スペインリーグで活躍する日本人が少ない理由はやはり言葉の問題

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2010年にJリーグに残る古い移籍制度が撤廃され、それ以前より海外移籍がしやすくなったため香川真司選手や内田篤人選手、岡崎慎司選手ら日本代表クラスの選手が一気に海外に移籍しました。

2017年現在でも多くの日本人選手が海外のクラブチームに所属し、活躍しています。ドイツでは前述の香川選手、内田選手、イングランドではレスター・シティの岡崎選手がプレミアリーグ優勝を果たしました。イタリアでも長友選手らがそこそこ活躍していましたし、ベルギー、オーストリア、スイス、フランス、オランダ、スコットランドなど様々な国で日本人サッカー選手が活躍しており、一昔前では考えられない嬉しい状況になっていますね。

しかし唯一活躍している選手を出せていないのがスペイン。

数多くの各国リーグに選手を輩出しながらなぜ日本人はスペインで活躍できないのでしょうか?

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スペインリーグに所属した日本人サッカー選手

スペインリーグに所属した選手は結構います。

城彰二選手に始まり、西澤明訓、大久保嘉人、中村俊輔、家長昭博、ハーフナーマイク、清武弘嗣、乾貴士などなど2部も含めれば福田健二選手や最近になって鈴木大輔選手や柴崎岳選手もスペインに渡っています。

しかしそのほとんどが目立った活躍ができていません。この中で活躍しているといえるのは2部のヒムナスティックでDFのレギュラーとして定着している鈴木大輔選手と2部ヌマンシアでシーズン10ゴールを記録しチーム内得点王タイという成績を残した福田健二選手くらいでしょう。

これらの選手は2部リーグです。スペインリーグ1部で活躍する選手は未だに出てきていません。

日本人がスペインリーグで活躍できない理由

戦術レベルの違い

日本とスペインのサッカーで大きく違う所はやはり戦術面だと思います。

スペインリーグは他のトップリーグであるイタリア、イングランド、ドイツと比べても格段に戦術の幅が広くて細かく、「今やらなければいけないこと」と「やらなくてもいい」ことを小さな頃から叩き込まれます。

日本人選手はボールを扱う技術自体は高いと思いますがそういった攻守の切り替えや攻撃を仕掛けるタイミングはまだまだ文化として根付いていない状況です。

最大のポイント、言葉が通じない

中村俊輔選手や家長選手、清武選手らは慣れればスペインでやれる技術は十分にあったと思います。

しかし共通するのはスペイン語が喋れなかったこと。

スペイン人はコミュニケーションをとても大切にする人たちで、正直、馴染む気のない人には冷たい対応をする人もいます。さらに戦術ミーティングもほとんどスペイン語で行われるので言葉が分からないと動き方も分かりません。前述の通りスペインリーグは世界一戦術の発達したリーグなので戦術理解不足は致命的です。

英語もほとんど通じません。英語がまともに通じるのはレアルマドリードやバルセロナなど様々な言語圏から選手が集まるビッグクラブに限られるでしょう。スペインリーグのその他のクラブはほとんどの選手がスペイン語圏、もしくは言語形態が似ているポルトガル語圏から来ます。

英語が話せて同じヨーロッパ圏のイングランド人ですら活躍した選手がほとんどいない(レアルのベッカム、オーウェンくらい)という文化です。英語もほとんど話せない、文化も全く違うアジア人だったら・・・さらに難しい状況なのは想像に難くないですよね。

日本だと多少言葉が喋れなくても有能な選手にはパスが出てきますがスペインではコミュニケーションが取れない人間にはパスが出てきません。日本人感覚だと私情を挟みまくってそれってスポーツのプロとしてどうなのと思いますが、彼らは「言葉も喋れないやつにどうしてパスを出さなきゃいけないんだ」と本気で思っている人が多いのです(もちろん全員ではありません)。

サッカー選手、特に前線の選手は味方からパスが出てこないと仕事になりません。

日本人選手の中には「サッカーは喋らなくても分かる」という人がいますが、それは漫画の中だけにしまっておいたほうがいいのではないかと思います。

スペインサッカーにおいて人間同士のコミュニケーションはパスができる、トラップができると同じくらいの価値を持つのです。正直スペイン語が喋れなく、さらに文化に馴染む気も無いのであればスペインリーグに挑戦するのは短いサッカー選手寿命において時間の無駄とさえ思えます。

乾貴士選手が活躍の兆し

そのようにスペインで苦戦が続いている日本人選手ですが、1部のエイバルに所属する乾貴士選手は成功する可能性があります。

元々の高い技術を駆使したドリブル、パスに加えスペインに来てから課題だったオフザボールの動きも良くなり、ヨーロッパリーグに出場できるかもしれないほど好調なエイバルの主力になっています。

そして好調の秘訣はやはりコミュニケーション。乾選手はスペイン語はそこまで話せないそうですが元々非常に明るい性格で、チームに積極的に溶け込もうとしています。一応スペイン語の通訳が付いているそうですが、いなくても問題ないくらいチームメイトから信頼を受けているそうです。

やはりラテン系の国では積極的なコミュニケーションが必須でしょう。今後スペインリーグに挑戦する日本人もまた出てくると思いますがスペイン語の習得かコミュニケーションの取り方は身に着けてから挑戦して欲しいですね。