サッカーのフリーキック時に重要となる要素が「壁」。
直接フリーキックを防ぐためには最も大事と言っていいディフェンス手段なのではないでしょうか。
でも壁ってたまに味方の選手が相手の選手と混じって形成されている事もありますよね?この壁を作る際にルールはあるんでしょうか?またわざわざ味方が混ざるメリットはあるのか?
今回はサッカーでフリーキックの「壁」作成時のルールについて見ていきたいと思います。
壁作成時のルールとは?
実はフリーキックの際の壁作成に関するルールは一つだけ。
それは「守備側が9.15mボールから離れること」です。
守備側、つまり壁を作る側がこの距離ボールから離れてさえいれば壁の人数など特に制限はないのです。全員で壁を作ってもいいですし、一人も置かなくてもルール上は問題ありません。
攻撃側の選手が壁に混じることに関しても制限はなく、自由にやっていい決まりになっています。
もちろん自由と言っても後述するように激しいポジション争いが展開されますけどね。
・壁に作る作業に関するルールは一つだけ「距離」
・人数などに制限はない
・攻撃の選手も自由に入れる
味方が壁に入る事のメリットは?
味方が壁に入っているメリット
ではなぜ味方も壁に入る事があるのでしょうか?
蹴る側の味方が壁に入るメリットとしては、
1、ボールの出所を隠せる
2、コースを作れる
という2点が挙げられます。
守備側の壁は最後方に構えるゴールキーパーが位置や人数など自分がプレーしやすいように指示を出しますが、当然蹴る側の選手達には関係のない話。
蹴る側の選手達がゴールキーパーの位置を確認してキッカーのボールを隠すような位置に陣取ればキックの寸前までボールを隠すことができ、相手キーパーの反応を遅らせることができます。
またあらかじめ示し合わせておけば壁に入っている味方を狙ってシュートを打ち、その味方選手がしゃがむなり横に避けるなりして壁の中に「コース」を作る事も可能です。
これらのメリットがあるため、時折蹴る側の味方が壁の中に入っているのですね。
壁を作る作業はかなりハード!
ただ攻撃側の選手が守備側の壁に入り込むことは容易ではありません。攻撃側の選手をたくさん壁に入れていたら上記のように攻撃側有利な状況になってしまうため、守備側も全力で攻撃側の選手を押しのけようとするからです。
その争いは普段の競り合いさながらにハード。直接フリーキックは得点に繋がりやすいから当然と言えるでしょう。
ただもちろんそのようなフィジカルコンタクトの際にはサッカーのその他のプレーと同じく、不用意に手を出せばファウルを取られてしまいます。(実際ほとんどファウルだけど)
テレビ中継ではキッカーの方にカメラが集中するのであまり壁作成時のせめぎ合いは見れませんが、スタジアムなどで観戦するとかなり強めに駆け引きを行っているので面白いですよ。
壁作りのハードさ、難しさが分かる動画
では壁を作る作業がいかにハードかを示す動画を紹介します。
ポルトガルリーグ、ベンフィカ(赤い方)の試合なのですが、味方のフリーキックの際にまだ経験の浅い若手選手たちが壁でのポジション取りに苦戦する中、見かねた元ブラジル代表のベテラン、ルイゾン(4番)が「こうやるんだぞ」と言わんばかりにサポート。あっという間に相手選手を弾き飛ばして壁の中心に居座ってしまいました。
結果フリーキックは決まり、流石元ブラジル代表という所を見せたシーンですね。
壁の作り方はわりと自由!
ちなみに審判が壁に注意するようなシーンも多々見られますが、あれは単純に上記した距離と過剰なフィジカルコンタクトを注意しているだけ。壁の作り方に関しては基本的にそれ以外は自由なのです。
距離に関してはいちいち測っている時間はないので審判があらかじめ自分の歩数で9.15mきっちり取れるようにトレーニングしています。
フリーキックの際はキッカーだけでなく壁にも注目して見るとより深くサッカーを楽しめるでしょう。
・壁に蹴る側が入るとキーパーからボールを隠せる可能性がある
・意図的にコースを作る事も可能
・壁でのポジション争いはかなりハード!