2017年ヨーロッパリーグはマンチェスター・ユナイテッドが制し、プレミアリーグでは6位ながら来季チャンピオンズリーグの出場権を得る事になりました。
この試合で決定的となる2点目を決めたのは今季からユナイテッドでプレーするアルメニア代表のヘンリク・ムヒタリアンです。
今回はそんなムヒタリアンのプロフィールやドルトムント時代の香川とのエピソードやプレースタイルを紹介したいと思います。
ヘンリク・ムヒタリアンのプロフィールとエピソード
ムヒタリアンのプロフィール
Last @premierleague weekend 👏 Eyes on the #UELfinal … @ManUtd pic.twitter.com/8GFwRalbpq
— Henrikh Mkhitaryan (@HenrikhMkh) 2017年5月21日
名前ーヘンリク・ハムレット・ムヒタリアン(Henrikh Hamlet Mkhitaryan)
国籍ーアルメニア
出身地ーエレバン
生年月日ー1989年1月21日
身長ー177cm
体重ー75kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ムヒタリアンはまだ崩壊する前のソビエト社会主義共和国エレバン(現在のアルメニア首都)で生まれた選手です。
父親もサッカー選手で(ムヒタリアンが7歳の時に死去)、フランス2部リーグでプレーする機会があったためムヒタリアンも幼い頃フランスで生活していました。
その影響か現在でも最も尊敬するプレーヤーとして元フランス代表ジネディーヌ・ジダンの名前を挙げていますね。
父親の死去に伴ってアルメニアとして独立した母国に戻り、首都のチームでもありアルメニア最大のクラブでもあるピュニク・エレバンのユースチームに所属してサッカーキャリアをスタートさせます。
すぐに頭角を現したムヒタリアンは17歳にしてトップチームデビュー。在籍3年半で35得点を記録するなどアルメニアリーグでは次元の違う存在だったと言えるでしょう。
その実績を引っさげて2009年アルメニアより少しランクの高いリーグであるウクライナのメタルルフ・ドネツクに移籍します。
ここでも得点を量産したムヒタリアンはその僅か1年後、ライバルクラブでもあり欧州CLにも度々顔を出す強豪シャフタール・ドネツクに移籍。
シャフタールでは年間最優秀選手賞を受賞したり、ウクライナリーグでシーズン最多となる25得点を決めるなど大暴れ。
複数のビッグクラブが獲得に動きますが、ムヒタリアンはCLでも対戦したドイツのボルシア・ドルトムントにシャフタール史上最高額の移籍金で移籍を果たします。
ドルトムントでは当初苦労していた様子でしたがトーマス・トゥヘルが監督に就任するとウクライナ時代の輝きを取り戻して公式戦25ゴールを記録するなど活躍、契約満了の1年前にあたる2016年にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドに移籍します。
頭がいいムヒタリアン
サッカー選手の中には「ほとんど勉強なんてしたことがない」という選手がたくさんいますがムヒタリアンはそういった選手には含まれません。
高校の体育文化研究科で知識を蓄え、その後もロシアのサンクトペテルブルクの研究所に通って経済学の学位を取得しようとしています。
死ぬまでサッカー一筋で生きようとは思っていないらしく、将来的にビジネスの展開なども考えているようですね。
また語学も非常に堪能で母国語であるアルメニア語、幼少期を過ごしたフランス語、英語、ドイツ語、ポルトガル語、ロシア語など約6ヵ国語(噂ではもっと話せるとも)を話すことができます。
ラテン系の言葉とキリル文字を主体とする東欧系の言語を同時に操るのは本当に凄い事です。これは本人の勉強の成果ももちろんあると思いますが、本質的に頭が良くないと無理な芸当だと思いますね。
香川真司と仲が悪い?
ムヒタリアンに関するエピソードでよく言われるものとして2014シーズンにマンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに復帰した香川真司との不仲疑惑があります。
香川が得点を決めても祝福に来なかったりパスも少ないなど「仲が悪いのでは?」と取り沙汰されましたね。
二人ともベストポジションはトップ下でポジションが被っていますし、香川復帰の影響でムヒタリアンがサイドに回される事もあるなど確かにムヒタリアンも香川復帰当初は良く思っていなかった所はあったかもしれませんが・・・
しかしそのときはチームも低迷していましたし、ムヒタリアン自身もナイーブな性格かつ2014-2015年は後述するプレースタイルの頑固さなども相まって非常に調子が悪かった時期なのでそれが影響して仲が悪いように見えてしまっただけでは?と予想します。
実際ドルトムント公式にアップされている過去の動画でも二人は非常に仲が良さそうですし、ムヒタリアンはマンチェスター・ユナイテッドへの移籍に際して経験者である香川のアドバイスも決め手になったと語っている通り仲は良好だと思います。
ヘンリク・ムヒタリアンのプレースタイル
ムヒタリアンのベストポジションは2列目の攻撃的なポジション、特にセカンドストライカー寄りのトップ下で力を最も発揮します。サイドでもプレーできますね。
プレースタイルとして特徴的なのは豊富なスピードから繰り出されるドリブルとラストパスで、特にカウンターの際に一気に相手ゴールまでの距離を圧縮するような縦への推進力が魅力の選手と言えるでしょう。
ボールを受けるのも非常に上手く、DFラインとMFラインの間のスペースを見つけてそこでボールを受けるためプレッシャーの少ない状態からプレーを始めることができます。
ドルトムント加入当初はボールを持ちすぎてチャンスをつぶすような場面が散見されましたが、ドルトムント後期から球離れが良くなり現在ではドリブルの威力はそのままに適切なプレーを選択できるようになっています。
マンチェスター・ユナイテッド加入当初もパワフルでダイレクトな特徴を持つプレミアリーグへの適応に苦しみ、監督モウリーニョに「戦う準備ができていない」と苦言を呈されたりしていましたが徐々に適応を見せています。
「縦への速さ」という元々プレミアリーグ向きの能力を持っている選手だと思いますし、ポジションを奪い返したのは当然の結果と言えるでしょう。フィジカルもイングランドに来る前よりずいぶん向上しているように見えます。
本人はトップ下がベストだと考えているようですが、ウイングでも及第点の働きは出来てると思いますね。
※2018年1月追記アレクシス・サンチェスとのトレードでアーセナルへの移籍が決定しました。
アーセナルは2列目の選手のコンビネーションを非常に重要視するチームなのでムヒタリアンのようなテクニックと柔らかさ、早さを兼ね備える選手はピッタリでしょう。