DMMが競馬に参入!一口馬主募集が1万口だが利益は取れるのか?

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2017年に北海道の苫小牧市で行われているセレクトセール。

ここからディープインパクトやキングカメハメハなど数々の名馬が誕生する高額で質の高いセールであることが知られていますが、2017年はネット配信でお馴染みの「DMM.COM」が複数の高額馬を落札して話題になっています。

ジェンティルドンナやキタサンブラックの兄妹を購入するなどかなり力を入れている様子ですね。

2010年代の競馬界で一つの流れを作りそうな勢いですがどうなるでしょうか?またDMMは一口馬主クラブを作ると明言していますがそちらもどうなるか見ていきたいと思います。

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DMMがセレクトセールで良血馬を複数購入!

DMM.COMは2017年のセレクトセールでドバイターフ勝ち馬・リアルスティールの妹を1億6000万円、G17勝の名牝ジェンティルドンナの妹を3億7000万円、キタサンブラックの弟を1億4500万円で落札しています。

いずれも非常に高額で、ジェンティルドンナの下(ドナブリーニの2017)はセレクトセール史上歴代3位という金額でした。

またDMMはこれを機に「DMMドリームクラブ」「DMMバヌーシー」という一口馬主サービス、アプリを始めると明言しており、募集口数は異例の1万口だそうです。

一口馬主であれば、大金は無くとも会員になりさえすれば一応「自分の所有馬」と言うことができるので、競馬ファンの間口が広がるのはとてもいいことだと思います。

しかし1万口というのは一口馬主の歴史上でも類を見ない口数の多さ。

元を取るのが難しいとされている一口馬主で応募者が利益を取ることは可能なのでしょうか?

DMMの想定1万口だと配当が数百円の可能性も

1万口だと一人当たりの配当が少なすぎ

一口馬主は競走馬がレースで得た賞金を「口数分」出資者に分配する馬主形態です。

通常多くても500口くらいが多いですね。

日本競馬は馬主の取り分は賞金の「80%」とされています。

日本競馬で一番賞金の少ない新馬、未勝利戦の賞金は400万円であるため、これの80%さらに1万人に配当が分配されると考えると、出資馬が勝っても単純計算で一人当たり「320円」しか得られないことになります。

賞金3億円と最も賞金の高いジャパンカップや有馬記念を勝っても一人当たり2400円。

税金なども鑑みるとこれより配当金が低くく、60%~80%に収まる可能性が高いでしょう。

一応5着以内で賞金、8着以内に入れば「出走奨励金」などが与えられますが1万口だと微々たるものです。

報道によるとジェンティルドンナの下は募集額一口3万円からだそうで・・・3億7000万で1万口の元を取るにはそれこそ生涯で17億円稼いだジェンティルドンナ以上の活躍をする必要があります。

仮に馬主取り分80%がそのまま1万人に分配されるとしてもジェンティルドンナの稼いだ生涯賞金17億はわずか13万3600円ほどにしかなりません。

1万口は明らかに多いという印象です。半分の5000口でも多いでしょう。

元を取るにはマンハッタンカフェ並みの活躍が必要

募集価格3万円で1万口なら合計3億円の募集額となりますが、これも簡単には達成できません。現役の牝馬だと桜花賞馬レッツゴードンキが獲得賞金額3億ちょっと。宝塚記念を勝って引退したマリアライトでも4億ちょっとなのでこの賞金額をレースで獲得するのは本当に難しいミッションですよね。

上記の通り一口馬主は諸々引いて60~80%しか取り分がないので、3億円1万口で元を取るなら5億以上稼ぐ必要があるでしょう。5億というとマンハッタンカフェくらい走らないといけません。

ドバイのレースを勝ったリアルスティールやジェンティルドンナの兄妹を購入しているので良血なのは間違いないし、兄弟以上に活躍する可能性ももちろんありますが・・・さすがに口数が多すぎるとは思います。

よほど走らないと出資分を回収するのは難しいでしょうね。会費などを考えるとマイナスの可能性の方が高いとも思います。

通常の収入では手を出せない馬主というポジションに資金がない人でも飛び込めるように、という近年のクラブ馬主の働きは素晴らしいと思いますがさすがにDMMの参入は現状口数が多すぎる、自社宣伝かつビジネス的側面が強い出来事だと思います。

表面上預託料は少なく見えるのがメリット?

メリットと言えば預託料の目方が少ないことくらいでしょうか?馬主には月々厩舎への預託料、飼葉代が大体50万円ほど掛かり、一口馬主も当然払わなければいけません。

ただしそれら預託料も口数で分けられるので、仮に預託料50万円だとしたら1万口で一人当たり50円くらいになります。預託料が高いという理由でケチる馬主も多い中、これくらいの支払いであれば出資者一人一人が全員問題なく馬主を続けられるでしょう。ただし表面上ですけどね。実際今回の件だと利益も薄いので果たして本当の意味で安いかどうかは微妙です。

今後の動向や正式な発表が気になりますが、現状のルールだと利益度外視で「自分で馬持ってる感覚」を楽しめるファンじゃないと難しいような気がしています。後はリスクも大きいですが、馬券と同じ感覚で口数を増やし「ぶっこめる」タイプかどうか。

いずれにしてもDMMは2010年代後半の競馬界にとって大きなポイントとなりそうです。

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