大田泰示が復活した理由は?日本ハムの育成力と若手中心の環境か

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2016年の10月2日、そこそこ大きいニュースがNPBの移籍市場に入りました。

「読売ジャイアンツ大田泰示、公文克彦と北海道日本ハムファイターズ吉川光夫、石川慎吾がトレード」というニュースです。

巨人で活躍を期待されていた大型バッターの放出と2016年の成績は良くないまでも日本ハムへの貢献度合いが大きい吉川投手をこれまた放出すると決定した両球団の決断に驚きの声も多数上がりました。

入団当初から「未完の大器」と呼ばれ、稀にみる身体能力を持つもいまいち活躍できなかった太田選手ですが・・・新天地北海道で徐々にその才能を開花させ始めています。

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抜群の身体能力を持つ大田泰示

身長188cm、体重は95kgオーバーと恵まれた体躯を持つ太田選手は広島県に生まれ、高校進学時に神奈川県の名門東海大相模高校に進学します。

打ってはホームラン、投げては147kmのストレートを投げ、守備も上手いという持ち前の身体能力を生かして高校野球界で大暴れした太田選手の元には当然プロのスカウトが殺到。結果的にドラフトで勝ち取ったのは巨人で、背番号も松井秀喜選手の付けていた「55」番を与えられ、選手寮も松井選手や坂本勇人選手も使用した部屋を用意されるなどその期待の程がうかがえます。

巨人で苦しむも北海道で覚醒の兆しを見せる大田泰示

しかし実際にプロ野球でプレーしてみるとこれが大苦戦。その雄大な体躯を効果的に生かせず、巨人での8年間でホームランはわずか8本。一軍にも定着できず苦しい日々を過ごします。

毎年のように打撃フォームが変わるなど積極的に周囲の意見を取り入れますが効果が出るどころかパフォーマンスが不安定になる始末。当時は本人も考えすぎで迷宮で彷徨っているかのような表情をしていました。

成績を残せなった太田選手はついに巨人から放出が決定、北海道日本ハムファイターズにトレードで移籍することになりました。背番号は「33」。

リーグもセ・リーグからDH制のあるパ・リーグに変わります。トレードの内容は2対2で、巨人からは太田選手と公文投手、日本ハムからは吉川投手と石川選手が移籍することなりました。

序盤こそ怪我であまり出場できませんでしたが、4月の半ばから使われ始めると5月の時点でサヨナラヒットや4本塁打を放つなど今までとは違った大田泰示を見せ始めています。古巣東京ドームでも2ホームランを打っていますね。

巨人の時には全然できていなかった「変化球を逆方向に本塁打」もできるようになっています。これができるのは強力なスラッガーの証。また落ち着いて四球を選んだりアウトローの球をヒットにしたりこれも巨人時代からは考えられない打撃ですよね。

縮こまっていたフォームが本来の大きいフォームに戻っています。

もうこれは覚醒の兆しと言ってもいいでしょう。ついに「未完の大器」が目覚める時が来たのかもしれません。

大田泰示が日ハムで復活した理由は?環境と期待の大きさ

大砲しての期待の大きさ

上述した通り大田泰示選手は巨人と「2対2」というトレードで日本ハムにやってきたわけですが、このトレード内容には「日本ハム側不利じゃない?」という声が多数挙げられましたね。

目立った成績を残していない太田選手と、近年少し低迷していますが2ケタ勝利を記録し、パリーグMVPも受賞したことのある吉川投手とでは釣り合わないのでは?ということですね。

しかし日本ハムはどうしてもパワーのあるホームランバッターが欲しかったのです。

2017シーズンは、前シーズンに打撃でも守備でも素晴らしい活躍を見せた陽代鋼選手がFAで巨人に移籍、4番中田翔選手や大谷翔平選手、ブランドン・レアード選手も2018年シーズンは移籍してしまう可能性があります。なので今のうちにクリーンナップを打てるバッターを確保しておくことは日本ハムとしては最重要のことなのです。

守備にも期待

そして太田選手は打撃だけではなく守備にも期待されているでしょう。巨人時代に成績が出なかったおかげ?で外野やファースト、サードなど様々なポジションをこなすことができ、これも日本ハムとしては大事なポイントです。

日本ハムの栗山英樹監督はシーズン中にコロコロポジションを変更することがありますが、そんなとき太田選手の「複数ポジション」をこなせるユーティリティ性が生かされると思います。足も速いし高校時代投手として147kmをマークしたこともありますからね。

栗山監督の期待と日本ハムの育成力と若手中心の環境

今、太田選手に一番大事なのは自信を付けることでしょう。その点栗山監督は厳しいですが気にいった選手を多少成績が悪くても使い続ける傾向があり、太田選手が自信を取り戻すにはうってつけの監督だと思います。

栗山監督自身、太田選手のことを「こんな才能を持ちながら今まで活躍できなかった理由が分からない」と称しています。

日本ハムは基本的に経営判断がシビアであまり大金を必要とする選手を獲得しません。したがって選手たちの平均年齢も低く、12球団でトップクラスの若いチームとなっています。選手を育てる環境も12球団随一、問題児だったダルビッシュ有投手や中田翔選手を育て上げ、2016年に若手中心で日本シリーズを制した日本ハムの育成力は今の太田選手にとってベストと言えるでしょう。巨人はベテランの一流選手が多くて、若い選手には取っつきづらい状況だったかもしれません。

つまり今の太田選手は非常にノビノビやれる環境にいると言えるでしょう。

大きな北海道の大地でその生まれ持った雄大でパワフルな肉体を生かし、大田泰示ここにありという所をさらに見せつけて欲しいですね。