野球において甲子園球場での試合は日差し対策が重要です。日差しに対策をしないと守備の際のフライの捕球やバッティングの際に球が見にくくなるなどプレーに支障が出るためですね。また紫外線から目を保護するためにも重要です。
実際にプロ野球での甲子園球場のデイゲームでは多くの選手が守備の際にサングラスをかけて臨んでいます。
しかし高校野球の甲子園大会ではあまりサングラスをかけている選手は多くありません。
それに対して「この時代にサングラスを許可しないなんて高野連は考えが古い!」などと批判の声が挙がる事もありますね。
では実際の規則はどうなっているのでしょうか?甲子園ではサングラスは本当に禁止されているのでしょうか?
甲子園でサングラスは本当に禁止なのか?
まず結論から言うと甲子園大会でサングラスの使用は別に禁止されていません。
日本高等学校連盟が規定するサングラスの使用条件はこちらです。
サングラスを使用する可能性のある時は、試合前(メンバー交換時)に主催者・審判員に申し出て許可を得たものの使用を認めることとする。メガネ枠は黒、紺またはグレーなどとし、メーカー名はメガネ枠の本来の幅以内とする。グラスの眉間部分へのメーカー名もメガネ枠の本来の幅以内とする。また、著しく反射するサングラスの使用は認めない。
色などの規制はありますが、この文をどこからどう見てもサングラスの使用は禁止されていないことが分かります。
昔は禁止されていましたが数年前から試合前に申請をすればサングラスを掛けてプレーする事は許可されています。
実際サングラスを掛けてプレーする高校球児はかなり増えていますね。
上に紹介した高野連の規則にも書いてありますが、いちいち許可を取る必要があるのは甲子園大会の学生スポーツであるという立場上、広告が過剰に入ったサングラスを使用すると金銭など面倒な問題が発生する可能性があるからというだけです。(あくまで可能性)
またあまりにも部分的に尖っていたりするとクロスプレーの際にケガをする恐れがあるので形状をチェックするために許可制になっているという理由もあるでしょう。バットやスパイクの形状に規定があるのと一緒です。
サングラス使用の申請が却下されたという話も聞いたことがありません。
したがって甲子園大会でサングラスの使用が禁止されているという事実はないのです。しっかり申請をして規定の範囲内、つまり常識的なサングラスであれば使用は許可されています。
実際に使用している球児が少ないからか甲子園でサングラスが禁止されていると思い込んだ人が高野連の体質の古さや健康問題に関連させて批判している意見を見かけますが、ルール上はサングラスは使用できます。(ただし兵庫県地方大会ではなぜか医師の診断書がないと着用できない、これは古いと批判されても仕方ない)
・甲子園大会でサングラスの使用は禁止されていない
・サングラスの広告が過剰だと金銭問題などの恐れがあるのでチェックする
・危険な形状でないかどうかもチェックする必要があるため許可制
なぜ甲子園ではサングラスをしている球児が少ないのか?
上で紹介したように甲子園ではルール上サングラスを禁止しているという事実はありません。しかしサングラスを使用している球児は増えているとはいえ未だ少ないのは事実ですよね。
高野連のサングラスに関するルール自体古いとは思いませんが、指導者側の日差しに対する認識が弱く、若干古い体質が残っていることは否めないでしょう。
昔はプロ野球ですら「日差しが理由で打てない選手は打撃センスがない」などと言われていたものです。
また「サングラスはカッコつけ」としか考えず、それを否定する文化も根強いですね。
未だにそういう古い考えを持っている指導者は存在するでしょう。選手が甲子園大会運営側にサングラスの使用許可申請をしようにも、まず監督に許可を受けなければ申請すらできないですからね。
環境的にサングラスの使用が許されないか、もしくは選手がサングラスを使用したいなどと言い出せない空気が蔓延している可能性もあります。
もっと高校野球にサングラスの普及を
甲子園大会は基本的に日差しをずっと見上げることになるため、紫外線による目へのダメージは大きく、またプレーに支障が出る事もあります。
したがって高校野球ではもっとサングラスを普及させる必要があります。
紹介したように高野連はサングラスを禁止していませんが、積極的に普及を推進しているわけでもありません。
高校球児の目を守るためにも「学校側、指導者への指導」含めてサングラスの使用をもっと普及するべきではないでしょうか。サングラスを普通に使える空気を作ることも大切だと思います。
・指導者側の体質が古い可能性はある
・事実としてサングラスを掛けている球児は少ない
・指導者側のサングラスへの理解を深めることも重要