ACミランでの契約を満了し、2017年に新天地への移籍が噂されている日本代表の本田圭佑選手。
最近では日本代表でもスタメンから外されることがありましたが、出場すれば依然日本でトップクラスの技術を披露していますよね。
南アフリカワールドカップで2得点を挙げた活躍は今でも思い出されるところです。強靭な左足のキック、鬼のようなキープ力の高さなど・・・特徴はたくさんありますが実際本田選手はどのようなプレースタイルなのでしょうか?
今回は本田選手のプロフィールや身体的な特徴、プレースタイルなどを経歴と共に見ていきたいと思います。
本田圭佑のプロフィールと経歴
本田圭佑のプロフィール
名前ー本田圭佑(ほんだ けいすけ)
出身地ー大阪府摂津市
生年月日ー1986年6月13日
身長ー182cm
体重ー74kg
ポジションーMF、FW
利き足ー左足
本田圭佑選手は大阪府出身で、よくモネマネ芸人の方にまねされているように独特の関西弁イントネーションを持っている関西人です。
ジュニアユース時代はガンバ大阪に所属していましたが、同僚の家長昭博選手らライバルが強力でした。しかも本田選手自身当時はパスを出したら出しっぱなしで動きのスピード、質、量全て不足していたためユースには昇格できませんでした。
そのためスポーツの名門石川県の星稜高校に進学してサッカーを続けます。
その後高校選手権で活躍するなど結果を残してみせた本田選手を名古屋グランパスエイトが獲得。
高校時代のポジションは主にトップ下でした。グランパスではサイドバックやサイドハーフ、ボランチも経験しています。
2008年には早くも海外クラブ、オランダのVVVフェンロに移籍することになります。
ちなみに本田選手がフェンロに移籍した2008年はまだJリーグには旧態依然とした移籍制度が強く残っていたため海外への移籍は難しいミッションでしたが、グランパスとの契約の際に「海外クラブからオファーがあれば優先的に移籍できる」という条項を盛り込んでいたため移籍が可能になったという海外志向の強さを感じさせるエピソードがあります。
・もともとガンバ大阪のジュニアユース出身
・しかしスピードがなくユースには上がれず、高校サッカーに
・名古屋との契約時点から海外でのプレーを見据える
海外移籍で得点への意識が強くなる
VVVフェンロでは2部落ちも経験しますが2年目には16ゴール13アシストを記録して最優秀選手賞を獲得するなど活躍し、チームの1部昇格の原動力となります。
フェンロでの移籍初年度まではラストパスやゲームメイクに注力するプレースタイルでしたが2年目、2部に降格したことをきっかけにゴールをより強く意識するようになり、後の本田圭佑選手の基礎を作った時期と言われています。
2010年には南アフリカワールドカップ日本代表の当落線上にあり、アピールするため欧州チャンピオンズリーグに出場できるロシアリーグのCSKAモスクワに移籍。初出場となったセビージャ戦で強烈なフリーキックを叩き込んで活躍しワールドカップメンバーにも無事に選ばれました。
モスクワ時代はボランチでの出場も多かったですね。南アフリカワールドカップではワントップで出場し、2ゴールの活躍。
2013年には自身が憧れていたイタリア・セリエAのACミランに移籍が決定。栄誉ある背番号「10」を背負うことになりました。
ミランでのポジションは主に右ウイングと右サイドハーフ。稀に中央でもプレー機会を得ていました。
本人はトップ下にこだわりがあるみたいですが、こうやって経歴を見てみるとかなり幅広いポジションでプレーしていることが分かります。後述する戦術理解度の高さも影響しているでしょう。
・オランダに移籍するまではパサースタイル
・フェンロでの2年目からゴールを強く意識
・ミランではサイド、モスクワではボランチ、代表ではワントップと色々やらされる
本田圭佑のプレースタイルは?欠点も
日本人では異質のフィジカルパワー
本田圭佑選手のプレーの特徴としてまず挙げられるのは「フィジカルコンタクトの強さ」でしょう。
日本人としては珍しい身体を当てられてもボールをキープできるボディバランスが魅力で、後ろの選手に向けて「タメ」を作ったりポストプレーができるなど主に「ボールをキープする」選択肢が豊富な選手。
高さもあってヘディングの競り合いにも強く、本職はトップ下ですが2010年の南アフリカワールドカップで岡田武史監督がワントップ起用したのも理解できます。
左足の技術も高いレベル
また本田選手は技術レベルも高く、トラップやパス、シュートとサッカーにおける基本テクニックをどれも高い精度でプレーできる選手です。
ドリブルは瞬発力でガンガン抜いていくは出来ませんが、懐が深くてDFからしたらかなり取りにくいドリブルが可能で、これは上記したキープ力の高さにもつながっています。
パスもショートパス、ロングパス共に精度が高くスピードも十分でスペースも良く見えています。視野が広いのでサイドチェンジも上手。ミランでウイングをやるようになってから特に顕著なプレーの一つですね。
そして南アフリカワールドカップで見せたように左足で打つシュートは威力が高く、コントロールも上々。
ゴールキーパーと一対一で相手を「外す」ように打つシュートも上手いですし、ミドルレンジから強烈な無回転シュートを打つこともできます。フリーキックも上手いですね。
総じてクラシカルな「10番」、トップ下に相応しいプレーができる選手と言えるでしょう。
サッカー脳が発達。頭のいい選手
そして本田選手最大の特徴と言ってもいいのがサッカーにおける「頭の良さ」です。
戦術理解能力が抜群に高く、意外とバランスを考えられるタイプの選手で、「ここでこういうプレーをしたらこうなるだろう」と2手3手先を予測しながらプレーできるためポジションを問わず活躍ができます。
普段からビッグマウスで公の場で他人に厳しい言葉もかけることがありますが、ピッチの上では非常に優しい選手でもあります。モスクワやミランで見せたように他の攻撃的プレーヤーが開けた穴を防ぐように走り回り、カバーできる極めて勤勉なプレースタイルを特徴としていますね。
プレーでは意外と気を使いまくるタイプなのです。
2017年の日本代表対シリア戦では「4-3-3」のインサイドハーフに入り、乾貴士選手や原口元気選手ら推進力のある選手達を活かすため相手MFラインの隙間を走り回り、パス回しを円滑にさせていたのは記憶にも新しいですね。
このような仕事ができるのは「サッカー脳」と「ビジョン」が発達している証拠です。
・前線でタメを作れるフィジカルパワー
・技術も高い視野も広い
・他人のために走り回れるタイプ
こちらはACミラン公式チャンネルの本田の動画。カッコよくプレーが編集されています。
本田圭佑の欠点、課題は?
このように前線で力を発揮できる本田選手ですが、欠点もあります。
それは「瞬発力」の欠如。
ガンバ大阪のジュニアユース時代からACミランの現在までずーっと言われている事ですが、本田選手には「プレーの瞬発力」が少し足りません。
ACミランではよく右サイドをロングカウンターで駆け上がってチャンスメイクしているようにトップスピード自体は決して遅くはないのですが、一瞬早く抜け出すスピード、加速力がないため状況によってはチームプレーの流れを停滞させてしまうことがあります。
上記したようにサッカー脳がハイレベルの選手ではあるので良いアイデアは持っているんですけど・・・「そこで一人交わして前に出られれば・・・」という場面で相手に先に有利なポジションに入られてしまうシーンがよく見られます。
ポゼッションサッカーで遅攻メインだったザッケローニの日本代表では絶対的なトップ下でしたが、縦への推進力、加速力を求めるハリルホジッチ体制下だとカウンターで遅れることも多く、2014年までの輝きは発揮できていない状況です。
センターフォワードとしてなら優秀な成績を収めているので今の本田選手ならキープ力とフィジカルを活かしたワントップかサッカー脳を活かせ、かつ比較的自由に動けるインサイドハーフでプレーさせるのがベストかなと思います。