能力の割に冷遇されながらも移籍した各チームで必ず結果を残す男、メキシコ代表のハビエル・エルナンデス「チチャリート」。
マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードではスーパーサブながら多数のゴールを挙げています。
現在はレヴァークーゼンというようやくエースとしてプレーできるチームに所属していますが・・・本人はあまり残る気がなさそうで、再び別のビッグクラブでプレーする可能性もありますね。
※2017年7月追記プレミアリーグのウェストハムに移籍が決定しました。
それでは今回はそんなチチャリートのプロフィールやプレースタイルについて見ていきたいと思います。
ハビエル・エルナンデス「チチャリート」のプロフィール
チチャリートのプロフィール
名前ーハビエル・エルナンデス・バルカサール(Javier Hernández Balcázar)
国籍ーメキシコ
出身地ーグアダラハラ
生年月日ー1988年6月1日
身長ー175cm
体重ー70kg
ポジションーFW
利き足ー右足
ハビエル・エルナンデスはメキシコ第二の都市グアダラハラの出身。
キャリアスタートも地元のチーバス・グアダラハラでした。今でもそうですが、幼いころからサッカー選手としては体格が小さく、メキシコ代表だった父親にすらプロでは厳しいと思われるほどでした。
しかし後述する技術の高さと天性のゴールセンスを持っていたチチャリートは2008年ごろから頭角を現し、2009-2010シーズンにはシーズン21ゴールを挙げて才能を全開にします。
ちなみに登録名になっている「チチャリート」は本名ではなく「小さなえんどう豆」という意味で体が小さかったことから名付けられたあだ名。本人はこのあだ名を気に入っているためこれを登録名にしています。
ユナイテッド、レアルで結果を出すも・・・
名を知らしめたのは2010年の南アフリカワールドカップでした。2ゴールという結果だけなくそのスピードや効果的なランで一躍注目されることになります。
そしてその年、W杯前からチチャリートに注目していたプレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドに加入が決定。(加入決定はW杯前)
デビュー年としてはルート・ファン・ニステルローイ以来となる公式戦20ゴールを決め、クラブの最優秀選手賞を得るなど大活躍します。
しかしアレックス・ファーガソンの退任、およびオランダ代表ファン・ペルシーの加入などによって出場機会は徐々に減少。
途中出場でもゴールは決めていましたが・・・結局2014年にはレアル・マドリードにレンタル移籍に出されてしまいます。
レアルでもスーパーサブ的扱いでしたがチャンピオンズリーグで印象的かつ決定的なゴールを決めるなど出場機会のわりにゴールはきっちり決めていました。
しかしベンゼマらの壁は厚く、完全移籍とはならず2015年にマンチェスター・ユナイテッドにレンタルバック(返却)。
指揮官ルイ・ファン・ハールとの相性も良くなかったため。チチャリートはとうとう完全移籍でユナイテッドを出ていく決断をします。向かった先はドイツブンデスリーガのバイヤー・レヴァークーゼン。
レヴァークーゼンでは初年度から17ゴールを挙げるなど活躍。ようやくスタメンで出場、エースとして君臨できるクラブを見つけたというわけですね。
しかしチチャリート自身、クラブのクリスマスパーティに参加しなかったりとレヴァークーゼンに残る気はそんなになさそうなので再びイングランドやスペインに戻る可能性は高そうです。
※2017年7月追記プレミアリーグのウェストハムに移籍が決定しました。
・チチャリートはあだ名で本名はハビエル・エルナンデス
・マンU、レアルで結果を出すもスーパーサブ止まり
・レヴァークーゼンではエース
チチャリートのプレースタイルは?欠点も
ワンプレー毎の精度が高いストライカー
エルナンデスは身長175cmとセンターフォワードとしては低い方。ゴリゴリの競り合いに強い訳ではありません。ドリブルで相手をガンガン抜けるわけでも、華麗なラストパスも出せるわけでも戦略的なゲームメイクができるわけでもありません。
しかしマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、レヴァークーゼンとどこのチームに行っても出場すればしっかり得点を量産しています。決して能力に見合うほど起用されていなくてもです。
その秘訣は瞬間的な「蹴る、止める」という基本動作の上手さが挙げられるでしょう。
ワンプレーごとの精度であれば世界でもトップクラスの性能を誇ります。シュートも左右で精度の高いシュートが打てますし、ファーストタッチでシュートを打ちやすい所に落とすトラップ技術も完璧。
ボールがこぼれてくるポイントを嗅ぎ分ける嗅覚も発達しています。
このような技術とセンスがあるので急に来たボールを確実にゴールに叩き込むストライカーとして活躍できているのですね。
小柄ながらヘディング技術が抜群
身長は175cmと小さいですが、ヘディングが非常に得意。クロスボールと相手DFの位置がぶつかる位置を早めに予測して頭と体を滑り込ませる技術が非常に高く、低身長ながらロングボール、クロスボールのフィニッシュターゲットになれます。
またフリーランやスペースを作る運動量も豊富。後方のボールの位置によって常に動き直しを欠かさず行うためラストパスやこぼれ球が自然に集まってきます。前線から相手のラインをかき乱せる才能を持った選手と言えるでしょう。
こちらはブンデスリーガ公式のチチャリートゴール集です。
90分間影響力があるタイプではないのが欠点
ただユナイテッド、レアルでスタメン定着できなかった欠点として90分間ボールに関われる選手ではないという事が挙げられます。
基本的にゴール前付近でライン裏に飛び出して力を発揮する選手なので、もしボールが回ってこない状況なら試合全体を通して輝くタイプの選手ではありません。よくいい意味でも悪い意味でも「ワンタッチゴーラー」と呼ばれるのはこのプレースタイルが原因になっていると思われます。
なので前線でポストしたりキープしたりといった仕事ができるファン・ペルシーやカリム・ベンゼマとの競争には勝てなかったということですね。
しかし点を取る才能と技術は世界トップクラスなのでチチャリートが無理にそういったプレーにチャレンジする必要はないかと思いますね。
本人はマンチェスター・ユナイテッドの復帰報道にSNSで「いいね!」と評価をつけるなど移籍に積極的なようなのでそう遠くないうちに他クラブへの移籍報道があるかもしれません。いずれにしてもスタメンで出れそうなチームに行って欲しいと思います。
※2017年7月追記プレミアリーグのウェストハムに移籍が決定しました。
イングランド復帰のようですね。ウェストハムなら余程じゃない限りスタメンで出られるでしょう。
・トラップとシュート技術が高い嗅覚系ストライカー
・小柄だけどヘディングが強い!
・90分間試合に関われるタイプではない