルとインテンシティが高く対人守備が得意
・セットプレーも蹴れるキックの精度
・中盤の選手にも劣らない繋ぎパスでビルドアップできる