もはやプロ野球で5、6月の風物詩となっている「セ・パ交流戦」。
普通日本シリーズやオープン戦でしか見られないセ・リーグとパリーグのチーム同士が対戦するので、新鮮な気持ちで野球を楽しむことができます。
またパ・リーグ主催の試合ではDH(指名打者)制を採用しているのでDH制のないセ・リーグチームのファンもいつもとは一味違うチーム編成、野球を見ることができるのでそれも楽しみの一つですよね。
2005年から始まったこの交流戦ですが、ペナントレースにどういう影響を与えるのでしょうか?そのメリットとデメリットを見ていきましょう。そして巨人を始めとするセ・リーグのチームは内心乗り気でないという説は本当なのでしょうか?
セ・パ交流戦のメリット、デメリット
交流戦のメリット
交流戦のメリットとしてはやはり普段対戦しない違うリーグ同士のチームが対戦するという新鮮さにあると思います。
普段見られない選手が見れるということは集客に苦戦している比較的ファン数の少ないチームにとっては興行的にとてもありがたいことで、巨人や阪神といった人気チームとの対戦では普段より格段に集客が望めます。
さらに交流戦は18試合あり、そのチーム成績や個人成績は全てペナントレースに組み込まれます。
そして交流戦の間は全て他リーグとの試合になるので4月、5月と流れの悪かったチームにフレッシュな好影響が生まれ、成績を持ち直すきっかけになる可能性がありますよね。
交流戦得意の福岡ソフトバンクホークスや巨人は開幕の調子が多少悪くてもいつもこの時期に持ち直してきます。
交流戦のデメリット
交流戦のデメリットは主にセ・リーグ側にあります。
セ・リーグには他地域に住む人にも人気がある球団、巨人と阪神タイガースを抱えています。
伝統の巨人阪神戦はもちろんのこと、この2球団が絡む試合はどのチームとの対戦も軒並み人気になり、セ・リーグの興行収入に大きく影響を与えているのです。
なので比較的人気球団の少ないパ・リーグ側からすると巨人阪神と対戦できるのは興行的にありがたいのですがセ・リーグ側にはほとんどメリットがありません。
メリットがないばかりか年間の試合予定からプロ野球一の人気カード阪神巨人戦が減るというデメリットの方が大きいという状況です。
セ・リーグは交流戦をやめたがっている
上記のようなメリット、デメリットから、パ・リーグ側は「交流戦を続けたい、むしろ試合数増やしたい」、セ・リーグ側は「メリットないからやめたい」と考えているのは事実で、毎年のように議論になっています。
もともとセ・パ交流戦は集客に苦労していたパ・リーグ側にセ・リーグが協力する形で始まったイベントです。セ・リーグからしたら「集客に協力してやってる」という立場。
しかし蓋を開けてみれば2009年を除いて全てパ・リーグのチームが勝ち越していて、2010年に至っては交流戦上位6チーム全てパ・リーグのチームという状況。近年その流れはさらに加速しています。
セ・リーグの球団からしたら当然面白くないですよね。「協力してあげてるのに負け越すし、人気カード阪神巨人戦も減るし・・・」と。
近年ではパ・リーグの球団も人気が上がってきているので「もう協力しなくてもいいじゃん」と思っているセ・リーグ関係者は多いです。
交流戦を続けたいパ・リーグとやめたいセ・リーグの綱引きは来年以降も続いていくかと思いますが、個人的には普段見る機会のない選手が見れるので是非続けて欲しいですね。