WBCでもチームで1位となる防御率を記録し、ベストナインにも選ばれた福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大(せんがこうだい)選手。
「お化けフォーク」と呼ばれるフォークが話題にもなりましたよね。
実はこの千賀選手。プロ野球界では珍しい大変な苦労人なのです。
今回はそんな千賀選手のプロフィールや得意球種、メジャーリーグでの可能性などを見ていきたいと思います。
千賀滉大のプロフィールと経歴
千賀滉大のプロフィール
出身地 愛知県蒲郡市
生年月日 1993年1月30日
身長 186cm
体重 86kg
ポジション 投手
スタイル 右投げ左打ち
千賀滉大選手は中日ドラゴンズのお膝元である愛知県は蒲郡(がまごおり)市に生まれました。
小学生時代、中学校時代から野球はやっていましたが、特に芽は出ず高校は公立高校である地元の蒲郡高校へ進学。
当初野球をやるつもりではなかったそうですが、試しに一回投げてみたらチームの誰よりも球が速く(120kmくらいだったらしい)、入部を勧められて高校でも野球をすることになります。
高校時代の最高成績は愛知県地方大会3回戦負けで、甲子園に出場する事は叶いませんでした。
この成績ではほとんど「無名」と言ってもいい存在で、プロ野球球団でも誰も知らない選手でしたが、アマ野球界に詳しいスポーツ用品店の店長が福岡ソフトバンクホークスのスカウトに獲得を勧め、2010年の育成ドラフトで4位に指名されて入団します。
大成した選手では珍しい「育成出身」の千賀滉大
育成選手というのはとても過酷な環境です。
年棒も最低保証額が240万円と普通のサラリーマン以下である事がほとんど。(支配下登録で最低440万、1軍選手は最低1430万)
そもそもシーズンの7月末までに支配下登録されないと1軍の試合に出場することすら出来ません。
近年この育成出身で野球ファン以外の誰もが名前を知るほど有名になった選手は12球団で一人もいないという状況です。
それほどまでに過酷な環境の中、千賀選手は入団後数年はコントロールに苦しみ成績の出ない日々が続いていました。
しかし2012年に本格的にフォークボールを習得し、コントロールを改善させた事などから支配下登録を勝ち取り中継ぎとして1軍登板する機会を得ました。そして2015年にクライマックスシリーズに登板して優秀な成績を収めたことからブレイクを果たします。
2016年には先発投手として最終成績12勝で育成選手出身として最多勝記録となる勝ち星を挙げました。
千賀滉大の武器はストレートと「お化けフォーク」!
そんな千賀滉大選手の代名詞となっているのはWBCでも非常に効果的だった「お化けフォーク」と呼ばれるフォークボールです。
打者の手前でまるでお化けのように消えてしまう事から名付けられました。
変化量がすごい・・・コントロールも抜群です。
浅く落ちる「スプリット」を投げる投手が最近増えてきましたが、千賀選手のフォークはいわゆるフォークという感じで変化量が非常に大きいです。あの大魔神・佐々木主浩氏のフォークを思い出しますね。
またMAX156kmというノビのいいストレートも武器です。このストレートとお化けフォークを完璧に使い分けられると打てる打者はそうそういないでしょうね。
日本でもトップクラスに「三振」を取れる投手と言えるでしょう。
千賀選手は頻度は落ちますがカーブとスライダーを投げる事も出来るのでバットの芯を外すような投球も可能です。
千賀滉大はメジャーでもやれるか!?
WBCでの活躍により、現在千賀選手にはメジャーリーグのスカウトも大注目しているとの事です。
やはりメジャーのスカウトが評価しているのは「フォーク」でしょう。アメリカでは「スプリット」と呼ばれているこのボールは実はメジャーリーグで使いこなしている選手は非常に少ないのです。使い手が少ないゆえに苦手としている打者も多いですね。
アメリカにスプリットの使い手が少ない理由は手首を固定して投げるため肩や肘に負担が掛かりやすいから、だそうですがともかく日本人が投げる変化量の大きい「フォーク」は珍しいためメジャーリーガーに対して非常に有効な球なのは間違いありません。
メジャー主催の「スプリット」ランキングでも田中将大選手や上原浩治選手、岩隈久志選手といった日本人選手が上位を独占しています。
単純にフォークだけを見れば千賀選手のフォークはこれらの選手より上だと言えますし、メジャーで重要視されるストレートの球速も十分なレベル。
将来的にメジャーリーグでプレー、そして成功する可能性は十分にあると言えるでしょう。育成選手からメジャーリーグなんてもし実現したら日本プロ野球界でも最高クラスのシンデレラストーリーになりますよね。