2017-2018シーズンのナポリは欧州一とも言われる華麗なパスサッカーで王者ユベントスを寸前の所まで追い詰める活躍を見せました。
その中で特に飛躍を見せたのがポーランド代表のミッドフィルダー、ピオトル・ジエリンスキです。
ワールドカップで日本とも当たりますね。
今回はそんなジエリンスキのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ピオトル・ジエリンスキのプロフィール
名前ーピオトル・セバスティアン・ジエリンスキ(Piotr Sebastian Zieliński)
国籍ーポーランド
出身地ーゾンプコヴィツェ・シロンスキエ
生年月日ー1994年5月20日
身長ー180cm
体重ー75kg
ポジションーMF、FW
利き足ー右足
ジエリンスキ(ジエリニスキ表記も見られる)はポーランドのゾンプコビツェ・シロンスキエという東欧特有の舌を噛みちぎりかねない発音の街出身で、地元のクラブでキャリアをスタートさせています。
その後近年ポーランドリーグ1部にも顔を出すようになったザグウェンビェ・ルビンの下部組織に移動し、さらに若手無名有望株を多数獲得することで有名なイタリア・セリエAのウディネーゼに移籍して2012-2013シーズンにトップチームデビュー。
ウディネーゼでは出場機会は多くなかったものの、2014-2015シーズンにローン移籍した同じセリエAのエンポリでは主力として活躍、2016-2017シーズンにナポリに移籍してステップアップを果たします。
ナポリではフル出場の機会はそれほど多いわけではありませんが、ここでも貴重な戦力としてプレーしています。背番号は「20」ですね。
ポーランド代表ではU-15世代の頃から招集されており、2013年からA代表でも常連の存在となっています。
・セリエAで経験を積む
・ナポリで重要な戦力に
・ポーランド代表でも主力
ピオトル・ジエリンスキのプレースタイルは?
キープ力とドリブル突破が得意
ジエリンスキのポジションはナポリではセンターハーフとウイング、トップ下を務めています。ポーランド代表ではトップ下をやることが多いですね。
ジエリンスキのプレースタイルで特徴的なのは「アクセントを与えるキープ力」、「ドリブル突破力」、「両足から出されるパスのセンス」、「ミドルシュート」になります。
ジエリンスキのセンターハーフとしてのプレースタイルではやはりまず「ドリブル」関連のトクニックに触れるべきでしょう。
非情に懐の深いドリブルテクニックを持っている選手で、足元にボールを収めたままプレスをかいくぐって中盤に一つタメを作ることができる選手です。
名将サッリ体制下のナポリはあのジョゼップ・グアルディオラをして「今欧州で最も美しいサッカー、ナポリに恋している」とまで言わせるほど高いクオリティを見せており、断続的に選手が動きスペースを作って素早くショートパスを交換しながら攻めるパスサッカーを展開していますよね。
しかしパス一辺倒では如何に美しいサッカーと言えどもだんだん相手にプレーパターンを読まれてしまいます。
そこでジエリンスキのような選手が重要になります。ジエリンスキは多少ずれてしまったパスでも難なく足元に収めてキープしてくれるためそれまでの攻めと少し違ったテンポによるプレータイムを生み出してくれます。
一応ジエリンスキは右利きの選手ですが、左足も同じような精度で扱えるのもポイントでプレスがかかったときにボールを逃がせるコースが多いですね。これもジエリンスキのキープ力に一役買っていると言えるでしょう。
さらにジエリンスキはキープするドリブルだけでなく、前のスペースに運んでいくドリブルも非常に上手いタイプなのが素晴らしいです。
相手がパスコースを切るような守備をしてきた場合、ジエリンスキは相手のマークと自分の間にできたスペースを利用して10mほどボールを前に押し上げるようなドリブルができます。
センターハーフやトップ下に位置するジエリンスキがミドルレンジをドリブルで持ち上がると、結果的に丁度相手選手同士の守備ゾーンが被るような位置にボールを進められることになります。こうなると相手は守備ブロック及びゾーン、マークの微修正を行わなくてはならないのでほんの一瞬スキができやすいのです。
そうなればナポリ自慢のパスサッカーがより威力を増すことになりますね。
パスとミドルシュートでも択を作れる
さらにジエリンスキはドリブルだけでなくパスセンスも一級品。
精度、タイミング、スピード共に抜群で、かつ上記のように両足でキックができるため散らし、及び楔出しのパサーとしても非常に優秀です。2017-2018シーズンのセリエAにおいてジエリンスキはパス成功率88%という数字を残していますね。
しかもジエリンスキはパスを出した後に動かない「パス出し地蔵」ではなく、ワンツーの受け手となって自らペナルティエリア付近のスペースに飛び出していくことも多く、これもいいアクセントとなっています。
さらにさらにジエリンスキはミドルシューターとしても一角の存在。
一部で「ジエリン砲」とも呼ばれる威力の高いミドルシュートはあらゆる角度から不意にゴールを強襲できます。
パスサッカーにおいてミドルシュートはゴール以外にも相手のディフェンスラインに一つ選択肢と迷いを増やし、後々のパスのコースを創れる可能性があるプレーですのでこれもナポリのサッカーには重要な武器ですね。
ただしそんなジエリンスキにも現状の欠点はあります。
それは守備の物足りなさです。厳密にいうと守備をしないというわけではなく、よく走ってプレスも掛けてくれるなど決して悪くはないのですが、フィジカルが比較的強くなくコンタクトプレーや空中戦で後れをとってしまうこともあります。
ポジショニングも少し甘く、ジエリンスキが空けたスペースに楔を打ち込まれて展開されてしまうこともありますね。この辺りの守備の締まり具合が途中出場が多い理由になっていると思います。
ジエリンスキはコンテの後釜にサッリを据えるかもしれないチェルシーやリバプールが興味を示していると言われていますが、守備は改善の余地があると言えるでしょう。
さてポーランド代表はエースであるレヴァンドフスキをサポートする存在としてこのジエリンスキやスペースメイクの上手いミリクなどいいメンバーが揃っているチームです。
レヴァンドフスキのプレースタイルはこちらも参考に→ポーランド代表レヴァンドフスキのプレースタイルは?その凄さはどこにある?
ミリクのプレースタイルはこちらも参考に→ポーランド代表ミリクのプレースタイルは?好調ナポリ所属の万能アタッカー
中盤でタメを作り時に自らドリブルで突破やラストパスを出してくるジエリンスキをカバーしないと試合を作られてしまいますので日本代表はしっかりマークを厳しく行く必要があると思いますね。
・細かいタッチでボールをキープ
・両足でドリブルとパスが出せるのも強み
・ミドルシュートも非常に強力