川崎宗則が解雇。アメリカ契約社会とメジャー契約、マイナー契約の違い

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シカゴ・カブスが28日、川崎宗則選手の契約を解除したとの発表をしました。

メジャー昇格に向けていい調整をしていると聞いていたので残念ではあるのですが、メジャーリーグではあまり珍しい事ではありません。

所属選手がスポーツクラブから解雇されたとなると日本人感覚だと夢も希望もない絶望の響きに聞こえますがそこは契約社会アメリカ。選手の可能性と球団の利益のために契約を一旦解除するという行為が普通に行われます。

日本でいう「クビ」とは少し事情が違うのです。

さて川崎選手の場合はどういう意味での契約解除なのでしょうか。メジャーリーグのメジャー契約とマイナー契約についても見てみましょう。

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メジャーリーグのマイナー契約とメジャー契約

メジャー契約

アメリカメジャーリーグ(以下MLB)では「メジャー契約」と「マイナー契約」と契約関係によってメンバー入りのしやすさなどが異なってきます。

チームの中でメジャー契約ができるのは40人まで。

その中でもさらに試合にベンチ入りして試合に出場するには「アクティブロースター」と呼ばれる25人の枠に入る必要があります。

その25人の枠に入れず、「メジャー契約をしていてアクティブロースターに入れない15人」はメジャー契約を保ったままマイナーリーグなどに出場して調整し、メジャーリーグでプレーできる瞬間を待ちます。

マイナー契約

ではマイナー契約は何なのかというと「40人枠にも入れずメジャー契約ができなった選手」と結ぶ契約です。

メジャーリーグで40人枠に入れないというのはとても大変。メジャー契約とマイナー契約で別の契約を結ぶ必要があるので、日本のプロ野球のように1軍と2軍を10日間の間隔だけで選手をパッパと入れ替えることは基本的にできません。

シーズン中にマイナー契約からメジャー契約ができるのは他の40人枠の選手を契約解除するかメジャー契約選手に60日間の長期故障者リスト入りなどのトラブルがあった場合に限られます。

よく報道で「マイナー降格」という言い方がされますが「40人枠に残ってメジャー契約のままマイナーリーグでプレー」するのと「マイナー契約でマイナーリーグでプレー」するのでは再びメジャーでプレーするための難易度が段違いです。

タイトルの川崎宗則選手が数日間でメジャーとマイナーを行ったり来たりしていたのは40人枠に入れていたからなのです。

マイナー契約は過酷です。食事もまともに与えられず移動は飛行機ではなくバスがメイン。特別に許可された「招待選手」ではない限りメジャーのキャンプにも参加できません。

なのでマイナーリーグの選手は基本的にメジャー契約を探し求めて日々プレーしていると言ってもいいでしょう。

カブスが川崎宗則を解雇したがどういう意味?

川崎の解雇には意味がある?

昨シーズン開幕はマイナー契約ながらも故障者の影響で40人枠に入れた川崎宗則選手ですが、今シーズンも開幕はマイナー契約でカブスの持つマイナーチームでプレイすると言われていました。

しかし3月の末になってマイナー契約どころか突然の契約解除。つまり解雇されてしまいました。しかしそれには理由があるのです。

球団の費用節約

メジャーリーグは選手会が結構強く、チームやスポンサーとの間で契約に関するトラブルが絶えません。なので、そこまで大きな実績を残していないベテラン選手などはボーナスなどのコストカットやトラブル防止目的でシーズン開幕前の3月に一旦解雇されるのは珍しい事ではありません。

選手の移籍を助ける

一旦契約を解除されれば自由契約となり、チームに保有権がなくなるので他のチームから獲得の声が掛かりやすくなります。もしマイナー契約でプレーしている選手がそれで他チームのメジャー契約を取れれば選手にとってもいいことなので、一旦契約を解除することがあるのです。

もし他チームから声が掛からなった場合でもほとんどの選手は元のチームと再び契約を交わすことが多いですね。

実際昨シーズンの川崎選手も昨年のこの時期に一旦契約を解除して、すぐにカブスと再契約を結んでいます。

そのことから今年も同じパターンなんじゃないかと思いますね。もちろんいいメジャー契約オファーや日本からのオファーがあれば別ですが・・・

なんかチーム側にあまり感情が見られない行動に感じますが契約社会アメリカではそういうことになっています。文化が違うので「解雇」という字面だけで判断できないということですね。

※4月1日追記 川崎宗則ソフトバンク復帰

川崎選手に引き取り手が現れ、日本からのオファーがありました。古巣の福岡ソフトバンクホークスと基本合意したそうです。

どうやらカブスとの再契約ではなく、日本に戻って野球を続ける選択肢を取ったみたいですね。