野球の併殺崩しとは?2017年から危険なスライディングは禁止!

シェアする

※当サイトは記事内にアフィリエイト・アドセンス広告を含む場合があります。

2017年7月の試合で東京ヤクルトスワローズのウラディーミル・バレンティン選手が阪神のセカンド糸原選手に対して「併殺崩しを目的とした危険なスライディング」を仕掛けたとして守備妨害を取られました。

この併殺崩し目的のスライディングは以前から規制を求める声が多く挙がっていましたが2017年から公認野球規則に正式に盛り込まれ、このケースが初適用となったわけですね。

ではこの併殺崩し目的のスライディングとはどのようなものを指すのでしょうか?2017年に追加された新ルールとは?

スポンサーリンク
スポンサーリンク

危険?「併殺崩し」とは?

併殺崩しとは?

「併殺崩しのスライディング」とはランナーが一塁にいて併殺、ゲッツーを取れそうな状況で一塁走者が二塁ベースではなく、セカンドを守っている選手に向かって妨害するようにタックルを仕掛けるプレーのことです。

セカンドベースを守っている選手に向かってスライディングをすれば一塁に正確な送球が難しくなり、併殺を回避できる可能性が高まるのでそれを目的に行います。

メジャーではしょっちゅう行われますし、日本でもたまにやる選手がいますね。

ある程度人に向かってスライディングするわけですから言うまでもなく非常に危険なプレーで、怪我人が多発しているため(特にメジャー)近年併殺崩しのスライディングは規制される方向に向かっています。

選手生命に関わる可能性

これはメジャーリーグでの併殺崩しの動画ですが・・・

明らかにランナーはセカンドの足を狙ってスライディングしていますよね。足を使うサッカーでもここまではやらないでしょう。危険すぎます。

実際にメジャーではこういった併殺崩しで何人も骨折していますね。西岡剛選手や井口資仁選手、韓国の姜正浩選手などが骨折、靭帯損傷という大ケガを負っていますし、2015年にはポストシーズンでメッツのルーベン・テハダ選手が右腓骨骨折という選手生命に関わる負傷を負いました。

日本でも2016年に日本ハムの田中賢介選手がソフトバンクの川島慶三選手に併殺崩しを試みて川島選手が靭帯を損傷するという一件がありましたね。

POINT

・併殺崩しはセカンドを守る選手を妨害するためにスライディングする行為

・とっても危険。大怪我人が多数出てる

日本では2017年からは明確に禁止

2017年から追加された併殺崩し禁止ルール

実は日本では2017年シーズンまでは明確に併殺崩しのスライディングは禁止されていませんでした。

一応はっきり故意に野手の送球を妨害するようなスライディングには守備妨害が適用されてはいましたが、故意かどうかの判断は審判が行うものだったので見逃されてきたプレーも多かったのです。

しかし2017年からは併殺崩しに対する明確なルールが野球規則に追加

こちらが追加されたNPBの規則です。

(j)併殺を試みる塁へのスライディング

 走者が併殺を成立させないために、〝正しいスライディング〟をせずに、野手に接触したり、接触しようとすれば、本条によりインターフェアとなる。
 本条における〝正しいスライディング〟とは、次のとおりである。走者が、

(1)ベースに到達する前からスライディングを始め(先に地面に触れる)、
(2)手や足でベースに到達しようとし、
(3)スライディング終了後は(本塁を除き)ベース上にとどまろうとし、
(4)野手に接触しようとして走路を変更することなく、ベースに達するように滑り込む。

 〝正しいスライディング〟をした走者は、そのスライディングで野手に接触したとしても、本条によりインターフェアとはならない。また、走者の正規の走路に野手が入ってきたために、走者が野手に接触したとしてもインターフェアにはならない。

 前記にかかわらず、走者がロールブロックをしたり、意図的に野手の膝や送球する腕、上半身より高く足を上げて野手に接触したり、接触しようとすれば、〝正しいスライディング〟とはならない。

 走者が本項に違反したと審判員が判断した場合、 走者と打者走者にアウトを宣告する。その走者がすでにアウトになっている場合については、守備側がプレイを試みようとしている走者にアウトが宣告される。
【注】我が国では、所属する団体の規定に従う。

引用元:NPB2017年度野球規則改正

明確に「併殺を試みる塁へのスライディング」が規定されています。

記載されているような塁に向かう「正しいスライディング」を行わず、守備を妨害した場合は併殺崩しを試みた走者と打者走者両方がアウトになるとも書いてありますね。

つまり攻撃側が「併殺崩し目的のスライディング」を試みた場合、併殺と同じアウト2つが自動的に守備側に与えられることになります。

またこの併殺崩しの場面はリプレー検証の対象にもなっており、疑われる場合はプレーを止めて審判団が検証を行うことができます。

スライディングの攻防も技術の一つではあるが・・・

このルール追加により併殺崩しのスライディングは減るでしょう。

スライディングも技術の一つ、そしてそれを如何に避けて送球できるかも内野手の技術の一つという見方もあります。特に日本、アメリカ問わず過去の名選手の中には併殺崩しの規制に反対する声も少なからずありますね。

ただいくら技術でカバーできる範囲とは言っても、足に向けられたスライディングは最悪選手生命に関りかねないのでルールによる規制はある程度必要でしょう

バレンティン選手のケースは併殺崩しルール導入後初めての適用となりましたが、他のサンプルももうちょっと見たいという印象ですね。何でもかんでも規制規制だと競技の迫力が失われる可能性も確かにあるので審判がどの程度まで許容するのか?というポイントがもうちょっと事例が増えて詰まってくるとより良いルールになるでしょう。

POINT

・日本では2017年から野球規則で公式に禁止

・併殺崩しが認められれば走者と打者走者両方アウト

・「技術の一つ」として規制に反対する声も?

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする