2018年ワールドカップに向けたプレ大会として行われた2017年コンフェデレーションズカップ。結果はメンバーを落として臨んだドイツが層の厚さを見せつけ優勝しました。
今大会では日本代表は残念ながら出場していませんでしたが、歴代大会には何度も参加しており、サッカーファンには思い出深いトーナメントだと言えますよね。
しかしこのコンフェデレーションズカップ、今年の開催を最後に次からは行われない可能性が高いとFIFAのインファンティノ会長が名言しました。
なぜコンフェデは無くなってしまうのでしょうか?その理由と代替とされる案を見ていきたいと思います。
コンフェデレーションズカップとは?
コンフェデレーションズカップは1992年に行われたキング・ハファド・カップを前身とし1997年に誕生。各大陸カップを制した王者たちが集まる大会として一定の知名度を得ます。
2005年からはワールドカップの前年にワールドカップ開催国で行われるプレ大会として開催され、会場の雰囲気や通信、交通、運営手順などを確認する重要な大会として存在感を誇っていました。
・コンフェデはW杯開催の手順や設備などを確認するプレ大会
2017年を最後に廃止の可能性
2022年W杯は冬開催のため2021年コンフェデはなし
しかしFIFAのインファンティノ会長は2017年の大会を最後に今後コンフェデレーションズカップを開催しない可能性を示唆しました。
理由として考えられるのは2つ。
まず通常通りの日程で行われると仮定すると次にコンフェデレーションズカップが開催されるのは2022年カタールワールドカップの前年、2021年です。
しかし中東カタールは暑さの問題があるためワールドカップ史上初めてとなる冬に開催される事になっています。そこまでしてカタールでやる意味は・・・と思いますが、それはまたの機会に。
冬期間といえば欧州リーグまっさかり、特にイングランドのプレミアリーグなんて休みがないですから、日程的に厳しくなる欧州のサッカー関係者から冬開催は未だに金銭保証を求めたりと猛反対を受けています。
一応2022年の欧州リーグ日程をずらす事でお互い手打ちとなりましたが・・・
ワールドカップの冬開催ですら不快感を示されているのにさらにその前年の冬にコンフェデもやるよ、などと言われればもうブチ切れ必須です。ワールドカップの開催自体反対するほど各国リーグ協会とFIFAの仲は悪化してしまうでしょう。
したがって2021年にコンフェデを行う事はほぼ不可能という状況です。
メンバーが集まらない
2017年のコンフェデレーションズカップに優勝したのはドイツ。
しかし主力メンバーはほとんど招集されず、若手中心で2軍のようなメンバーでした。
もちろんそれはそれでテストマッチという意味合いでは重要なのですが、例年強豪国のトップメンバーが集まる事はまれで、開催する意味はあるのか?という声が挙がっているのも事実。
日本のように欧州、南米の強豪と対戦する機会の少ない国からしたら経験を積める貴重な機会なのですが・・・このドイツのように負担としか思っていない国が一定数いるのです。
こういった強豪国のコンフェデに対する関心の薄さも開催を妨げる要因の一つとなっているでしょう。勝ったからといって特別なにか名誉になるとかそういった事もないですからね。
・2022年カタールW杯は冬
・欧州リーグから反発が大きいので2年連続冬に国際トーナメントは無理
・強豪国はコンフェデにあんまり関心ない
でもプレ大会は必要。代替案は?
プレーオフトーナメントをコンフェデの代わりに?
とは言っても開催国にとってワールドカップ本番の予行演習ができるプレ大会は必要でしょう。
2017年コンフェデレーションカップではFIFAの国際試合主要トーナメントで初めてビデオアシスタントレフェリーが導入されましたが、そういった設備・運営面で本番と同じようにできるかどうか確認するのは重要ですよね。
FIFAも一応それは考えているようでいくつか代替案が出されています。
一つはワールドカップ予選のプレーオフトーナメントの開催。
2026年からはワールドカップの出場国が48ヶ国に拡大されることが決定されているため、今と予選方式が変わることが予想されています。
現在アジア対北中米、オセアニア対南米のホームアンドアウェーで行われているプレーオフの出場枠を6大陸すべてに拡大し、プレーオフ候補のチームをワールドカップ開催予定国に集めてトーナメントで出場国を決定する「プレーオフトーナメント」の開催が検討されています。
各大陸の王者が集まるという現在のコンフェデからは出場国のレベル自体は落ちると思いますが、W杯出場権が掛かるプレーオフなら真剣度も増し、白熱したプレーが見られると思うのでこれはアリでしょうね。
U-20W杯やクラブW杯を代替にする案も
もう一つはU-20ワールドカップの開催。
現在2年ごとに開催されているFIFAU-20ワールドカップ(旧ワールドユース)をプレ大会としてW杯開催国で行う計画もあるようです。
確かに丁度W杯の前年に行われますし、設備、進行などのチェックは問題なく進められるでしょう。
さらにFIFAはクラブワールドカップを夏に開催したい意向もあるそうなのでこれをプレ大会にするという手段もあり得ますね。
クラブワールドカップは毎年行われていますしビッグクラブも出場するので(たぶん)、興行面でも利益が望めますね。
いずれにしても何らかの形で「プレ大会」が存続されることは間違いなさそうです。
しかし日本代表にとっては強化の舞台が減ることにもなるのでけっこう痛いですよね。初夏の朝に見るコンフェデはなかなか風流があって良かったのですが・・・色々な事情を鑑みると廃止も仕方ないかなという印象です。
・W杯予選プレーオフトーナメントを開催か?
・U-20W杯やクラブW杯で代替する可能性も
・いずれにしてもプレ大会自体は存続しそう