野球におけるタイブレークのメリットとデメリットは?高校野球も導入を議論か

シェアする

※当サイトは記事内にアフィリエイト・アドセンス広告を含む場合があります。

2017年3月に行われたワールドベースボールクラシック(WBC)では日本のプロ野球ファンにはあまり聞きなれない制度「タイブレーク」が導入されました。

東京ドームでの2次ラウンドは日本代表侍ジャパンがこの制度を利用して延長から勝ち切ったことは記憶に新しい人もいらっしゃるかと思います。

すでに日本の社会人野球、高校野球の一部地方大会、アメリカの一部マイナーリーグで導入され、そして2018年度から甲子園でもこの「タイブレーク」制度を適用するかどうか議論が始まっています。

ではこのタイブレークとはどのような制度なのでしょうか?日本の高校野球やプロ野球に導入された場合のメリット、デメリットは?

スポンサーリンク
スポンサーリンク

野球におけるタイブレーク導入の目的とメリット

タイブレークとは?

タイブレークは野球に限らずテニスなど他のスポーツでも導入されていて、スポーツ毎にどんなルールを指すかは競技によって異なります。

野球に関してのタイブレークは「規定の延長回に到達した場合、回の初めからランナーを背負った状態で始まる」という制度のことを指します。

このランナーの数など細かい部分はリーグや大会によって規定が異なります。

例えば2017WBC日本対オランダ戦で適用されたときは4番で回の先頭打者、鈴木誠也選手の打順でしたが、それぞれ2番菊池涼介選手、3番青木宣親選手が1,2塁にいる状態で回がスタートしました。

試合の時間が短縮されるメリット

野球におけるタイブレーク導入するメリットの一つは「試合時間の短縮」ということが挙げられます。

現状野球にあまり興味のない人からは競技時間が長すぎるという苦言を呈されることもありますし、メジャーリーグなども試合時間の短縮に躍起になっています。

タイブレークが導入されれば上記の日本対オランダ戦のように1、2塁にランナーがいる状況で始まりますので偶然性が増し、より得点が入りやすくなって無駄に延長回を重ねることは減るでしょう。

すでに1塁にランナーがいるので回の初球で2アウト、ゲッツーを取ることも可能ですね。

投手を酷使から守る?

そして延長試合が減ることでよく日本の高校野球で問題になる「エースの酷使」、「投げすぎ」といった問題が解消されるだろう、という目的もあって議論が進んでいるのかと思います。

しかしこの投手酷使に関する効果は微妙だと言わざるを得ません。そもそも延長に突入する回数はそんなに多くないからです。引き分け再試合に至っては10年に1度くらいの間隔でしか起こりません。

なので全体的な投手の酷使問題に関しては投球制限など別の施策を取るべきでしょう。

大会日程のスムーズな消化

高野連やNPB、MLBなどトーナメント大会を主催する側からすればタイブレークの導入は喜ばしい事でしょう。

2017年春のセンバツ高校野球では規定の延長15回を回っても決着がつかず、後日「再試合」となった試合が2連続して話題になりました。

見ている側としては再試合はドラマがあって面白いのですが翌日の会場の手配などを行わなければいけない運営側はてんやわんやの事態になっていることが容易に想像できますよね。

タイブレークが導入されれば再試合という結果になることはおそらくなくなるので運営、コミッショナー側の運営がスムーズにいくという点ではメリットと言えるでしょう。

野球におけるタイブレークのデメリット

得点があっけなく入る

タイブレークのメリットでもありデメリットでもあるのが主な目的である「得点を入りやすくする」という点。

2017WBCでは無死1、2塁から、一部高校野球で導入されているタイブレークルールでは1死満塁からというルールが取られています。

当然得点は入りやすくなります。しかし入りやすすぎて若干野球が淡泊になってしまう感は否めません。

例えば無死1、2塁なら先頭打者バントで送る→次の打者外野フライで1点が入ってしまいますよね。たまにならいいですけどこれを何回もやられるとなんとも見応えの無い試合になってしまうかも・・・

投手、野手共に記録が複雑に・・・

野球のタイブレークはランナーを背負った状態で始まるので基本的に打者有利、投手不利の状態です。得点を入れやすくするために導入するのだから当然ですよね。

しかしそうなった場合「公式記録」の付け方は非常に難しい問題になる可能性があります。

もしタイブレークで失点した場合、投手の自責点に計算されるのか?打った場合打者の打点になるのか?という問題ですね。

2017WBCでは回の初めに置かれるランナー二人はエラーによって出塁したとみなされ、投手の自責点には換算されませんでした。しかし打った側の打点はつきます。

こちらの日本対オランダ戦の公式記録(参照元:2017WBC公式ページ)では決勝2点タイムリーを打った中田翔選手には2打点が付けられているのに対し、打たれたオランダのストフベルゲン投手の自責点は0となっています。

さて何もしていないのに置かれたランナーに対して記録はどう付けるのがいいのでしょうか?打者は打点、投手は防御率など数字の変化は給料や移籍に関わる死活問題です。

そういったスコアの付け方はもう少し適切にされるよう議論を重ねなければならないと思いますね。そして現状と比べると打者が不利になることはないでしょうが、投手、特に中継ぎや抑えはおそらくスコア上不利になるはずです。そこのバランスも非常に難しいですよね。

個人的にはタイブレークに突入したら思い切って個人成績には入れないという判断も一つ視野に入れた方がいいかも?と思っています。

タイブレークはセンバツで一度やってみたら?

すでに社会人球や一部の高校野球でタイブレーク制は導入されています。しかし公式のプロ野球大会では上記したWBC日本対オランダ戦で初めてお目にかかったという人もいるはずです。

タイブレークはメリットもあればデメリットもある制度なので実際に試してみるのが一番だと思いますね。

3年生最後の夏の甲子園でいきなり導入はちょっと問題が出そうなので、まずは2018年春のセンバツで導入してみたらどうでしょうか?制度論は実際の試合でやってみないとやる側も見る側も感覚がつかめないと思いますね。

そして一口にタイブレークといっても「延長何回から適用するのか」「1死満塁」から始めるのか「無死1、2塁」から始めるのかといったルールによってまた違う効果になると思いますのでそちらもより議論を深める必要があるでしょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする