何かと話題になりやすい浦和レッズの森脇良太選手。
また問題を起こしたようで・・・鹿島アントラーズとの対戦の際、ブラジル人選手であるレオ・シルバ選手や小笠原満男選手に暴言を吐いたとして2試合の出場停止処分を受けました。
スポーツマンらしくない行動と非難の声が上がっていますが・・・さて森脇良太とは一体どのような人物なのでしょうか?
過去のエピソードなどと一緒に見ていきましょう。
森脇良太「くさい」暴言事件全容!
事件は5月4日Jリーグでの試合
事件が起こったのは5月4日に行われた浦和レッズ対鹿島アントラーズの試合。
コーナーフラッグ付近でプレーによる競り合いがあり、ボールに対してアプローチしていたレッズの興梠慎三選手が鹿島の土居選手を強めに倒してしまいます。
これに対して「その行為はどうなんだ」と詰め寄ったのが鹿島の小笠原満男選手とレオ・シルバ選手。ここまではサッカーでよくある流れです。
事件はここから。特にプレーには関係していなかった浦和の森脇良太選手がなぜか抗議の輪に参戦してきます。
それを止めようとするレオ・シルバ選手だったのですが、森脇選手が何事かレオ・シルバ選手に囁き、レオ・シルバ選手は激昂します。そして森脇選手は何やら顔の前に手をやる仕草を見せました。
欧州では人の前で鼻を塞ぐようなジェスチャーをすることは差別と取られる可能性があります。
その行為に小笠原選手も激怒。両チームの選手と審判が懸命になだめてその場は終了します。
小笠原、レオ・シルバの主張
試合後の騒動に関する聴取によると小笠原選手は森脇選手がレオ・シルバ選手に向かって「くさい」などと差別にも似た発言をしたと主張しています。
森脇選手のこういった発言は今に始まった事ではなく過去にも鹿島に在籍したカイオ選手やダヴィ選手にもこのような発言をしていたとの事です。
レオ・シルバもまた「彼(森脇)はいつも僕に対してそう言う。残念だ」と言っています。
森脇の主張
当の森脇選手は小笠原選手に「(トラブルが大きくなるから)お前は入ってくるな、ボケ」と言われたため「ウルセー、ボケ」と言い返したそうです。怒号と共に唾も飛び交うような争いだったためつい「くさい」と言ってしまった、差別的な意味は全くないと主張していました。
事件の結末
この事件の結末としては森脇選手の発言が「差別」ではなく「侮辱的」であるとし、Jリーグから森脇選手に2試合の出場停止処分が下されました。
森脇選手の謝罪文はこちら
森脇良太
「裁定が出て、不適切な発言があったとして、2試合の出場停止となったと伺いました。実際に自分の発言が、子供じみたもので適切ではなかったと思いますし、深く反省しています。僕や浦和レッズを応援してくださっているみなさんに、ものすごく悲しい思いをさせてしまったと思いますし、サッカーを好きで他のクラブを応援してくださっている方、また鹿島アントラーズを応援する方にも不快な思いをさせてしまいました。そして、試合の中で熱くなっていた中で、小笠原選手にも不快な思いをさせてしまいましたし、結果的にレオ シルバ選手にも同様の思いをさせてしまいました。本当に申し訳なく思っていますし、今後、二度とこうした行動はしないようにしていきます。
僕は、本当にファミリーのような雰囲気を持つ浦和レッズというクラブが好きですし、あれだけのスタジアムの雰囲気を作ってくれるファン・サポーターの人たちには感謝しかありません。レッズに来て、あとは選手が結果を出すだけの状況なのに、僕自身が、こうした行為で、迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳ない気持ちです。二度とこうしたことがないように努めます。ご迷惑をおかけし、本当に申しわけありませんでした」
この処分と謝罪に対しレオ・シルバ選手は「彼は日本を代表するタイプの人間ではない。彼とは特に関りもないし、今後も彼の人生を歩んでいけばいい」とバッサリ突き放すようなコメントをしています。
小笠原選手は「彼(森脇)の言葉を信じたいが、もうちょっと聴取の対象を拡げて欲しい」と大人なコメントと同時にレオ・シルバに対して聴取が行われなった事に対してチクリ。
一応これにてこの件は終了となりました。
森脇良太暴言事件、実際はどうなのか?
なんか森脇選手への出場停止処分というはっきりとした罰が下された事で誰に対して暴言を吐いたのかうやむやになっていますが、映像を見る限り森脇選手がレオ・シルバ選手に向かって言葉を言っている事と鼻の前に手を持ってくるジェスチャーをしている事は事実だと思います。
謝罪文でも「結果的にレオ・シルバ選手にも迷惑が掛かってしまった」、とまるでレオ・シルバ選手が直接関係なかったかのように言っています。もちろん小笠原選手にも言っていると思いますが森脇選手の行動は明らかにレオ・シルバ選手にも向けられていますよね。
レオ・シルバ選手は2013年から日本でプレーしており、日常会話程度なら日本語を理解できる選手です。その選手が森脇選手の言葉を聞いた途端激昂するとは・・・森脇選手の「あくまでレオ・シルバに言ったつもりはない」という主張は無理があると思います。
ただ完全なる差別発言ならもっと処罰が重くなるでしょうが、確かに状況はごちゃごちゃしていましたし、「くさい」という言葉のみでは差別かどうかの判定でグレーゾーンに持ち込まれてしまうのは仕方ないでしょう。日本人同士でもそんな事を言い合ってプレーしている人もいますからね。本当に口が臭かっただけかもしれません。もちろんそれにしたって公の場で言っていい事では絶対にないですが。
今回の問題は「差別かどうか」より「スポーツマンシップに反するかどうか」が焦点になった件と言えるでしょう。
いずれにしても完全に解決された事件とは言えず、両チームと各選手には遺恨が残る事件となってしまいました。
森脇良太とはどんな性格なのか?
ムードメーカーではあるが・・・
森脇良太選手のこういった事件やエピソードは珍しい話ではありません。
感情が高ぶりやすく、闘志を前面に出してプレーするスタイルは時に有用なムードメーカーとして機能することもあります。
ザッケローニ監督の元で招集された2011年アジアカップ日本代表でもチームの盛り上げ役を買って出て、優勝に貢献。出場機会はありませんでしたが、帰国する際の空港にてザッケローニの指示でトロフィーを掲げるなどベンチからでもチームを鼓舞できる選手です。
しかしその分他のチームを負かしたい気持ちが強すぎるため今回のような事件を起こしてしまい、他チームのサポーターからは嫌われる事も多いです。
オスカルのPKミスを煽ってチームメイトに止められる
ACLで浦和レッズが上海上港と試合をした際、PKを蹴って失敗したブラジル代表オスカルに駆け寄り「ざまあみろ!」言わんばかりに挑発した姿も印象的ですよね。
オスカル PK失敗 2本目
森脇 PK失敗後オスカルに即挑発へwww
周作も森脇への対応慣れてるな多分 pic.twitter.com/vFsmUmUkiu— URAWA GANZ (@Urayama0328) 2017年4月11日
確かに相手がカッカしてさらにプレーの精度を損なう可能性はありますが・・・若干見苦しいですよね。海外サッカーではこういうゴタゴタも魅力の一つと言えますが、日本人がそこに合わせていく必要はないと思います。
行き過ぎると審判に目をつけられる
味方を鼓舞するのは素晴らしい事ですが・・・今回の件のように味方が止めに入るくらい行き過ぎた行動は慎んでもらいたいですね。
今回の件でもそうですが、森脇選手を擁護する声は浦和レッズサポーターからもあまり聞こえてきません。「森脇なら仕方ない」と思われてしまうのはスポーツ選手としてメリットが全くありませんよね。
審判に目をつけられてファールが取られやすくなり、本質であるプレー自体やりにくくなってしまう事だってあり得ます。
差別的意図があったにせよ無かったにせよ今後は控えてもらいたいです。