アフリカサッカー文化に根付く「呪術」、「黒魔術」とサッカー事件簿

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3月12日のU20アフリカサッカー大会で試合中にセネガルの選手が相手国ザンビアのゴールに黒魔術の道具を投げ入れ、それがきっかけで乱闘寸前になるという事件が発生していました。

たまにアフリカサッカーの情報をチェックする人は分かると思うのですが、実はこの「呪術」や「黒魔術」が原因による乱闘というのはアフリカではたまにあることなのです。日本人からすれば呪術?そんなアホな・・・と思いますがやはり世界は広く、地域それぞれに違う文化が存在しています。

アフリカサッカー文化に今でも根付く「呪術」や「黒魔法」に関連した事件を少し紹介したいと思います。

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呪術、黒魔術とアフリカサッカー事件簿

試合前に芝の状態を確認していたコーチが黒魔術使用疑惑で逮捕

2002年、日韓W杯イヤーに湧いていたサッカー界でしたがアフリカでは別の意味で盛り上がっていました。それは国際化を目指しているアフリカが黒魔術の使用禁止に乗り出したこと。

お前は何を言っているんだと思われるかもしれませんが事実で、それが原因でサッカーにも影響が及びました。

2002年のアフリカネーションズカップでの一幕。アフリカネーションズカップとはEUROやアジアカップと同じようなサッカー代表チームの大陸王者を決める大会で、これに優勝するとコンフェデレーションズカップの出場権が与えられる重要な大会です。

対戦チームはカメルーン対開催国マリ。試合前にピッチの状態を確認しようと足で踏んづけたりして芝の状態を確認していたカメルーンのGKコーチが、突如現れたマリの警備隊に逮捕されてしまいました。容疑は「マリへの禁止黒魔術の使用容疑」。

どうやら黒魔術には動物の骨や内臓を地面に埋めて使うタイプの魔法があるみたいなのですがそれをサッカーに応用して呪いを掛けたのではないかと疑われたわけですね。

この後、カメルーンは不当逮捕だとして抗議の意味で大会参加の拒否を表明しましたが、アフリカサッカー協会が「今後大会中の黒魔術使用を厳格に禁ずる」とした説得もあって大会に復帰、優勝を果たしています。GKコーチも無事に釈放されたようです。

逮捕されたカメルーンのGKコーチは「芝の状態確かめたかっただけなんだけど・・・」と至極真っ当な発言を残しています。

呪文を唱えて11人以上が死亡した事件

2008年にコンゴ民主共和国で呪術に関連した悲惨な事件が起こっています。

サッカーの試合中、劣勢状態だったチームのGKが相手の陣地に乗り込み、呪文を唱えて計11人以上の人間が死亡するという事件でした。

もちろん死亡したのは呪術が直接の原因ではなく、呪文によって呪術を掛けられたと思いこんだ相手チームが激高、両軍入り乱れての大乱闘となってそれが観客にも波及。事態を鎮静させようとした警備隊の催涙ガスによって観客席は大混乱に陥り、将棋倒しが発生して下敷きになったのが原因です。

呪文を唱えられて怒るということはそれが何を意味するのか理解しているということ。やはりアフリカにはまだまだ黒魔術文化が根付いている証拠ですね。

黒魔術を使ってイエローカードと罰金をもらう

2016年12月のルワンダリーグでも黒魔術関連の事件がありました。

絶好のヘディングを外してしまったFWのカマラ選手が相手のゴール付近に何らかの物体を突き刺します。それを見た相手GKがこれまた激高。カマラ選手を追いかけまわして審判にも抗議します。審判はカマラ選手にイエローカードを提示して事は収まったかに思えました・・・

しかしその直後カマラ選手は見事にヘディングシュートを相手ゴールに突き刺します。相手チームはそれが黒魔術のおかげである事を確信、猛烈な抗議を仕掛けます。

結果的にその後ルワンダサッカー協会はカマラ選手と所属チームに罰金を課し、その試合以降ルワンダリーグでは正式に黒魔術使用者に対して罰則が設けられることとしました。その理由は黒魔術の効果を認めたわけではなく、「黒魔術なんて効果あるか分かんないしそれが原因で争い事が起こるなら禁止」という理由です。

意外とルワンダサッカー協会は冷静ですね・・・

土地の数だけ文化の数がある

国や団体によっては呪術はOKだが黒魔術はダメ、という規定が定まっている所もあるみたいですが・・・魔法にはあまり詳しくないので細かい所は分かりません。

ただ呪術や黒魔術というと聞こえは悪いですが、一種の精霊信仰、宗教信仰という意味では世界各国同じような文化があるのではないでしょうか?

日本でも占い師は人気の職業ですし、藁人形に五寸釘とか有名ですしね。やってること自体はそれとほとんど変わらないかと思います。重要なのはそれが危険な事故や犯罪に繋がるかどうかということですね。

こういったことはその地域の文化に深く関わってくることなので他文化の人間が一概に良い、悪いとは言えないと思いますが、人命に関わる事件、事故だけは無いようにと心から願います。