現代サッカーにおいて最高のセンターバックとは誰になるでしょうか。
攻守においてバランスのいいチアゴ・シウバ、攻撃的な守備がウリのセルヒオ・ラモス、司令塔としてクオリティの高いフンメルスなど様々な名前が挙がると思います。
しかしスピードにはおいてレアル・マドリードのフランス代表ラファエル・ヴァランがおそらく頂点に輝くでしょう。
今回は世界のセンターバックの中で最高レベルのスピードを持つヴァランのプロフィールやプレースタイルを見ていきたいと思います。
ラファエル・ヴァランのプロフィール
名前ーラファエル・ヴァラン(Raphaël Varane)
国籍ーフランス、マルティニーク(代表はフランス)
出身地ーリール
生年月日ー1993年4月25日
身長ー191cm
体重ー78kg
ポジションーDF
利き足ー右足
ラファエル・ヴァランは両親のルーツを中南米のカリブ海にあるフランスの海外県「マルティニーク」に持つ選手です。近年移民が増えているフランス人サッカー選手の中でも比較的珍しいルーツと言っていいでしょう。
ヴァランが生まれたのはフランスのリールで、サッカーキャリアのスタートはそのリール近郊のエレームというクラブでした。
幼少の頃から才能を発揮していたヴァランには当然地元のリールからスカウトを受けますが、ヴァランが選んだのは大きく見て隣接している街のクラブチームランス。
ランスの下部組織でもレベルの高さを見せつけ、基本的に2つ年上のカテゴリーの選手と共にプレーするなどこの時点で現在の活躍が保証されていたと言ってもいいクオリティを見せていました。
ヴァランのトップチーム昇格は2010年。17歳の時でしたでした。このシーズンは最終的に公式戦24試合に出場すると翌年にはわずか18歳にしてスペインのレアル・マドリードに引き抜かれることになりましたね。
この移籍には現在レアル・マドリードの監督で当時スポーツディレクターだったフランスの英雄ジネディーヌ・ジダンの強い要望があったそうです。実際にジダンが直接ヴァランに電話をかけて説得したそうですね。
レアル・マドリードでは当初出場機会はそんなに多くありませんでしたが、年々成長を見せ出場を増やすと2014-2015シーズンからは主力の一角として完全に定着、レアル・マドリードの絶対的センターバックとして君臨しています。
またフランス代表ではU-18世代からコンスタントに招集されており、メンバーによってはキャプテンを務めることもありますね。
・フランス生まれだが両親のルーツはカリブ海
・ランスでは常に上のカテゴリーでプレー
・レアルでは不動のセンターバックに上り詰める
ラファエル・ヴァランのプレースタイルは?
センターバックでは世界最速クラスのスピード
ヴァランのポジションはセンターバックです。若い頃は(今でも若いけど)サイドバックやボランチを務めることもありましたね。
ヴァランのセンターバックにおけるプレースタイルの特徴は何と言っても「スピード」と「一対一の強さ」です。
ヴァランはセンターバックの中では世界最速なのではないか?というくらい抜群のスプリント能力を持っており、裏に抜け出そうとする快速アタッカーにも簡単に追いついてしまうスピードを持っています。
現代サッカー、特にレアル・マドリードのような強豪チームにおけるセンターバックはディフェンスラインをなるべく前に設定し、繋いで攻撃の選手がやりやすいようにプレーすることが求められます。
このディフェンスラインを上げるという戦術の場合、何が問題になるかというと足の速い選手が高いラインの裏へスピードを活かして突撃してくるプレーですよね。ディフェンスラインを上げているとこのパターンで失点する状況が非常に多いです。
しかしレアル・マドリードはそこにヴァランがいるのです。快速アタッカーにも負けないスピードを持っているヴァランがいれば仮に裏へ抜け出されても簡単に追いついて処理してくれるため安心してディフェンスラインを上げる選択肢がチョイスできるということですね。
レアル・マドリードの強力な攻撃陣をサポートしているのは実質ヴァランのスピードと言ってもいいくらいです。
ヴァランと主にセンターバックでコンビを組むのはセルヒオ・ラモスであり、ラモスはガンガン前にアタックしていくような守備が特徴なのでそのカバーという意味でもヴァランは素晴らしいですね。レアルのセンターバックコンビは非常に相性がいいと思います。
ラモスのプレースタイルはこちらも参考に→スペイン代表セルヒオ・ラモスのプレースタイルは?守備の凄さと得点力!
フィジカルも強いしテクニックもかなり高いレベル
またヴァランはスピードだけでなく191cmという大柄な体躯を持っており、フィジカルコンタクトにも強いですね。あのディディエ・ドログバが「対戦したDFで最高の一人」と称するだけに一対一のフィジカルプレーにも非常に強く、一対一では負ける事がほとんどありません。
しかもラモスやペペなどレアルの歴代センターバックはかなり「荒い」タックルを仕掛けることで有名ですが、ヴァランは先読みセンスが優れており荒いタックルをせずともクリーンにボールを奪う事ができる選手でもあります。
もちろん身長の数字が示しているようにヘディングも強くセットプレーでは有力なターゲットの一つになっていますね。
フランスでアンダー世代からプレーしているように基礎的なボールタッチ技術も高く、隙間を見つけてはスルスルとドリブルで持ち上がったり、高い位置でボールを奪おうと突っ込んでくるアタッカーを軽くいなすプレーは良く見かけます。
これからの課題というわけではないですが、後はディフェンスラインで完全なるリーダーとなれるかですね。今は隣にラモスがいますが、彼ももう31歳なので休む機会も増えるかもしれません。レアルにはペペの背番号を継いだバジェホやサイドバックのテオなど新しく若い選手が加入しているのでヴァランが守備リーダーにならなければいけない場面もあるでしょう。まだ若いですがヴァランにはリーダーの素質が十分にあります。
新加入バジェホのプレースタイルはこちらも参考に→レアルの新3番!スペイン人DFバジェホのプレースタイルは?
テオのプレースタイルはこちら→ベイル2世?テオ・エルナンデスのプレースタイルは?レアル移籍決定!
いずれにしてもヴァランはセンターバックとして非常に高いクオリティでまとまっている選手で、世界のセンターバックの中でもトップ10に入る選手だと言えるでしょう。
ロシアワールドカップでも高確率でフランス代表のスタメンになるでしょうから今から楽しみですね。
・抜群のスピードで裏取りを許さないセンターバック
・ヴァランがいればディフェンスラインを高く保てる
・フィジカルは強いがプレーはクリーン